2-1 上司と新人の「問い」の違いを理解する
🤞これだけは今日インプットしてほしいこと↓
質問しているのに、いつも曖昧な答えしか返ってこないことがあります。
それは相手が悪いのではなく、問いの形が曖昧なのかもしれません。
この記事では、
上司やAIから具体的な答えを引き出す問いの作り方を整理します。

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この連載の全体像と、読み進め方をまとめています。
🤦新卒:「営業のコツを教えてください」
🤵課長:「顧客セグメント別の受注率低下要因を分析して」
▶同じ「質問する」という行為なのに、返ってくる答えの質がまるで違う—なぜでしょうか。
先輩に「営業って、どうすればうまくいきますか?」と聞く。
返ってくるのは「まあ、数をこなすことかな」という当たり障りのない答え。
一方、隣の同期が「先月のA社の失注、先方の決裁フローのどこで止まったか分かりますか?」と聞く。
すると先輩は身を乗り出して、「あそこは部長じゃなくて経理の〇〇さんが鍵なんだよ」と、具体的な情報を教えてくれる。
違いは、聞く人の能力ではありません。「問いの構造」です。
👆️良い問い = 対象 × 状況 × 知りたいこと
対象:何について聞いているのかを、案件・顧客・数字・論点まで絞る
状況:今どうなっていて、何が起きていて、どこまで分かっているかを置く
知りたいこと:何が分かれば次に進めるのかを明確にする
「営業のコツ」——対象も状況も絞られていないから、一般論しか返ってこない。「A社の失注・決裁フロー・どこで止まったか」——3つの変数が揃っているから、具体的な情報が引き出せる。
これはAIへの質問でもまったく同じです。問いの構造が曖昧なら、AIも曖昧にしか返せません。
しかし、問いを「構造化する」だけでは、まだ足りません。
新卒と課長の差は、実はもう一つあります。
それは「問いの抽象度」です。
課長は、目の前の事実を一段上の視点から見ているから、鋭い問いが出てくる。
同じオフィスにいるのに、新入社員と課長では見えている景色がまったく違います。
ここからが本題です。
問いを構造化する具体的な方法、そして新入社員でも課長レベルの「抽象度」で考えるためのトレーニングを、ここから先でお伝えします。
①問いを因数分解する—曖昧な悩みを「使える問い」に変える
課長はなぜ鋭い問いを立てられるのか。特別な才能があるわけではありません。「問題を因数分解する習慣」があるだけです。
❌️「売上が下がった」——これは問いではありません。ただの事実です。
🟡「売上が下がった」→「どのセグメントで?」→「いつから?」→「何が変わった?」→「施策で改善できるのはどこ?」
——大きな塊を、小さな問いに分解していく。このとき初めて、「何を調べればいいか」「誰に聞けばいいか」が見えてくる。
新卒と課長の差は、経験年数ではありません。
「大きな問題を、小さな問いに分解する習慣」があるかないかです。
そして、この習慣はAIとの対話で最も速く身につきます。AIに曖昧な問いを投げれば、曖昧な答えしか返ってこない。自分の問いが「構造化されていない」ことに、嫌でも気づかされます。
次に誰かに質問するとき
——上司でもAIでも構いません——聞く前にこの3つを書き出してみてください。
①対象:何についての質問か(具体的な案件・顧客・数字)
②状況:今どうなっているか(前提条件・これまでの経緯)
③知りたいこと:何が分かれば、次に進めるか
この3つを揃えてから聞くだけで、返ってくる答えの質は劇的に変わります。
②役職差の正体—「抽象度」という概念
新入社員、主任、係長、課長、部長、取締役
——役職が上がるにつれて決裁権が広がり、経験も増える。しかし、根本的な違いは別のところにあります。
「抽象度の高さ」です。

たとえば、あなたが「売上データをエクセルに入力している」とします。
具体的に見れば、「A社の今月の売上300万円を、B列の15行目に打ち込んでいる」。
抽象的に見れば、「来期の戦略を決めるための判断材料を整備している」。
同じ作業なのに、見えているものがまるで違います。
👱新入社員は「今日のタスクリスト」を見ています——具体の世界です。
🤦主任は「今週のチームの進捗」を見ています——少し抽象度が上がります。
👰係長は「今月の目標に対して何が足りないか」を見ています。
🙆課長は「来期の戦略として、この方向で正しいか」を見ています。
🙋部長は「3年後にこの事業はどうなっているべきか」を見ています。
🤵取締役は「そもそもこの事業をやるべきか、撤退すべきか」を見ています。
同じオフィスにいるのに、見えている景色がまったく違う。これは能力の差ではありません。「どの抽象度で物事を捉えているか」の差です。
③「なぜ?」×3で抽象に上がり、「例えば?」で具体に降りる
抽象度を上げるもっともシンプルな方法は、「なぜ?」と問うことです。
「データ入力をしている」→なぜ?→「正確な記録を残すため」→なぜ?→「後で分析して改善するため」→なぜ?→「顧客満足度を上げるため」
たった3回の「なぜ?」で、目の前の「作業」が「顧客満足度の向上」という経営課題につながりました。
あなたの視点は、新入社員から課長レベルに上がっています。
ただし、抽象に上がるだけでは不十分です。
「顧客満足度を上げたい」——素晴らしい。では具体的に何をしますか? ここで「例えば?」と自分に問い返す。「解約理由の上位3つを特定し、対策を1つずつ打つ」——こうして具体に降りてくる。
仕事ができる人は、必ずこの「抽象→具体→抽象→具体」のサイクルを回しています。
大きな目標(抽象)を立て、
日々のタスク(具体)に分解し、実行しながらまた全体(抽象)を見直す。
この行き来が自在にできる人が、どの役職でも「あの人は仕事ができる」と言われる人です。
👆️今日からできること
2つの中から、一つだけ選んでください。
問いの構造を変えたいなら
→ 次に質問する前に「対象・状況・知りたいこと」を1行ずつ書き出してから聞く抽象度を上げたいなら
→ 今日やった仕事を1つ選び、「なぜ必要か?」を3回繰り返す。
3回目の答えが出たら「では明日、具体的に何をする?」で戻る

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