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ひとりひとりのあらすじを、つないでみたら。

光の場合。

どうして光と書いてあきらと読ませる名前を両親がつけてしまったんだろうと光は思う。じぶんがあきらじゃなかったら、須賀滉と8年も付き合うことはなかったかもしれないと。近頃、光はささいなことで晃に嘘をついてしまうことに気づいていた。大きな嘘よりもそんな嘘の方が罪深いのに。

スギナの場合。

世の中には自分に似た顔のやつが3人いるというけれど。スギナはそのうちのひとりにはもう会っていた。中学の時の同級生の天野だった。スギナは、双子座流星群がみえるというその日、狂おしいまでに天野のことを思いだしている自分に狼狽えた。あの頃の記憶、ふたりで夜空の下、逆立ちしたあの日のことを想いだしているなんて。

篠原の場合。

雨宿りしたからといって、その後何かが変わっているとは思わなかったが、篠原は彼女に会うことにも躊躇いを憶えていたので、だらだらと雨をしのぐことにした。隣にいた男が、<レインゲート地帯、雨やまず>というスマホの画面を見せながら囁いた。あなた、さっきなにかをくぐりませんでしたか、と隣の男が不穏な問いかけを投げつけた。

空の場合。

タウン紙のライターをしている空と、とおくの南の島に行ってしまった陸。空は、ほんとうはこれからの話をしたいのに、彼は大好きなアンディー・ウォーホルか屋久島の悠久の話しかしなかったりする。そんなある日、タウン紙が終わることになって、空の日常もすこしずつ変化しはじめていた。はじめての引っ越しの日、タクシー運転手もしらないような街にたどり着こうとしていた。

映の場合。

映はあまりにも、モノにも人にも巻き込まれることなく人生を送ってきてしまったことを、うっすら後悔していた。そんなある日。部屋に戻ると灯りが消えた。スマホで灯りをとろうとしたら、あろうことか知らない場所、週末だけ営業しているホテルに電話がかかってしまって。人生初の巻き込まれる体験をしようとしている映がそこいいた。

遥の場合。

遺品保管のレンタル倉庫会社に勤めている遥の仕事場のブースに、内線しか通じなかった電話に近頃外線がまじるようになっていた。ある日、道に迷った男の人から電話が入る。「ワールズエンド・キャッスル」まで行くにはどうすればいいのかと。測量することを生業としているその人は、何かを測りにそこに行きたいのにたどり着かないのだと切羽詰まっていた。

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みんな、違う場所で生きている。
光、スギナも篠原も空もそして遥も。

でも時々、彼らはすれ違っていることを
誰も知らない。

東京の湯茉莉町のRの4の階段を下ると
もうひとつの街がそこにはある。
たいていの人はその階段を上るのだけれど。
彼らはそこを下ることが運命づけられている
かのように、おりてゆく。

パラレルワールドのようなその街にたどり
着くまでの雑踏で、毎朝すれ違っていることを
彼らは誰も知らない。

時々こんなふうに、わたしは他のサイトで、小説
らしきものを書いてきた。

ずっと人嫌いだと思ってきたけれど。わたしは
じぶんのつたない作品の中では人が蠢いているのを
感じた。

ほっておくと、登場人物が多くなってしまう。

人が小説らしきもののつくりものの中には
いっぱいいる。
わたし、もしかして人が好きなんか?って
気づいたことがあった。

小説らしきものを書いている時は、ひどい人も
たくさん出て来るし、すぐに暴言吐く人もでてくる。
世の中のバランスとして、いい人だけではやってけ
ないことぐらいは知っているので、そうするのだけれど。

幸せになれないことも多々あるけれど。
無理に幸せにならないようにしていることもあって。
不器用さはわたしの分身かもしれないと
思う時もある

それでも、今日ここにあげた彼ら。

光もスギナも篠原も映も遥も。
わたしの分身そのものじゃなくて、ぜんぜん違う星から
ぽつんとひとりでやってきたみたいな人達だ。

ときどき、苦しい時に彼らはどうしているかなって、
想い出す時がある。
恥ずかしいからはじめて言うけれど。
わたしが作った彼らのことを、わたしはともだちって
呼んでいいのかなってそんな気持ちになることがある。

そう思った刹那。
また、なにかを創りたい想いに火をつけてくれる。

日々に ハックなんてないのに 追いかけて
花びらが 散ってゆくよな 秒の束まとって



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ゼロの紙 /歌人 いつも、笑える方向を目指しています! 面白いもの書いてゆきますね😊

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