#シロクマ文芸部 透明な『オナガカゲロウの一生』
透明な羽根は陽に透けて金色に
かがやき、辺り一面に花吹雪が舞う
この光景はハンガリーのティサ川で一年に一度だけ繰り広げられる
オナガカゲロウの命をかけた舞です。
川床で三年を過ごし羽化して飛び立ってもわずか二時間の命、雌に命のバトンを渡す奇跡が見られる有名な『ティサの開花』です。
恋のラブストーリーは突然に始まる。水面から羽化したオナガカゲロウは一斉にティサ川の上流を目指す。その道のりは、魚に食べられ、鳥に狙われる苦難の連続。
やがてクライマックスーー
雄が三十分後に羽化した雌を見付け猛烈なプロポーズ。
空には金の雪が舞い、羽根はより透明感をます。
命はわずか二時間で燃え尽きる。
雌は水中に卵を産み落とし、次の命へとつないでいく。
儚くも美しいオナガカゲロウの一生です。
この光景は実際に見たのではなく、テレビの映像を通して知った光景です。
心に余韻が残る番組でした。
もし人間の一生が初めから『何年まで』と定められていたらーー
私たちは今よりもはるかに、活き活きと日々を過ごしているのではないか、そう思わずにはいられませんでした。
人が人を殺めたり、なじり合ったりする暇はないはずです。
限られた命を次の世代へと手渡すため、本能に従い喜び、笑い合うのです。
死を常に意識することで、生きることの意味が見えて来るのではないでしょうか。
人間の脳は、もはやAIに飲み込まれようとしている
人の姿をしたロボットが世界に満ちる日ーー
簡単に殺戮が始まる。
その未来はすぐ目の前に忍び寄っているのかもしれない。
動物達の生への営みがいとおしい。
オナガカゲロウの透明な命の舞を美しいと感じられることを大切にしたい。
了
NHKの『ダーウィンが来た!』を参考にしました。いつも感動してみてます。
