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【別冊】「YBA展と『センチメンタル・バリュー』」(現代美術とポップカルチャーの歩き方)

 こちらの【別冊】「YBA展と『センチメンタル・バリュー』」(80分)では、新国立美術館で開催中の『YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート』の感想と、最近観た『センチメンタル・ジャーニー』(いまんところ今年ベスト!)の感想を順に語り合っています。今回の結論としては、とにかく2026年3⽉29⽇(あと10日ぐらいしかない!)までに東京オペラシティで開催中のアルフレド・ジャーの個展「あなたと私、そして世界のすべての⼈たち」に行ってね!ダミアン・ハースト観たきゃ韓国行ってね!です。

アルフレド・ジャー《明日は明日の陽が昇る》(2025)
アルフレド・ジャー《ヒロシマ・ヒロシマ》(2023)

YBA展にいった理由はもちろん齋藤飛鳥さんが音声ガイドをしているからです。YBA展はテート美術館のキュレーションが効いており、フランシス・ベーコン→ダミアン・ハーストから、更にYBAの周縁も含めた美術史への接続と、そのアーカイブを目指したものに見えました。

ダミアン・ハースト《後天的な回避不能》(1991)越しの、フランシス・ベーコン《1944年のトリプティック(三幅対)の第2ヴァージョン》(1988)

今現在盛んに議論が交わされている移民や差別、フェミニズムの問題に対するポップカルチャー、ハイカルチャー混ぜこぜでの、最初のムーブメントとしてのヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)たちの闘いの記憶が展示されていました。こちらの音声内では、

・YBA展は真っ白な箱のアートギャラリーにフランシス・ベーコンとダミアン・ハーストだけが説明もなくドン!と置いてあるだけの方が強度はあったなと思う。それとは別に、まだ存命のアーティストも多く、自分たちにも馴染みのある90年代を起点に、それぞれの実存、それぞれのダンス(フランシス・ベーコンの3枚の絵画はこの展示が”ダンス”で統一されていることを真っ先に示している)を浴びることが出来るので、行って損は無い。

氾濫するコインランドリー表象にだって、その起源があるということ。スティーヴン・ビビン《コインランドリー=ロコモーション(スーツ姿で歩く)》(1977)

・『センチメンタル・バリュー』は映画館を後にするとき、とっさにカネコアヤノ「家族について」を聴いた、そんな映画。石原慎太郎と石原四兄弟や、落合信彦と落合陽一、偉大な父と、血は抗えず世に身を晒す自分、トラウマとシスターフッド。ケアについて、淡いの、その更に淡いの話を、創作を通じて分かり合えてしまう父娘で行っていた。映画なんて、エル・ファニングと海辺でのピクニックのシーン、携帯なんて、仕事なんて放りだしていつでも自由になれる!と叫びワイン瓶を片手に風が靡く。あのシーンだけで充分。

地下鉄の路線図を模した星座の題名がついた作品や、全く違うジャンル同士が線で結びつきまくっている作品など、コンテンツ過剰接続じゃんこれ!!!なものもあったのでマストチェック。

サイモン・パターソン《おおぐま座》(1992)、駅名の代わりにマルクスやスピノザなど人物名が書かれている
ジェレミー・デラー《世界の歴史》(1997〜2004)、アシッドハウスとブラスバンドを過剰接続

哲学は現代美術に先立ち、現代美術はポップカルチャーに先立ち、概念を供給している。ポップカルチャーを追う人間がどこまでを守備範囲とするかは、その人の気力次第!そして、今回見た作品群がどのように歴史の荒波を乗り越えていく、或いは淘汰されていくのか、そんなことばかりが気になるから、私はこーへは他の人よりも更に無批判に『センチメンタル・バリュー』が強く響いたのでしょう。

それでは、ぜひお聴きください。

【別冊】「YBA展と『センチメンタル・バリュー』」

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