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【悲報】フェラーリ初EV「Luce」、ダサい問題で株価急落──「最もブランドから逸脱した一台」と市場が酷評

イタリアの高級スポーツカーメーカー、フェラーリ(NYSE/EXM: RACE)が2026年5月25日、ローマで初の完全電動モデル「Luce(ルーチェ)」を公開した。価格は約55万ユーロ(約64万ドル)、納車は2026年第4四半期から始まる。発表翌日のミラノ市場では株価が一時7.8%安をつけ、10月以来の急落幅となった。NYSE上場株も約5%下落している。

「光」を意味するこの新型車に、市場は冷ややかな反応を示した。ただし株価の動きと事業の中身は切り分けて見る必要がある。

Luceのスペック──「家族用フェラーリ」という大胆な賭け

ルーチェは4ドア5シーターで、4基の電動モーター、800Vアーキテクチャ、122kWhバッテリーを搭載し、出力は約1,050cv(1,000馬力超)航続距離は530kmに達する。0-100km/h加速は2.5秒、最高速度は310km/h超、車両重量は2.2トン超。バッテリーセルはSK On製のNMC、急速充電は350kW対応。60を超える新規特許を投入し、主要コンポーネントはマラネッロで内製している。なお、4ドア構成はPurosangueに続く2例目だが、5人乗りはフェラーリにとって初である。

特徴的なのは設計思想そのものだ。デザインを担ったのは、元アップル最高デザイン責任者ジョナサン・アイブとマーク・ニューソンが率いるクリエイティブ集団LoveFrom。EV専用プラットフォームによって5人乗り構成が初めて実現した。生産は専用拠点「E-Building」で行う。

5年の歳月をかけた成果だ」とベネデット・ヴィーニャCEOは200名以上の記者を前に語った。ジョン・エルカン会長は「ビジョンを現実に変える新章の幕開け」と表現している。

株価急落の正体──「デザイン憎悪」と「材料出尽くし」

時価総額は約530億ユーロ。下落要因として複数のアナリストが指摘するのは2点である。

第一に、デザインへの拒絶反応。€550,000のLuceの公開に対し、4ドア5シーターの設計をマスマーケットEVと比較する業界アナリストやインフルエンサーから否定的な反応が相次いだ。Oddo BHFのアントニー・ディック氏は「車のデザインに対する市場反応としてこれまで見た中で最も鋭い。市場は語った」と評し、Luceは「ブランドの本質からこれまでで最大の逸脱」だと指摘した。

第二に、いわゆる「材料出尽くし」。発表前にフェラーリ株が大きく買われていたことから、デザイン拒絶と「travel and arrive(出発と到着)」が重なって急落を招いたとアナリストは説明する。

ただし売り材料一色ではない。Barclaysのヘニング・コスマン氏は発表後もBuyレーティングを維持Evercore ISIのマイケル・ビネッティ氏は「想定通り、極めて二極化を生むEVオファリング」と評しつつ、「既存のフェラーリ顧客からの需要は乏しい、というディーラーチェック結果がある」とも指摘した。

押さえておきたい前提が一つある。フェラーリは前年のCapital Markets Dayで、Luceの顧客構成を「新規80%、既存20%」と想定していた。経営陣にとって既存顧客の冷淡な反応は織り込み済みであり、勝負どころは新規層──テック・AI世代の富裕層、そしてEV受容度の高い中国を含む市場──を取り込めるかにある。


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