【書評】 世界一やさしい「ブレない自信」のつくり方 うまくいかない自分を変える方程式
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~不安だらけの自分でも、今日から変われる。「自己肯定感」×「自己効力感」×「自己有用感」×「フィジカル」で人生を切り拓く方程式~
【目次】
1.はじめに――「ブレない自信」とは何か
2.本ブログ記事の要約
3.本書の解説
3-1.「自信」を4つの要素に分解するという発想
3-2.自己肯定感を高める第一歩は「アウトプットから始める」こと
3-3.インプット過多という“淀んだ池”の正体
3-4.「書く」というアウトプットがもたらす心の変化
3-5.完璧主義という見えない檻
3-6.完璧主義を手放すための7つの手段
3-7.「完璧主義」から「完了主義」へ――大見出しパート
3-8.著者・佐藤政樹氏のバックグラウンドから見える説得力
3-9.なぜ今、この本が必要とされているのか
【本ブログ記事の要約】

・『世界一やさしい「ブレない自信」のつくり方』は、漠然とした“自信”を「自己肯定感」「自己効力感」「自己有用感」「フィジカルコンディション」という4つの要素に分解して解説する一冊です。
・自己肯定感を高める第一歩は、インプットではなく「アウトプットから始める」と決めることにあります。
・悩みを頭の中だけで抱え込むのではなく、「書いてみる」「声に出してみる」「誰かに話してみる」ことが、心と頭のなかに“よい循環”を生み出します。
・自己嫌悪や行動停止の背景には、多くの場合「完璧主義」という見えない檻が存在しています。
・完璧主義を手放すためには、「気づく」「口癖を変える」「妄想を言葉で断ち切る」「実力をつける」「むくむく大きくなると知る」「完了主義になる」「理想像を考える」という7つの手段が有効です。
・“ブレない自信”は性格やセンス、環境に関係なく、誰でも自分自身の手で育てていくことができます。
自信という言葉ほど、多くの人にとって身近でありながら、実体をつかみにくいものはないかもしれません。
「自信を持って」と言われても、その自信をどうやって手に入れればいいのか、具体的な道筋を教えてくれる人はそう多くはありません。
『世界一やさしい「ブレない自信」のつくり方 うまくいかない自分を変える方程式』(佐藤政樹 著、日本実業出版社)は、この漠然とした“自信”という感覚を、極めて明快な形に分解して見せてくれる一冊です。
著者がたどり着いた答えは、シンプルでありながら奥深いものでした。
自信とは、単一の感情や才能ではなく、「自己肯定感」×「自己効力感」×「自己有用感」×「フィジカルコンディション」という4つの要素の掛け算によって成り立っているというのです。
この考え方が優れているのは、自信という抽象的な概念を、日々の生活の中で具体的に育てられる“スキル”として捉え直している点にあります。
自己肯定感とは、どんな状況においても自分の存在をプラスに捉えられる能力のことです。
自己効力感とは、どんな人生の局面においても「自分なら望む結果を出せる」と信じられる能力を指します。
自己有用感とは、「ありのままの自分の存在が人や社会の役に立っている」と実感できる感覚のことです。
そしてフィジカルコンディションとは、年齢を重ねても身体感覚を良好に維持することを意味しています。
これら4つは、それぞれが独立して存在するのではなく、掛け算のように互いに影響し合いながら、私たちの内側に“しなやかでブレない軸”を築いていくのだと著者は説きます。
今回は、本書のCHAPTER 2「ブレない自信を得るために『自己肯定感』を高める」の中から、特に実践的で読者の心に響くであろう2つのポイント――「アウトプットから始める」ことと「完璧主義を手放す」ことについて、じっくりと掘り下げていきたいと思います。
まず注目したいのが、「アウトプットから始める」という考え方です。
多くの人は、自己肯定感を高めたいと思ったとき、まず本を読んだり、セミナーに参加したり、誰かの話を聞いたりと、インプットから始めようとします。
しかし著者は、そこにこそ落とし穴があると指摘しています。
自己肯定感を高められない多くの人は、インプットばかりでアウトプットが足りず、思考や感情が、まるで流れの止まった淀んだ池のようになっているというのです。
考えてみれば、これは非常に納得のいく比喩です。
池に水が流れ込むだけで、外へと流れ出ていく先がなければ、水はやがて濁り、淀んでいきます。
私たちの心も同じで、外からの情報や刺激(インプット)ばかりを受け取り続け、それを外に出す(アウトプットする)機会がなければ、思考や感情は次第に重たく、澱んだものになっていってしまうのです。
逆に、アウトプットを意識するようになると、入ってくる情報の“質”そのものが変わってくると著者は言います。
外に出すことを前提にすると、私たちは無意識のうちに「これは自分にとって役立つ情報だろうか」「これは誰かに話したくなるような気づきだろうか」という視点で、日々の出来事を観察するようになります。
その結果、清らかな水が池に流れ込むように、思考も感情も澄んでいく、というわけです。
