書けない時に、いつも思い出す言葉。
実は、さっきまで書いていたものを
急遽とりやめた。
そういうこと私の人生ではショッチュウ
起こっている。
あの話はなくなりましたとか。
あの企画いまペンディングですとか。
また連絡さしあげますとか。
そうやって、凹んだり元気だったりうつ
だったりしながらここまでやって
きましたが。
挫折について考えていた。
新入社員の時に、挫折したってことが
あった。
挫折しましたって正直に伝えると。
社長の洋子さんいわく、ぼんちゃんのそれは
挫折やない、やらんのにあきらめてるに
過ぎないんやでって。
挫折にあやまりって言われた。
ダメになった時に、つまづいた時に
どうすればよくなるのかを考える
ことから逃げていたかもしれない。
傷つかずに一度でゴーサインを
もらいたかっただけかもしれない。
そして洋子さんがおっしゃった。
七転び八起きというけどな、
たいてい七回転んでいたらあきらめる。
でも七転び八起きは、一回一回、起き上がろうと
したからこその言葉。
だからわたしも今があるんやって。
彼女は大病を抱えながらも広告会社の
社長をこなしている方だった。
そして挫折という言葉は、軽々しく使っては
いけないとその時身に沁みた。
そこまで挑戦し続けたあとで使う言葉
だなってじぶんに言い聞かせた、数年後。
やはり、「書く」という現場で分厚くて
黒くて、向こうがみえないような壁に
わたしはぶちあたった。
人間関係うまくいかないときにも
〆切に間に合わせて「書く」ということに
押しつぶされそうになっていたライター
新人の頃。
朝から晩までほとんど、編集者の言葉に
悩んでいた。
読解力不足のせいか、指摘がみえない。
どの文章をどう変えれば、もっといい
読みやすい文章になるのか、届くのか
わからなくて。
べそかいていた気分の時に、
コピーライターの養成学校の友達に
ちょっと愚痴った。
わたし向いてないわこの仕事。
とつぶやいた。
なんで? って彼。
だから、こんなに朝から晩まで悩んでるん
なんておかしいやん。
向いてたらこんなに悩まへんやん。
って、ダメなわたしを全開した。
そしたら彼、中川君は、なにいうてんねんって
笑った。
あほやなぁとも付け加えた。
なにが?
と、わたしは面白くない気分で問いただす。
だからな、分かってへんなぼんちゃんは、
ってもう一度笑い飛ばされて黙っていたら。
だから向いてるんやんか。
そんだけ一日悩めるってことは、向いてる人に
しかでけへんでって。
好きだからこそ、悩めるんだと。
わたしは中川君の言葉は信じているところが
あったので。
ちょっと、新鮮で。
向いてるのかわたしって、一瞬にして
光が差し込んだような気がした。
気休めとちゃうでって中川君が、わたしの
疑り深い性格を知ってか、畳みかけた。
その時わたしはほんとうに、励ましの言葉って
こういうことかもしれないと納得した。
友達ってこういう時に助けてくれるの
だなって思った。
うまく行っていない時にかけられた言葉は
わすれられないものだけど。
無理やりでもなんでもない、わたしの
挫けそうな心を救ってくれた言葉だった。
そしてわたしは細々とだけど、「書く」ことを
続けて来た。
そして悩むたびに彼の言葉を想い出している。
今夜もすこしだけ想いだしていた。
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