w korea 25年11月号 G-DRAGON 日本語訳
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W(W Korea):〈W KOREA〉の撮影で、まるで猫のように気まぐれで繊細なジードラゴンの表情を見た気がしました。
G-DRAGON:そうでしたか? そう感じてくれたなら嬉しいですね。ファッション撮影は久しぶりでした。〈W〉とご一緒するのも本当に久しぶりです。
W(W Korea):今日は〈CHANEL〉の2025/26 クルーズコレクションを着て撮影しました。新しいアーティスティック・ディレクター、マチュー・ブラジーによるデビューショー〈2026 S/Sコレクション〉がパリで発表されたばかりですね。
G-DRAGON:映像で観ました。惑星をテーマにしたコンセプトが印象的で、現場で直接観られたらもっと面白かっただろうなと思いました。僕はショーを見るとき、ルック一つひとつよりも全体の構成を重視するんです。衣装はもちろんですが、音楽も大切で、動線や空間によっても感じ方が変わります。コンサートと似ているところがあるんじゃないでしょうか。ショーですからね。
W(W Korea):普段〈CHANEL〉の服の中から「G-DRAGONが着そうなもの」を選ぶとき、どんな基準がありますか?
G-DRAGON:うーん…まずは“気軽に着られるか”どうか。そしてもう一つは“まるでクチュールのようにショーピースであるか”。この二つが大きな基準です。そのどちらにも当てはまらない中途半端なものにはあまり惹かれないですね。ステージ衣装としてセットアップを買うこともあります。僕はセットアップが好きなんですが、理想のものに出会うのはなかなか難しいんです。
W(W Korea):9月、ワールドツアーでパリ公演を行ったときも〈CHANEL〉のカスタムスーツを着ていましたね。白いパンツスーツに黒のクリスタル刺繍ブレードが印象的でした。
G-DRAGON:そうですね。ああいう特注の衣装は本当に特別なケースです。だから気に入るものを探しているうちにヴィンテージの世界にハマっていったのかもしれません。僕は子どもの頃からヴィンテージが大好きで。昔の服ってオーバーサイズのものが多いので、女性物でも僕の体に合うことがあるんです。いわゆる“スーツ”と呼ばれるフィット感ですね。最近の服はディテールが派手なスタイルが多いけれど、昔の服はもっとミニマルでクラシック、その中で色味の美しさが際立っていたりします。
W(W Korea):ヴィンテージを掘る(ディグる)楽しみには終わりがありませんね。
G-DRAGON:本当に終わりがないですよ。昔、雑誌や写真でしか見たことのなかったアイテムを実際に目にしたときの“宝物を見つけたような感覚”。あの瞬間がたまらないですね。たまにどこにも載っていない未知のものに出会うと、驚きと興奮で震えます。
W(W Korea):新しいものが次々に登場する時代に、ヴィンテージに惹かれるというのはある意味でアイロニーですね。
G-DRAGON:僕の場合、ファッションに限らずすべてそうです。職業柄、音楽も幅広く聴きますが、結局いつも戻ってくるのは昔から好きだった曲なんです。映画もそう。自分の“好み”がしっかり根付いているからだと思います。新しいものを見るときは、それを“学び”として捉えることが多いです。そこから何かインスピレーションを得られないか、という視点ですね。僕が音楽を作るときも、これまで蓄積してきた自分の“データ”をベースにしています。そして新しい要素を少しずつミックスしながら、新しい何かを生み出していく。
W(W Korea):最近では〈APEC 2025 KOREA〉のプロモーション映像も話題になりました。パイロットの制服姿がとても似合っていましたね。楽しく拝見しました。
G-DRAGON:僕も楽しく観ました(笑)。撮影中は最終的にどう仕上がるのか気になっていたんです。
W(W Korea):セリフはほとんどない流れでしたが、それでも演技が必要でしたか?
G-DRAGON:そうですね。監督がうまくディレクションしてくれました。テイクを何度も重ねる感じでもなく、リラックスして臨めた撮影でした。途中、外国の方々と一緒に登場するシーンがあったんですが、それがなぜか一番不思議で楽しかったです。CGに見えるかもしれませんが、あのシーンは本当に全員で集まって撮ったんですよ。
W(W Korea):最近のG-DRAGONの大きなテーマといえば、やはりワールドツアーですよね。3月から〈2025 World Tour “Ubermensch”〉が始まりました。各都市を巡るなかで、よく食べて、よく眠れましたか?
