Mリーグ解説で石橋さんの弱さが透けて見てしまう件
これは伝説の丸山デビュー戦であり3M見逃しからの鮮烈な大逆転劇の動画であり、この時の解説が、今でももう一つの語り草にもなっている<丸山の華麗な3M見逃し>を見逃した石橋さんだったわけです。
この解説を聞いて、石橋の雀力に疑問を感じた人も少なくなかったのではないだろうか。石橋解説あるあるの三色見逃し等細かい見逃しのミスについて今更話をするつもりもないが、今回は「Mリーグ解説 石橋さんの弱さが透けて見てしまう件」というタイトルでnoteを書いてみたい。
ところで話は全くガラリと変わってしまい恐縮ではありますが、その前段として2018年の大谷翔平のデビューする直前のスプリングキャンプについて少しお話をしてみたい。
32打数4安打0本塁打。打率125。ゴロアウト製造機と化した大谷に対して、200~300コメントざっと見渡したが当時、ただの一つも活躍を予見したコメントはなかった。メジャーでは通用しない、3Aからやり直せという声ですべてのコメントが埋められていたわけです。これは見事なまでに一色のコメント。
こうした中、私がリアルタイムでなぜ「大谷はこれならMLBで十分にやっていける」とコメントしたのかについて話をしていきたいと思います。その理由こそが今回の肝です。話としては興味深い好例のような気もするので、是非お付き合いいただきたい。
さて麻雀界でもオカルトバスターズによってデジタル革命が起きたように、MLBの世界でもセイバーメトリクスという統計の技術を用いたデジタル革命が起きたわけです。
このセイバーメトリクスの黎明期においても極めて重要な発見の一つにBABIPという指標の発見があります。なぜBABIPの発見がセイバーメトリクス史上でも極めて重要なのかというと、それは野球にも無視しがたく「運」の要素が介在していることを統計的に明らかにしたからなのです。
このBABIPの発見こそボラス・マクラッケンというアマチュアの統計オタクがもたらしたものであり(後にこの統計オタク・ボラス・マクラッケンはボストンレッドソックスの専属アナリストになり、過小評価されていた岡島や上原獲得にも何らかの影響を与えていた可能性が極めて高い)、このBABIPから発生し、運不運に左右されない真の投手力についてトム・タンゴという人物が提唱したのがFIPという指標であり、今でも重用されています。
このトム・タンゴが2018年頃に発表したもう一つのセイバーメトリクス論文が今回のnoteのキーです。
2018年当時というものはフライボール革命旋風が吹き荒れた翌年ということであり、フライボールが脚光を浴びていたのですが、その時流に逆らかのようにトム・タンゴは打者の攻撃力と<フライボール率>には強い相関関係はないという研究を発表していたわけです。かなり専門性が高くてたぶん当時ほとんどの人は知らなかった情報だと思います。
フライボールがもてはやされていた時、フライボール率はそこまで重要じゃないとトム・タンゴはいう。
では何が重要なのか?
更に続けてトム・タンゴは実は打者の攻撃力と強い相関関係にあるものは、<打球速度>であると結論するレポートを出していたわけです。2018年年初めのことです。
大谷の打球速度は当時からチームで1位という結果が出ていたことをたまたまNHKアナウンサーがポロっと話したのを偶然耳にした私は、つまり大谷はメジャーの投手に慣れていないから今はゴロアウトばかりだが、逆に言えば100打席200打席と経験を積み、アジャストし、打球角度さえ上がりさえすれば、大谷は十分に通用する攻撃力を持つという予測がセイバーメトリクスの論文を根拠にして可能であったわけです。
数字を眺めるにしても、打率125に目がいった大多数の者は大谷にMLB失格の烙印を押し、打球の質にフォーカスした者は大谷は十分に通用すると判断した。同じ対象の大谷を見ても、どこにフォーカスするかで出てくる結論も変わる。
枝葉末節という言葉があるように、何が本当の幹に相当するのかフォーカースする目の働きこそがMリーグの解説力にも大きく関わってきます。
結局Mリーグの解説でも、その解説者の目がどこへフォーカスされているのかは話を通して如実に明らかにされるわけですが、石橋さんの解説を聞いていて、最も大事な場面へ目がきっちりフォーカスされているかどうかと問われたら、余りに見逃しが多すぎる。
例えば松ヶ瀬の解説を聞いているとやはり大事な部分へピントが合っている気がしなくもない。
ピントが大事なものへフォーカスされていないからこそ、石橋解説の見逃しは繰り返されるのではないのだろうか。ずっと石橋さんの解説を聞いていても、そのピンボケぶりのアベレージは一定しているはずです。
つまりこれは実際に石橋選手として対局をしていても、試合において最も重要なところへピントが合っていないことが多々あることを示唆しているわけです。石橋さんの弱さのベースにあるのは不運というよりも、フォーカスする目の働きにあるのではないか。
こうした目の働きのアベレージに改善が見られない限り、石橋は選手として輝きを取り戻すこともなく、コメ欄にもあるように「勝った石橋を見たことない」と回想されることになるのではないか。RTDからMリーグ、最強戦、BEAST Japanextのオーディションに至るまで、基本我々は負け続けてきた石橋選手を見続けてきたわけです。
今この局面で最も大事なことは何かに目が自動的にフォーカスされるセンス、これはひょっとしたら生まれ持ったセンスなのかもしれない。
果たして石橋選手の復活はあるのだろうか。
