ゾンビが弱すぎるゾンビ映画(レビュー『ゾンビ』)
オススメ度:★★★★★
全米各地で死体がよみがえり、ゾンビとなって人間を次々と襲う。フィラデルフィアのTV局で働く女性フランと恋人スティーヴンは、スティーヴンの友人であるSWAT隊員ロジャーとその同僚ピーターを連れ、ヘリで郊外へ脱出。生きている人間がいない巨大なショッピングモールを見つけた一行はそこに降り、店内にいたゾンビを一掃すると建物を完全封鎖し、モールの各店舗にある豊かな物資で満たされた生活を送るようになるが……。
というわけで、ゾンビ映画のド王道『ゾンビ』である。
先週のホラー感想のラストで、ついうっかりオタクが早口でまくしたてるアレをやってしまったが、まあ、それは作品のうんちくとかに関する話であって……。内容自体に関する感想となると、あんまり書くことがないというか、もう書き尽くしたというか。というのは、記憶にある限りでも、私は過去に2~3回くらい本作のレビューを書いたと思うのだ……。
流石に、もはや新しく捻り出す視点などもあまりなくて、以前より私の著述活動を見て頂いている方からは、「かがみのやろう、また同じ話してる!」と思われそうなのだが、そこはどうかご容赦頂きたい。
さて、本作の特徴を言うと、これはズバリ、
ゾンビの圧倒的な弱さである。
とにかく弱い。メチャクチャ弱い。普通の人間の方が遥かに強い。ごく一般的な人間の戦闘力を100だとしたら、ゾンビは20くらいしかない。ロメロゾンビの最大の特徴は、このゾンビの弱さにある。
一対一なら素手でもまず負けることはない。ちょっとした武器でもあれば完封可能。多数に囲まれても逃げるだけなら概ねなんとかなる。実際、作中でも「無限湧き」を解決した後は、ショッピングセンター内のゾンビをノーダメージで完封している。というか、その戦闘描写すら全カットされている。
お分かり頂けるだろうか?
モンスターパニック映画のモンスター多数と戦うシーンが、「描く価値なし!」として全カットされ、「全部倒しました!」という事後報告だけで済まされるのだ。
これがロメロゾンビである。この圧倒的なゾンビの弱さこそが、本作の最大の特徴であり、他のゾンビ映画と一線を画する独特の味わいを生み出している。
しかし、皆さんはこう思うだろう。
「いや、待ってくれ。でも、モンスターがそんなに弱かったらホラーとして成り立たないのでは? 何の脅威にもならないのでは?」
ここから先は
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