G-DRAGON:はい。以前、全盛期の活動中は本当に休む間もなくスケジュールをこなしていました。でも今は、もうああいうやり方はできないと思っています。体も大事にしないといけませんし、もし昔のようにやるつもりなら、最初から始めなかったと思います。体力のことも含めて、自分なりのペースやパターンを決めて動く必要があると思いました。
W(W Korea):ミュージシャンとして7年ぶりのカムバック。ツアーも久しぶりですよね。実際に始めてみてコンディションはいかがですか?
G-DRAGON:思ったより早く“感覚”が戻ってきた気がします。本来なら、そこにたどり着くまでかなり時間がかかるかもしれないし、もしかしたら取り戻せない可能性もあった。でもありがたいことに、早い段階で自分のペースを掴めました。ツアー序盤は「これ、大丈夫かな」と不安もあったけれど、気づいたらちゃんと自分のリズムを取り戻していました。
W(W Korea):2017年の前回ワールドツアーのときよりも、今回はスケジュールに余裕を持たせたんですか?
G-DRAGON:うーん、実際はそうでもないかもしれません。正確に比べてはいませんが、感覚的にはそう感じています。ただ、今回は会社も変わって、自分でプランを立てたので、やはり全然違いましたね。むしろ余裕を持ちすぎるより、良い流れに乗ったらそのまま続けたいタイプなんです。僕だけでなく、機材の移動時間やチーム全体の流れも考慮してスケジュールを組みました。
W(W Korea):アジア、オセアニア、アメリカ、ヨーロッパを巡って、残すはアジアでのアンコール公演のみですね。これまでのツアーを振り返って、特に印象に残っている瞬間は?
G-DRAGON:最初の公演ですね。あの日のことは鮮明に覚えています。とにかく寒かった。雪と雨と雹(ひょう)が一日に全部降ったんです。あれは忘れられません。
W(W Korea):3月末、2日間にわたって高陽総合運動場のメインスタジアムで開催されましたね。大変なスタートだったようですね。
G-DRAGON:本当に不思議なショーでした。僕も観客もみんな大変でした。でもあの難しい状況でスタートしたからこそ、後になるほどスムーズになっていった気がします。気温も上がってきて、体もだんだん温まって。
W(W Korea):久しぶりに世界各地を回ってみて、観客の印象はどうでしたか?
G-DRAGON:以前と変わらないというより、むしろ“熱量”が増していたように感じました。それに新しくファンになってくれた方々がすごく多かった。昔の海外公演は韓国人やアジア人の観客が圧倒的に多かったんですが、今はどの国でも、現地の方々を含めて本当に多様なんです。その変化がとても嬉しかったですね。あとは…男性ファンがすごく増えた。以前は少しでも男性客がいるとすぐ目立つくらいでしたが、今回は明らかに比率が高かったです。
W(W Korea):男性が多いと歓声のトーンも違いますよね。
G-DRAGON:そうですね。何というか、体力がある(笑)。本気を出すとすごいんですよ。だからこそ、予想外の流れが生まれたりして面白いです。僕自身、ちょっとリアクションがぎこちなくなるときもあります(笑)。
W(W Korea):3rdフルアルバム〈Ubermensch〉がリリースされたのは今年2月。先行シングル〈POWER〉は昨年秋に発表されました。その間にさまざまな反応を受け取ったと思いますが、今の満足度は?
G-DRAGON:満足度は高いです。自分が表現したかった方向性や感情が、今もきちんと受け入れられているんだと感じられて安心しました。久しぶりの活動ですし、これまでたくさんの愛をいただき、良い結果も出してきたぶん、プレッシャーがなかったとは言えません。僕にとってはいつも通りの音楽でも、受け取る人にとっては違って聞こえるかもしれない。そこが微妙で、時に“諸刃の剣”のようでもある。でも結果としては、とても満足しています。
W(W Korea):私は〈POWER〉を聴いた瞬間に惹かれました。久々のカムバックなのに、重くなくて新鮮で軽やかな印象でした。
G-DRAGON:誰かがただ“音楽そのもの”を楽しんでくれるだけで、ミュージシャンにとっては本当にありがたいことです。さらに、深く聴いて分析しながら楽しんでくれる人を見ると、心から感謝の気持ちが湧きます。僕は曲ごとに込めたメッセージがあるんですが、それをちゃんと感じ取ってくれる方が多くて嬉しいですね。僕は歌詞の一行一行にすごくこだわるタイプなんです。もちろん全員にそれを理解してほしいとは思わないけれど、たまに“もう少し伝わったらいいのにな”と思うこともありました。今回は、言葉ひとつひとつを汲み取って“彼はこういう意味を伝えたかったんだろう”と考えてくれる人が多くて。そうしたリアクションが自然に広まっていくのを見て、僕のほうが逆にインスピレーションをもらいました。
W(W Korea):長い空白を経て音楽の世界に戻ってきて、もうすぐ1年が経ちます。振り返ってみて、G-DRAGONにとっていちばん必要だったものは何だったと思いますか? やはり“休息”だったのでしょうか?
