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1人暮らしの罪悪感

今、20代後半にして、私の人生で一番大きい出来事が起ころうとしている。
これまで、何年も…かれこれ5、6年くらいはずーっとしたいしたいと思いながら、なかなか実現に至らなかったこと。


……一人暮らしである。


ずっとしたかった一人暮らし


なんだか小学校の卒業式で一人ずつ大声で叫ぶ思い出のメッセージ(?)みたいな言い回しになったが、

ずっとしたかったのである。一人暮らしを。

昔から、家族とは仲が良いほうだった。
母とも、いわゆる友達親子のような関係性で、一緒に出掛けたり、日々の愚痴を言い合ったりして仲が良かった。

と思っていた。いや、実際あの頃は仲が良かったのだと思う。


でも、それは対等に仲が良いというよりは、

私が母の気持ちに寄り添って、母の感情のお世話をしているような、
一方で、母は私に対して献身的に身の回りのお世話をしているような、

ちょっと共依存っぽい関係性だった。


その関係性に疑問を感じ始めたのは大学生の頃。

当時の私の中には、
父や父方親族に対する嫌悪感や、
世の中に対する不信感があった。

一時期、母と離れて、父方親族の家に居候して生活している時期があり、
彼らと関わる中で、私はふと思ったのだ。


「私、この人たちのこと、そこまで嫌いじゃないかも」


私が父方親族に抱いていた嫌悪感は、
私が私の心で感じた感情ではなかった。

子どもの頃から繰り返し母に聞かされていた、
親族に対する愚痴をもとに、感じたものだった。

大学時代悶々と考え続けた結果、
1つの結論に至った。


私は、自分ではなく、母の眼を通してみた世界で生きてきたのだと。



前置きが長くなったが、

実家で暮らすときは、いつも母の感情に侵食されるような感覚があって、気が休まらないのである。

心理的な境界線が守られない環境だったのだと思う。



そんなこんなで、大学時代から数年にわたって、
両親と、特に母と距離をとりたいと思いながらやってきた。


でも、なかなか離れられなかった。


身の回りのお世話はすごく助けてもらっているし、
実際一人で暮らすよりも、家に母がいつも待ってくれている方が、
精神的にも安心かもしれないと考えていた。

実家暮らしの方が、貯金だってしやすい。

目に見えるような害があるわけでもないのに、
わざわざ家を出る必要性はあるのか?と。


それに、私が家を出てしまったら、
母は1人になってしまう。

父は単身赴任で遠方にいるので、滅多に帰ってこない。

…というか、父と母はそこまで関係良好ではない
(なんなら母の日々の愚痴は7割方父に対するものである)
ので、私が実家を出て父母だけになった場合、家の中の空気が死んでしまうんじゃないか。

などなど、

色々と理由をつけて、
一人暮らしを先延ばしにしてきた。



やっとこさ決断


そんな中、やーっと一人暮らしに踏み切る理由ができた。


こんな私にも彼氏ができたのだ。


とはいっても、
「彼氏できたから一人暮らしするね」
なんてとてもじゃないけど親に直接いえない。

それどころか、
彼氏ができたことすら親には言えていなかった。
(どこが友達親子だよ)


なんとなく、
異性とお付き合いするということは、
一人暮らしをすることに似た罪悪感を、私に感じさせた。


母と休日を過ごすよりも、彼氏を優先する。

母と暮らすよりも、一人で暮らすことを望む。


どちらにも、母を見捨てるようなニュアンスが含まれているように私には思えて、どうにも正直には伝えられなかった。


なので、毎週末彼氏とデートに出かけるようになってからも、
私は母にはごまかしながら外出することになる。

たとえば、
友達Aちゃんと○○に行ってくるね。

翌週は
友達Bちゃんと△△に行ってくるね。

※誰とどこに遊びに行くのかを母に伝えないといけない、暗黙の了解がある


数少ない友人をローテーションさせながら、遊びに行く相手が彼氏であることを隠して出かけていた。

(今思うと、正直に話してもらえない方が母からするとショックなんだろうになと思うが)


そうなると、母も段々と 怪しいな…?
と思うようになる。そりゃあそう。


「いつも誰と遊びに行ってるの!?」
「この前も帰り遅かったし。これまでそんなことなかったでしょ!?」


ちくちくと言われて、
だんまりを決め込む私。


そのタイミングで彼氏できたって言えばよかったのに、
ごまかしてしまった。

もう言えない。


それ以降、彼氏とデートの時は黙って準備をして、

誰と行くの?とか聞かれても 「うん…友達…」とごにょごにょ言って出ていくっていう、
ものすごく怪しいムーブをかますようになってしまったので、


毎回のデートが苦痛で苦痛で仕方がなくなった。

ありがたいことに彼氏自体には不満はないのだけれど、

母に出かけることを言えていないがために準備が億劫になって、
直前でデートをドタキャンしてしまったりすることも増えていった。


まずい、このままだと向こうに愛想つかされるか、

なんなら私の方から別れを切り出すことになりかねない
(母に正直に言うよりも、母に伝えている内容と整合性がとれるように事実の方を調整する方がラクと思っていた)


などと思い悩み、


さらには何の罪もない彼氏に迷惑をかけている自分の身勝手さ、

私が正直に言わないから疑っているだけなのに、(私の脳内で)悪者にされている母  に対する罪悪感

ていうか
そもそも正直に言えないような関係性しか築いてこれなかった私や母が悪くね?と人生を呪う気持ち


などなど、色々ごちゃまぜの気持ちがわいてきて、
結局、彼氏との記念日デートを直前にドタキャン。


なんかもうすべてが嫌になって、
自分のことは嫌だし、この環境も嫌だし、

むしゃくしゃして薬を大量に飲んだ。


過量服薬なんてこれまでしたことはなかったのだけれど。


いうてそこまでの量を飲んだわけではなかったので、
ちょっとふらふらして、気分が悪くなったくらいで、

むしろ体調不良だからデートいけない正当な理由できたわラッキー

なんて考えながら一日眠りこけた。
(今振り返ると思考がぶっとんでいて怖い)



さすがに、ここまで自己破壊的な考えや行動が出てくるのはやばいし、

ここまでの状態になったのははじめてだったので、


さすがにそろそろ…ね?

と思って一人暮らし計画を進めるに至った。



その後、無事 不動産屋さんに行き、物件を契約し、

今は入居日を待つのみの状態。


自由だ!


と全細胞が騒いでいるのだが、

一方で過去イチくらいの罪悪感が襲ってきていて、

ものすごくメンタルの調子が悪い。



母子密着で共依存だったところを ぶったぎろうとしているのだから、

まあそりゃあ痛みは伴うんだろうけどさ。


世の中のみなさんが軽々と実家から自立しているのが不思議に思えるくらい、


私にとっては最難関イベントなのだ。


さて、どうやって乗り切ろうか…。



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