北野のちいさな占いサロンを開いてもうすぐ1年➖2章
この約一年を振り返って、最近ふと思うことがあります。
私はこの小さなサロンで、
たくさんの人たちの人生の一部に、ほんの数十分だけれど、関わってきたんだな、と。
他のタロットリーダーが、どんな気持ちでカードを読むのかは分かりません。
でも私は、お客様が椅子に座り、ゆっくりと話し始めるその言葉に耳を傾けます。
そして、できるだけ先入観を持たずにカードをシャッフルします。
「この人はきっとこうだろう」
そんなふうに決めつけたくない。
目の前に座っている人が、それまでどんな人生を歩いてきたのか。
何に傷つき、何を諦め、それでも何を願っているのか。
ほんの20分や30分で、その人の人生すべてを知ることなんてできません。
それでも、その時間だけは、その人の心の中にあるものを一緒に見つめたい。
そんな気持ちでカードを開いてきました。
長崎から、神戸で働く息子さんたちに会いに来られたお母様お二人。
わざわざ広島から、何度も通ってくださっている女性。
何度も何度も迷いながら、最後には関西での生活を過去にして、故郷の熊本へ帰ることを決めた女性。
彼女は今でも、オンラインでリーディングを受けてくれています。
まだ若いのに、自分の意思をしっかり持って会社を経営している女性。
毎月、欠かさずリーディングを受けに来てくださる方。
修学旅行の途中、ふらっとドアを開けて入ってきてくれた女子高校生たち。
あの時は本当に賑やかで、笑い声の絶えない、とても楽しいリーディングでした。
大阪から通って来てくれている可愛い女の子。
鳥取出身の可愛い女性。
こうして書いているだけでも、一人、また一人と顔が浮かびます。
みんな、それぞれの人生を生きている。
そしてみんな、何かしらの「答え」を探して、この小さなサロンのドアを開けてくれるのだと思います。
恋愛だったり。
仕事だったり。
家族だったり。
これからの人生だったり。
「私はこのままでいいんでしょうか」
そんな言葉にならない問いを抱えて来られる方もいます。
もちろん私は、その人の人生の答えを持っているわけではありません。
タロットだって、人生を決めるものではないと私は思っています。
ただ、迷って動けなくなった時。
自分の気持ちが分からなくなった時。
少しだけ立ち止まって、自分の心を見つめるための灯りにはなれるのかもしれない。
私は、そんなふうに思っています。
そして不思議なことに。
お客様が笑顔になって、
「ありがとうございました」
そう言ってドアを開けて帰っていかれるたびに、癒されているのは私の方なのです。
このサロンを開いて、本当に良かった。
心からそう思います。
この「瞬間」は、私にとって何にも代えられないものです。
『北野のちいさな占いマルシェ』の鑑定料金は、20分3,000円。
延長は10分ごとに1,500円です。
比較的若いお客様が多いサロンですが、時折、人生経験を重ねたミドル世代のお客様も来店されます。
そういう時、相談内容がとても深いことがあります。
長い人生の中で積み重なってきた家族のこと。
夫婦のこと。
仕事のこと。
子どものこと。
そして、これから残された自分の人生をどう生きるのか。
そんなお話を聞いていると、サロンの空気が変わることがあります。
どの言葉も聞き逃してはいけないような緊張感。
カードを一枚開くことさえ、軽く扱ってはいけないような気持ちになることがあります。
一方で、これは「仕事」でもあります。
サロンを続けていくためには、当然ながら経営も考えなくてはいけません。
天然石のブレスレットを作って販売したり、西洋占星術の個人鑑定を始めたり。


そして一周年を記念して、新しく「リトリートの旅」も企画しました。
このリトリートは、もともと私自身が神社巡りが大好きだったことから始まりました。
「せっかくなら、みんなで一緒に神社を巡れたら楽しいだろうな」
本当に、そんな単純な気持ちでした。
神社を巡り、日常から少し離れ、自然の中で深呼吸する。
少しだけ立ち止まって、自分自身を見つめ直す。
そんな時間があれば、心も身体も少し軽くなるのではないか。
そう思って企画しました。
正直に言います。
ほとんど儲けはありません(笑)
経営者としては、
「それでいいの?」
と言われそうです。
はい。
私もそう思います(笑)
ところが、この企画は思いがけず、すぐに定員に達しました。
「一緒に行きたい」
そう言ってくださる方がいたことが、何より嬉しかった。
そして現在は、次の「出雲大社への旅」を企画しています。
そんなことを考えていると、つくづく思うのです。
『北野のちいさな占いマルシェ』は、お金儲けが下手なのかもしれない。
いや、
「かもしれない」ではないですね(笑)
たぶん、下手です。
もっと売上を考えなければいけない。
もっと集客を考えなければいけない。
数字を見て、利益を考えて、経営者としてもっとシビアにならなければいけない。
現実はそんなに甘くありません。
それなのに。
なぜか私は、焦っていない。
これが自分でも不思議なのです。
こんな馬鹿正直なこと、普通はお店のブログには書かないのかもしれません。
「順調です」
「たくさんのお客様に愛されています」
「これからもますます成長していきます」
そんなふうに書いた方が、お店のブログとしては正解なのかもしれない。
でも、一周年を迎えようとしている今だからこそ、格好をつけずに書いておきたいと思いました。
私は経営者として、まだまだです。
もっと、もっと。
経営というものに真剣に向き合わなくてはいけない。
はい。
そう思います。
だけど、この一年。
たくさんの人が、この小さなサロンのドアを開けてくれました。
そしてほんの数十分だけ、私はその人の人生の隣に座らせてもらいました。
悩んでいた顔が少し緩んだ瞬間。
涙を拭いて笑ってくれた瞬間。
「来て良かった」
そう言ってくれた瞬間。
その一つひとつは、売上表の数字には残りません。
でも私の中には、ちゃんと残っています。
だから私はきっと、焦っていないのかもしれません。
お金はもちろん大切です。
お店を続けていくためには、なくてはならないものです。
だからこれからは、ちゃんと経営とも向き合っていきます。
でも、数字ばかりを追いかけて、
私がこの場所を作った理由だけは、
忘れたくない。
誰かが答えを探して、北野の坂道を歩いてくる。
そして、小さなサロンのドアを開ける。
「こんにちは」
そこから始まる、ほんの数十分の物語。
もしかしたら私がこの一年で積み重ねてきたものは、
占った「人数」ではなく、
こうした小さな物語なのかもしれません。
2026年9月。
『北野のちいさな占いマルシェ』は、一周年を迎えます。
まだ一年。
やっと一年。
これからこの小さな場所で、あと何人の人生と出会うのでしょう。
それを思うと、
私はやっぱり、このサロンを開いて良かったと思うのです。

お盆講座を先月開きました。
思いの外、たくさんの人が集まってくれて賑やかにとても楽しくセミナーを開けました。
もともと、色んなことを発信していこうと思って開いたサロンです。
これからも日常で「ささいな❓」を解決出来るようなセミナーも開いていこうと思います。
第3章へ続く
