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#毎週ショートショートnote 急性カーテンコール中毒より【カーテンコールは鳴り止まない】
「私、幸せになります」
歌手花園美佳は人気絶頂期に突然芸能界を引退すると発表した。
最後の集大成にと所属事務所は
「昭和の歌姫花園美佳ファイナルステージ」
キャチフレーズは
(マイクはステージに返します)
数々の映画の主演、その美貌も惜しまれる中、5年間の軌跡をたどりながら花園美佳は熱唱し、静かに
ステージの床にマイクをおいた。
スポットライトはマイクだけを照らした。美佳は深々と一礼して去って行った。
観客は別れを惜しんでアンコールの拍手を送った。五分、十分それでも拍手は鳴り止まない。
幕内では焦りの色が、美佳を出す出さないでもめていた。
「マイクは置いたんですよ、もう握れませんよ」
「だったら、涙だ、涙を見せて終わらせろ」
二度美佳はステージに現れ涙をぬぐった。観客の興奮は頂点に達した。誰ひとり帰ろうとしなかった。
翌日の新聞には見出しにこう書かれていた、
『花園美佳ファイナル 別れの拍手は鳴り止まず』
最終の電車も見送り、手の腫れるのもいとはないこの行為は、美談として語られたが
あるひとりの医師が警鐘を鳴らした。
「これは、急性のカーテンコール中毒です」
つまり、極度の集団ヒステリー状態に陥り
起立性急性金縛り中毒になり、観客も帰りたいのに帰れない囚われの身となったのだと報告した。
くれぐれもご用心くださいとの言葉を添えて
あなたはこんな経験ありませんか?
終わり
ライブ後のアンコールが楽しみです。推しのアンコールは、30分たっぷりあるので、最終電車を気にしながら見てました。