G-DRAGON:休息も必要でしたし、他にもいろいろ必要なものがありました。入隊前に“宣言”のように発表した〈권지용(クォン・ジヨン)〉というアルバムを最後に、しばらくはG-DRAGONから“권지용”へとスイッチする時間を過ごしたんです。もちろん軍隊にいた時期を除けば、完全にメディアから姿を消していたわけではありません。でも僕にとっては、“本業に戻る”ということが大きな意味を持ちました。自分がいちばん長く続けてきて、いちばん得意なことに戻る、という意味で。
W(W Korea):ツアー中の映像でこう語っていましたね。「時間というものが与えられて、誰かが意図的に“休符”を打ってくれたような気がした」と。「そしてずっと心に響いていた言葉が“ウーバーメンシュ(Übermensch)”。それが一種の呪文、あるいは防護膜のようだった」と。ニーチェが作り出した概念、“超人”ですね。人間は完成された存在ではなく、自らを乗り越え、超越していく存在だという意味だと聞きます。自分がその“超人”に近づいたと感じるのはどんなときですか?
G-DRAGON:今回のカムバックそのものがそうでした。成功するかどうかよりも、まず“ぶつかってみること”。結果がどうであれ、その結果さえも楽しめる状態になりたかったんです。권지용から再びG-DRAGONというキャラクターを引き出すとき、半信半疑の目で見る人もいたと思います。でも、“成功か失敗か”という物差しを最初から持とうとは思いませんでした。それ自体にまったく意味がないとは言いませんが、僕にとって今回のアルバムとカムバックは挑戦でした。“やりたいからやる”“やるからにはいいものを作りたい”という気持ちで。結果的に反応が良くてホッとしていますが、もしそうでなかったとしても、僕には常に“次に見せたいもの”がある。何より“始めたこと自体”に誇りを感じます。実際に行動してみて初めて分かることってありますからね。頭の中で考えているだけなら、時間だけが過ぎてしまったと思います。
W(W Korea):戻ってきて“再び始めた”というのは、現在のG-DRAGONが過去のG-DRAGONを超えたという意味でもありますか? かつては華やかな栄光の象徴でもあり、それだけに重圧も大きかったと思います。
G-DRAGON:“超える”というのは、必ずしも“限界を突破する”という意味ではないと思っています。限界がどこにあるのか分からないままぶつかっていくうちに、“限界そのものがなくなる”感覚になるんです。だから、結局“今の自分”が自分にとってのハイライトなんじゃないかなと思います。これからどうなるかは分からないけれど、以前のように“肩の重み”を感じることはもうないですね。ニーチェとともによく語られる有名な絵がありますよね。断崖の上に立つ男の後ろ姿を描いた絵。僕はあのイメージをよく思い浮かべていました。彼が笑っているのか泣いているのかは分からない。頂上で喜びをかみしめているのか、ただその先の風景を眺めているのか、それとも“次はどこへ行こうか”と考えているのかもしれない。
W(W Korea):いま、あなたの頭の中で最も大きなテーマは何ですか?
G-DRAGON:今この瞬間にあるテーマは〈BIGBANG 20周年〉ですね。昨年は僕自身のカムバックが最大の関心事でしたが、いま最も近い未来として意識しているのは来年の“BIGBANGデビュー20周年”。〈コーチェラ・ミュージック・フェスティバル〉という新しい“始まり”も待っています。実は活動を休んでいる間、これから数年にわたってやりたいことのビジョンをある程度描いていました。僕は今でも“BIGBANGのリーダー”ですからね。
