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雑記:マンガワンの「コンプライアンス基準同意」に作家は警戒すべきである



 本件については、「詳細が分からない」という留保を前提にして頂きたい。ただ、上記を一読した印象としては「やはり、こうなってしまったか……」「しかし、止められそうもない」という感覚を覚えている。

 問題はこの部分だ。

今後、
(作家側の犯罪歴などについて個人情報であるため取得はできないまでも)出版社側のコンプライアンス基準に同意してもらう、等の形をもって起用判断をする、というお話です。

 これが実際にどのように運用されるのか分からないが、私はどうしても最悪の想定をしてしまう。

 まず大前提として、出版社にとって、われわれ作家は出入り業者に過ぎない。吹けば飛ぶような軽い存在である。先生、先生と呼ばれていても、それは会社にとって利益を生み出す部分があるからで、利益よりも損失が大きくなれば企業体として当然損切りする。われわれは簡単に損切りされる。たとえ、現場の担当クラスが作家に同情的であっても彼には何もできない。組織の論理が優先されるからだ。

 それを前提として、この「コンプライアンス基準に同意」の意味合いについて考えて頂きたい。ただでさえ出版社側には「作家を切れる」権力勾配があるのに、これによりさらに「切りやすくなる」状況が生まれかねないのだ。

 果たしてこの「コンプライアンス基準」とはどの程度のものなのか? 過去に犯罪歴があったら出版契約は結べなくなるのか? その犯罪歴の軽重は? 起訴猶予は? 不起訴処分は? 書類送検は? 過去の発言や行動さえも参照されるのだろうか? 

 仮に「差別的言動などがないこと」などへの同意を取る場合は、おそらく、それらが確認できた際には、出版社側に極めて有利な形での契約破棄などが盛り込まれるであろう。

 例えば、契約後、作家が社会問題に対して物議のあるコメントを行ったとする。それに対して(いつも軽率な振る舞いで魔女狩りに勤しむ)ネットの皆さんが過剰反応して「悪人」認定を行った場合、会社側はそれを「リスク」とみなして、コンプライアンス違反として契約解除、損切りをする可能性がある。これは作家が「悪」だからではない。経営上の「リスク」だからだ。

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