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#シロクマ文芸部 三月になれば

三月になったらやりたい事がある。
殆ど衝動買いのギターを始めること、
私が楽器店に入った目的は食卓テーブルにワックスを掛けて光沢を蘇らそうとギター用ワックスを求めて入店した、にもかかわらず、こともあろうに、ギターを購入してしまった。
「ウクレレ…、じゃないな、エレキギター…、ナイナイ、柄じゃない、クラシックギター、難しそう」
色々眺めていたら、店のちょとバンドやってます風の店員さんがニコニコしながら寄ってきた。
「このアコギいいでしょ、女性に人気ですよ」
私は手を横に振り
「アコギって、アコースティクギターのことですよね、Cコードとか、Gコード、Fとか、フォークソングのコード、弾きたいけどむりむり、無理ですって」
若い店員は、おどけて言った
「大丈夫ですよ、三つコード覚えて下さい、スタンバイ・ミー弾けますから」
そう言って私の前で鮮やかな手つきで
スタンバイ・ミーを弾いてくれた。
私の為に、私だけに奏でた曲にやられた。きっと、もっと若かったら恋に落ちたかも、と思いながら遠い学生時代が蘇った。あの頃、猫も杓子も男子はギターを弾いていた、女の子を落とす必須アイテムがギターだった。文化アパートの畳六畳の部屋には不釣り合いのオーディオ機器とアンプを置き、洋楽のレコードを集めていた。彼女が出来たら部屋に招き入れ、ボブディランはどうだとか熱く語り、下手なのか上手いのかも分からないまま、女子は雰囲気に酔い簡単に落とされてしまうのであった。それ、私…?、ちっ違います!!

「こんなおばちゃんでもギター出来るかな?誰か教えてくれる方いるの?」
その楽器店のバンドやってます風の店員は言った
「僕で良かったら教室やってますよ、絶賛募集中ですよ」

気が付いたら、三万円のギターをお買い上げしていた。
ギター教室に通うかは保留にしているが、なんで買っちまったんだろう…、
未だに部屋の片隅に立てかけたまま
静かに控えめに存在している。
三月になったら、春の日射しがきらきら部屋を明るくしたら、
ボロロ~ンとかき鳴らして差し上げますから、待っていておくれ、
一日一日とその約束が先延ばしになるにつれ、
「えぇーい、ギター教室に行くかー、しかし
英語教室も三ヶ月お休みしてるけどあれはどうするのよ、それにパソコン買ったまんまじゃん!」
悶、悶、もん、うぅ°・(ノД`)・°・
1年間の母の介護、最後の看取り
『よくやったよ、じぶん』
ご褒美が膨らんじゃった、
だけどまだ心は晴れない、
ずぶずぶの沼の中
元気になるまで
待ってろよ-、
アコギーー!!

可愛い名前を付けよう
オスカル🎵
エへへへ😚





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