この“流れ”を自分の中に作り出すこと自体が、自己肯定感を育てるための最初の一歩になるというのが、著者の主張の核心部分です。
では、具体的にどのようなアウトプットが有効なのでしょうか。
本書では、ただ悶々と一人で悩み続けるのではなく、「書いてみる」「声に出してみる」「誰かに話してみる」という3つの方法が紹介されています。
中でも著者が特に勧めているのが、以下の2つのテーマをもとに「書いてみる」という方法です。
一つ目は、「外の世界を観察し、自分の心を豊かにするもの」を書き出すこと。
二つ目は、「日常の中で、自分が受け取ったこと」を書き出すことです。
このとき大切なのは、質よりも量を意識することだと著者は強調しています。
うまく書こうとしたり、立派な文章にしようとしたりする必要はまったくありません。
大切なのは、「心と頭のなかによい循環をつくる」という目的を忘れずに、とにかく手を動かして書き続けることなのです。
そして、書き出したものを後から眺めてみると、私たちは思いのほか多くのことに気づかされます。
自分では気づかないうちに、日々の暮らしの中でさまざまな“豊かなこと”を受け取っていたのだという事実を、あらためて実感できるのです。
これは、自己肯定感を高めるうえで非常に重要な体験だと言えるでしょう。
なぜなら、自己肯定感が低い状態にある人ほど、自分が受け取っているもの、自分の中にすでにあるものに目を向けることが難しくなっているからです。
書くという行為を通じて、自分の内側に眠っていた気づきや感謝の種を掘り起こしていく――このシンプルな習慣こそが、著者の言う“よい循環”の入り口なのです。
続いて、本書の中でもう一つ大きなテーマとなっているのが、「完璧主義を手放す」という視点です。
「できなかった部分ばかりに目がいき、自己嫌悪に陥ってしまう」
「小さなミスが怖くて、行動が止まってしまう」
こうした状態は、すべて“完璧主義”がもたらす典型的なサインであると著者は指摘します。
完璧主義の人は、無意識のうちに「〇〇でなければならない」という“あるべき理想像”を自分の中に作り上げています。
そして、その理想像と現実の自分とのギャップを、まるで減点方式で採点するかのように見てしまうのです。
100点満点の状態から、できなかったこと、足りなかったことを一つひとつ差し引いていく――このような自己採点のクセがある限り、どれだけ努力を重ねても、自己肯定感が満たされることはありません。
だからこそ著者は、完璧主義を手放すことの重要性を説いているのですが、その手段として具体的に7つのステップを紹介しています。
ここからは、その7つのステップを一つずつ丁寧に見ていきたいと思います。
一つ目は「気づく」ことです。
いきなり自分を根本から変えようとするのではなく、「自分にも完璧主義的な部分があるかもしれない」と、まずは静かに気づくことからスタートするべきだと著者は述べています。
自分を変えようとする前に、まず自分を知ること。
この順番を間違えないことが、変化への第一歩になるのです。
二つ目は「口癖を変える」ことです。
「まだまだです」「全然ダメです」といった口癖は、実は“あるべき理想像”を基準にして、自分自身を減点しているサインだと著者は指摘しています。
これからは、誰かからプラスの言葉をもらったときに、「いえいえ、そんなことないです」と否定するのではなく、「ありがとうございます」と、素直に受け取る口癖に変えてみることが大切だといいます。
三つ目は「妄想を言葉で断ち切る」ことです。
完璧主義の人は、小さな失敗をまるで雪だるまのように大きく膨らませて考えてしまいがちです。
しかし重要なのは、不安を感じたときに「まあいいか」「まだ起きていない」と実際に声に出して、頭の中で膨らんでいく妄想を言葉によって断ち切ることなのです。
四つ目は「実力をつける」ことです。
実力が足りないうちは、その不安から完璧主義に陥りやすいものですが、実力がつき、結果が出るようになってくると、自分の基準では70点から80点程度の出来であっても、相手は十分に満足してくれるようになっていくと著者は述べています。
五つ目は「むくむく大きくなると知る」ことです。
完璧主義というものは、放っておくと知らぬ間にどんどん育っていくものであり、そうした状態の中では、無意識のうちに自分だけでなく、周囲の人にも完璧主義を押しつけてしまいがちになります。
だからこそ、誰かにイラッとした瞬間があったときは、「自分は今、相手に完璧主義を押しつけていないだろうか」と、自分自身に問い直してみることが大切なのです。
六つ目は「完了主義になる」ことです。
完璧を目指すのではなく、完了を目指す――つまり、「次に進める」ということを大切にする姿勢へと切り替えていくのです。
七つ目は「『こうであれば楽しい』という理想像を考える」ことです。
「できない自分を責めるための理想」ではなく、「なりたい自分に近づいていくための理想」を持つこと。
これこそが、完璧主義を手放しながら、同時に自己肯定感を育てていくための、大きなポイントになると著者は結んでいます。
ここで、本書のメッセージを象徴する言葉を、あえて大きな見出しとして掲げてみたいと思います。
