宙組「PRINCE of LEGEND」「BAYSIDE STAR」
9月24日(水) 午後の部観劇
「PRINCE OF LEGEND」
著作・原作・構想 HI-AX
脚本・演出 野口幸作
ずんちゃん、トップお披露目公演おめでとう!!
あなた(桜木みなと様)がトップになることはずいぶん前からわかっていたけれど、下級生の頃から見てきたので感慨深い。
大羽根を背負って、大劇場の階段を最後に下りてくることができるのは選ばれしひとのみ。
宙組が誕生して27年。この組で育った大勢の生徒さんの中で、スターの宝庫・95期のずんちゃんが、はじめての生え抜きのトップスターです。
宙組の初代トップと言ってもいいかもしれません。
しかし、お披露目公演に、学園もの、それも高校生の役。
なんでやねん!
と正直思いました。
はじまったとたんに結末のわかる、お芝居になんの期待もせずに出かけました。若い人しか楽しめないだろうと。
大型車の三倍の長さはあろうかと思える巨大な車から降り立つずんちゃんは、まさに王子さまでした。
純白の衣裳で通すこの役は純真無垢。個性がないにひとしい。いつも笑顔のずんちゃんより、同期のマイティ(水美舞斗様)の演じる黒服の不良高校生のほうがどうしても目立ってしまう。白が黒に勝つ過程を見せなくてはならない。生真面目で誠実。ふざけないで笑いをとる難役だったと思う一方で、ずんちゃんの本来の姿に近いのではないかと思う。
おおらかで、淡泊。しかし、忍耐強く志をつらぬく気概があったからあまたの逆境を乗りこえることが可能だった、曇天のあとの宙のように。
この役は、ずんちゃんだからこそ演じられたのかもしれない。
この作品の原作が評判になり、ドラマ化、映画化されたとパンフレットで知りました。評価の分かれる作品だと思うけれど、ずんちゃんらしく王子の座に君臨してください。
脇を固める宙組生全員、ずんちゃんを支えてけんめいに歌い、躍っていた。客席おりもあり、満面の笑みで走り回っていた。健気で泣けました。
ビートオンステージ「BAYSIDE STAR」
作・演出 斎藤吉正
ショーこそタカラヅカの華。お芝居で笑ったあと、ショーで目の洗濯。
横浜からはじまり、神戸で終わる。
幕開きの鷹翔千空くんののびやかな声に聞き惚れた。
それにつづくどのシーンも見応えがあった。もっとも心惹かれたのは、「フィヨルドの奇跡」の場面だった。
北欧神話をベースにしたストーリィ性のあるダンスシーンは幻想的で、ずんちゃんと春乃さくらちゃんのコンビがもっともよく生かされていた。
愛と美の女神フレイヤに恋する美青年の悲恋を描いている。
ずんちゃんが本来もっているたおやかな気質が遺憾無く発揮されていると感じた。
白鳥となり、宙の彼方へ飛翔する幕切れも美しかった。
北欧の人びとは、黄金のことを「フレイヤの涙」というそうだ。
燕尾服でのダンスは、タカラヅカにおいて定番だけれど、なんど観ても見飽きることがない。
時よ、止まれといつも思う。
ヅカトモが抽選で当たったクリアファイルを横からかすめ取り、帰途についた。
ずんちゃん、ほんとによかったね、おめでとう。
了

