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二人分の旅、一人分の私

先に訪れた韓国では、娘とずっと一緒だった。
でも、次の日本では、お互い好きなことをする時間が増えた。

娘は私の姉とショッピング三昧。
銀座、お台場、新宿、原宿、渋谷。

メルボルンにいると、選べないことに慣れる。
日本は、選びきれないくらいある。

子供のいない姉は、喜んで娘と出かけてくれるのが本当にありがたい。
娘は毎日、「今日はどこへ行こう」と嬉しそうに出かけていった。

私は友達とキャッチアップしたり、自由気ままに買い物へ出かけたり。

ある日、思い立って一人で箱根へ。
お弁当を買ってロマンスカーに乗り込む。
窓の外の景色は少しずつ街並みから深い緑へと変わり、やがて霧が少しかかる箱根に到着した。
たった1時間半の距離なのに、肌に触れる風の温度や匂いがガラリと変わる。

今回は、あまり時間もないので湯本から送迎バスのある箱根湯寮へ。
バスの窓からは、風情のある苔の壁や紫陽花が続いていた。
その先に、古民家風の佇まいの建物が見えてきた。

趣きのある入口。山にかかる霧がまさにThe箱根。

大浴場の内風呂に入り、木や自然の温もりを感じる天井を見ながらゆっくりと首まで浸かる。
柔らかいお湯に思わず「あ~、幸せ」と声が出た。
ちょうどよいお湯加減に酔いしれ、いつまでもここにいたいと思った。

露天風呂からは絶え間なくサラサラ、ゴロゴロと心地よい沢の流れの音に癒される。
音が耳に届くだけで体がほぐれていくひととき。
誰にも急かされない時間。

「ああ、一人っていいな。」と改めて思った。
でも、それは一人で生きたいということではなくて、
妻でもなく、
母でもなく、
会社員でもない。
ほんの少しだけ、"自分"に戻れる時間。
その役割があるから、余計に一人の時間がこんなに沁みるんだ。

昔は、お土産を買うことも旅の大事な締めくくりだった。
でも今回は違った。
限られた時間なら、
お店を何軒も回るより、
その土地の空気を感じていたかった。

持ち帰るものより、
その場所で過ごす時間を増やしたかった。

娘と笑い合った時間も、この旅の宝物。
一人で温泉に浸かった静かな時間も、同じくらい大切な思い出になった。

誰かと過ごす時間も、 一人で過ごす時間も。

どちらもあった二人旅を終えた。 

出来立ての温かい抹茶わらび餅とほうじ茶。

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