【完璧主義ではなく、完了主義で生きる。】
この一文には、著者が長年の経験を通じてたどり着いた哲学が凝縮されているように感じられます。
完璧を求めれば求めるほど、私たちは行動する前から自分に高いハードルを課してしまい、結果として一歩を踏み出すこと自体が怖くなっていきます。
一方で、「完了」を目指す姿勢は、たとえ70点の出来であっても、まずは形にして前に進むことを許してくれます。
そしてこの積み重ねこそが、実は最も自己肯定感を安定させる方法なのだということを、本書は教えてくれるのです。
以上7つのステップは、決して一度にすべてを実践する必要はありません。
少しずつ、できるところから取り入れていくだけでも、自己肯定感は着実に育っていき、メンタル面にも良い影響が現れてくると著者は述べています。
ここで、著者・佐藤政樹氏の経歴にも触れておきたいと思います。
著者は、就職活動に全滅し、会社ではお荷物扱いされる赤字社員として戦力外通告を受けるという、まさに「生きている価値がない」と思うほどのどん底状態を経験しています。
しかしその後、劇団四季で主役を務め、飛び込み営業でトップの成績を収め、そして日本でもトップクラスの人気を誇る研修講師にまでなったという、劇的な転身を遂げています。
このプロフィールを知ると、本書に書かれている「アウトプットから始める」「完璧主義を手放す」といった方法論が、単なる机上の理論ではなく、著者自身が実際にどん底から這い上がる過程で編み出し、実践してきたリアルな知恵であることが伝わってきます。
だからこそ、本書の言葉には説得力と温かさが同居しているのだと感じます。
なぜ今、この本が必要とされているのでしょうか。
現代は、SNSを通じて他人の成功や充実した姿が絶えず目に入ってくる時代です。
そうした環境の中で、知らず知らずのうちに他人と自分を比較し、「自分には何もない」「自分はまだまだだ」と、自己肯定感を削られてしまっている人は少なくありません。
また、仕事や人間関係においても、「完璧にこなさなければ」というプレッシャーは、年齢や立場を重ねるごとに増していく傾向があります。
そんな時代だからこそ、自信というものを、性格やセンス、あるいは環境のせいにするのではなく、「誰でも」「自分自身の手で」育てていけるスキルとして捉え直す本書の視点は、多くの人にとって大きな救いになるはずです。
自己肯定感、自己効力感、自己有用感、フィジカルコンディションという4つの要素を、日々の小さな実践の積み重ねによって高めていくこと。
それこそが、環境や才能に左右されない“ブレない自信”を、自分自身の内側に築いていくための、最も確実な道なのだと本書は教えてくれています。
本書を特におススメしたい人
一人目は、「まわりの評価が気になって、なかなか一歩を踏み出せない」と感じている人です。
他人の目や評価を過度に気にしてしまい、行動する前から不安に押しつぶされそうになっている方にとって、本書の「アウトプットから始める」という考え方や、「完璧主義を手放す」ための7つのステップは、具体的で実践しやすい処方箋となるはずです。
二人目は、「過去の失敗が忘れられず、なかなか立ち直れない」と感じている人です。
一度の失敗を必要以上に大きく捉えてしまい、そこから抜け出せずにいる方にとって、「妄想を言葉で断ち切る」「完了主義になる」といった本書の教えは、心を軽くするきっかけになるでしょう。
三人目は、これから30代、40代というキャリアの転換期を迎えるビジネスパーソンの方です。
仕事の実力や成果と同時に、内面的な自信の土台を築いていきたいと考えている方にとって、自己肯定感・自己効力感・自己有用感・フィジカルコンディションという4つの視点から自分を見つめ直せる本書は、これからの人生設計における良き道しるべとなってくれるはずです。
本書とあわせて読みたいおススメの書籍
一冊目は、中島輝 著『オトナ女子のための自己肯定感LESSON帖』です。
自己肯定感の第一人者として知られる著者が、毎日少しずつページをめくるだけで自己肯定感が育っていくよう設計したレッスン形式の一冊で、ジタバタしない、イライラしない、クヨクヨしない生き方のヒントを、日々の習慣として無理なく取り入れたい方におすすめです。
二冊目は、榎本博明 著『自己肯定感は高くないとダメなのか』です。
「自己肯定感は高ければ高いほど良い」という世の中の風潮に一石を投じ、葛藤しながら生きていく中で少しずつ育っていくものこそが本当の自己肯定感であるという視点を、心理学的な知見をもとに丁寧に解き明かしており、自己肯定感というテーマをより深く、多角的に捉え直したい方に最適です。
三冊目は、山根洋士 著『「自己肯定感低めの人」のための本』です。
「〜すべき」という思い込みによって自分自身を縛りつけてしまう“メンタルノイズ”という概念に着目し、それに気づくことで、ありのままの自分を受け入れる“自己納得感”へとつなげていく実践的な内容となっており、完璧主義的な思考のクセに心当たりのある方に、本書とあわせてぜひ手に取っていただきたい一冊です。
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