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「詩」英雄の詩

緑がこだまする。
木々の端々にちらりと見える木霊。
彼らは私を深い森へと誘う。

森の中。
私の心は至福で満ちる。
閑静で心静まる居場所は心地が良い。

なれど道は獣道。
道中あらゆる亡骸が視界に映る。
そのうえ黄泉の黒羽は執拗に哭く。
その声はここに来る者全てを震え上がらせている。。。

「命は儚く契りがない。。。」

木々は優しく木漏れ日を愛で。
肌を透き通るような温度は絶品の一言。
風は優しく心を撫で。
植物の香りはふとした記憶を呼び起こす。

英雄はこの地にて眠る。
決して死者の眠りを妨げることなかれ。
有終の美を着飾る偉大な傑作。
彼らは伝説となりて。
詩と共にこの地にて埋葬されたし。

通りの石碑に記されし詩。
それはこの地に残された礼儀と節度である。

武勲重ねし偉大なる豪傑。
彼らの偉大さを指し示すは詩。
英雄は詩と共に我ら後世へと語り継がれる。

決して踏み込むことなかれ。
英雄の眠りは深く神聖。
決して貶すことなかれ。
英雄の詩はこの地に深く根付いている。
決して諭されることなかれ。
英雄の詩は時代と共に廃れゆく。

英雄の詩。
それは必ずしも正しいわけではない。
それは「時代の産物」

私達が生きている時代に、相応しくないものも多く存在している。しかし普遍的な英雄の詩は、私達が生きるこの時代においても大きな影響を及ぼす。

「まるで神や仏の智慧の言葉のように。。」

神秘の森に響く一輪の鈴の音。
その音は木霊達を喜ばせる。
神聖を着飾る安らぎの声。
木霊達の大合唱は森の声そのもの。
大地を震わす至福の甘露。
蜜を嗜み大地は踊る。

「想像を越える神聖に我が身は打ち震える」

全てが想像を越えてゆく。
私はなんて小さいんだ。

この世界の事実は私のか細い想像を容易く打ち砕く。この身に刻まれし悠久の記憶。決して失くすことなかれと、必死に書き留めるばかり。。。

「人は死を見据えて何を語るか。。。」

老いを止めれず。病を止めれず。やがて死を迎える。私達は死と直面する時。一体何を想うのか。。。

死とは何か。。。
その答えを英雄は唄う。。。
まるで死者の都から言霊を語るように。。。

死とは儚い衣替え。
身を着替えて次なる器を着飾るのみ。
死とは四季の如く折々の身体を羽織ること。
輪廻の中で彷徨える魂よ。
次は如何なる身体を羽織ると云うのか。
汝その言葉について考えよ。

死者はこのように語らい消えてゆく。
英雄の詩は人々の導である。
ゆえに死者の言葉妨げることなかれ。

儚き世界に祝福あれ。
我ら汝らを導く者なり。
ゆえに我らが言葉に耳を傾けよ。
聴衆よ。語らいなさい。
聖なる言葉の元に。
彼ら英雄の詩の元に。
我ら汝らを見守る木霊となりて。
汝らに語らいはらう。
死を見よ。そこに次なる生が眠っている。
生を見よ。そこに前なる生が眠っている。
我ら汝らに語らいはらう。
幾時幾千の年月を越えて。
汝らに語らいはらう。。。

「儚き生に縛られることなかれ。。。」

我ら汝ら見守る木霊なり。
まこと密かに汝らを見守っている。
ゆえに木霊なれど侮ることなかれ。
我ら汝らを見守っている。
正しき生を送れるように。
木漏れ日の影に身を潜めて汝らを祝福する。
ゆえに自然に声を傾けよ。
神聖に声を傾けよ。
汝ら神の如き神声に耳を傾けよ。。。

木霊は密かにあなたを見ている。
獣の如き人ではなく。

「神聖なあなたを。。。」



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