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小説「隠れ里春秋」note15 江戸時代の単位(尺貫法)② 広さ・かさ・重さ

 前回は、1という単位を説明しました。寺などの柱間の距離、畳の長手方向の距離、およそ2m弱が1でした。
 では、それをもとに広さの説明をします。

1.広さ

 先ず、1×1、畳二枚の大きさです。
それを坪といいます。現代の広さでいうと、3.3025m2となります。
この坪が広さの単位の基本です。これは現代でも土地や建物の面積を表す時に使われますね。

 今の住宅でも、建坪(建物延べ床面積)や土地坪(土地面積)などで多いのが30坪。住宅金融支援機構のデータでも、延床面積30坪前後の戸建が主流となっていますね。
 江戸時代でも、この30坪というのは、結構基本単位として意識されています。それを畝(せ)と言います。
間で表すと、間口10間、奥行き3間の広さなどが畝になります。
これは約100m2、または1a(アール)となります。

 このの10倍にあたるものが、(たん)です。田んぼの枚数を数える時などに使います。300になります。
これは約1,000m2、または10a(アール)です。
 現代でも耕地整理などがされていると、田んぼは一反づつに整理されていることが多いです。田んぼ2反のことを、田んぼ2枚とか言ったりします。それは300坪の区画が2枚あるという意味です。

公益社団法人 農業農村工学会Hpより引用

ここまでをまとめてみましょう。次のようになります。

作成:堀川 屯

 ちなみに、の10倍、つまり10が1(ちょう)となります。
現代的には、約10,000m2、または10ha(ヘクタール)です。

 目の前に辰吉の家がある。その前に広がる三の田が、辰吉の父辰三が残したものだ。それを担保に藤五郎から三両の金を借りた。

隠れ里春秋より

2.かさ(体積)

 現代では「かさ=量」は、液体で表現を多くしますが、江戸時代は米の文化であり、全て枡(ます)で測っていました。どこの農家も枡を持っており、その「かさ=量」を図っていました。
 その基本単位となるのが(ごう)です。1は180.39mlで、約200mlの小型容量のペットボトルくらいが入る量です。1合枡は、江戸時代には量を図る基本で、それが10杯入る枡が一升枡。単位は(しょう)。現代の酒の1升瓶の量となります。また、その10倍が1。その枡は大きな丸い枡で一斗桝(いっとます)と呼ばれました。は下図のようになります。

 ちなみに、枡の大きさは誤魔化されやすいので、徳川幕府は1669年(寛文9年)に、地域でばらつきがあった枡のサイズを統一し、京枡の寸法を元に1升と定めました。寸法は、内寸で、4寸9分×4寸9分、深さ2寸7分となっています。1合はその1/10の量となります。
 時代劇で、よく(こく)という単位があります。これは領地でとれる米の収穫量を表すものです。加賀百万石とかのように。
 このは、10のことです。
 それと、米で言うと1というものがよく使われます。これは昔の米俵ひとつ分の量。4で1となります。

3.重さ(重量)

 最後に重量です。江戸時代では、今のように重さを図るものは一般的に発達していません。秤(はかり)などはありましたが、両替商のような商店のようなところでないと、あまりにものを図るということはありません。
 一般のものは、大体の勘と下図のような秤を使っていました。

金沢くらしの博物館より引用

 日常の重さの単位は、貫(かん)です。今でも100貫デブとかの言葉が残っていますが、この1貫は3.75kgです。今のようなkgという感覚はないので、大体この4キロくらいが一つの重さの感覚です。江戸時代の男性の平均体重は50キロくらいと謂われていますから、人の体重は13貫ほど、女性で10貫強(約40キロ)です。

「鍛錬棒ってあれかいな、航が寺の中を担いでいる臼《うす》に持ち手を付けたようなやつかいな」
 法印は両手でその姿を宙に描いた。
「そうどす。あれ十(約37.5kg)あるらしぅて、航は朝のうちに千回振るのを日課にしてるんどす。お父はんに言われたことを今でも守り続けとるんどすわ」

隠れ里春秋 第2話「1-1芝の坊法印」より

 まだ、ここの単位では、重すぎるので、その下に(きん)という単位があります、これは600gで、約6で1となります。小説で出て来るのは、刀の重さです。大体、拵え(鞘など)を含んで2(約1.2kg)の重さになります。脇差でその半分、1(約0.6kg)です。そうなると、武士の重さの単位は、腰に差している刀で大体判別がつきます。
 でも600gでも十分に重い単位ですよね。これではまだまだ細かいものが図れません。次にその下に、1の1/100の重さ(りょう)があります。37.5gです。ここからが、貨幣と関係する重さになります。

 関西の場合、銀貨が使われていました。銀貨は重さで価値が決まる秤量(ひょうりょう)貨幣です。重さで貨幣の価値が変わる変わった貨幣でした。代表的なものに丁銀・豆板銀というものがありました。小さな重さでの基本単位は(もんめ)です。3.75gです。これを元に貨幣の価値を決めていました。(貨幣はまた後日説明)

「丁銀がおよそ40程度。豆板銀は、丁銀を鋳造する際に飛び散った銀を集めた小さな塊で、補助的に使われました。およそ 1(約3.75g)〜10(約37.5g) 程度。丁銀や豆板銀はそのままでは重さがバラバラなので、取引の際には必ず天秤を使って重さを量りました」(Google AI)
 両替屋では必ず、両替秤を利用してこれらを図っていました。

引用:文化遺産オンライン https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/13004

1貫(かん)  =100 両   =3.75 kg
1 斤(きん)  =16 両  =600 g
1 両(りょう) =10 匁     =37.5 g
1 匁(もんめ)         =3.75 g

尺貫法重さまとめ

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