竜宮城の里村さん
数年前。里村さんとフィンランドで数日間一緒だったことがある。そのときの模様は拙著『戦争とプロレス』(徳間書店刊)に詳しい。北欧の森の中で酒を飲ませてもらえないオレが発狂しかけたり、日本へ帰る飛行機の時間が迫っているのにスターバック夫妻に「メシを食っていけ!」と執拗に迫られる里村さんが大ピンチに陥るなど、事実は小説よりも奇なりな旅の様子がふんだんに記されているので、里村さんファンで未読な方は是非ご一読のほどを。
もしかすると、それ以来となる里村さんとの再会。セッティングしてくれたのは、普段から九州プロレスを応援してくださっている弁護士の先生であった。先生はかつてから里村さんと懇意にされているそうで、仕事で福岡へやってくるという里村さんと
「時間があったらタジリさんも会いませんか?」
とのお誘いを受け、指定された高級焼肉店へオレは向かった。(※ここまで書いて思い出したのだが、一昨年、福岡に来た里村さんと、オレは九州プロレスのオフィスで会っていたのであった……我ながらAHO)
引き戸を開け、高貴な木材を用いた和風のつくりな店内に入ると、赤いスカートに白いシャツという、巫女さんのような色合いに身を包んだ里村さんが、姿勢正しく席についているうしろ姿が。そのうしろ姿を目にした瞬間、はるかむかし仙台での、とある記憶が甦ってきたのであった。里村さんとの、ある記憶が。
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