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番外編・WindowsからLinuxへの移行戦略 その7

皆様、こんにちは。
株式会社カチカのオフサイト&コールドバックアップ業務担当の村島です!
腰がとても痛いです…。久しぶりにこんなに痛くなったなあ。
手術するほどでもないんですよね。最大でも医療用コルセットを数日巻いておけば治ると。
皆様、坂本博之という名前をご存じでしょうか。
ボクサーなんですが、その強力なパンチで「平成のKOキング」と呼ばれました。腰椎ヘルニアという爆弾を抱えていたこともあり残念ながら世界にまでは届かなかったボクサーなのですが、生き方が滅茶苦茶かっこいいんです。まさに「漢」です。YouTubeなどで見られますので見てみてください。
さて、いつものやつ行っておきましょうか。

あなたの前には3枚のドアA、B、Cがあります。どれかひとつのドアの後ろには、素敵な商品が隠されていますが、残りのふたつのドアは外れです。この問題の出題者はあたりのドアを知っていますが、あなたは知りません。あなたは、ドアAを選びました。すると、出題者は、残された2枚のドアのうちドアBを開け、それぞれが外れであることをあなたに見せました。ここで司会者は、あなたにこうもちかけました。
「はじめに選択したドアAのままでも結構ですが、ここでドアCに変更しても構いませんよ」
さて、ここであなたは選ぶドアを変更すべきでしょうか?
Bは外れなので、残るはAかCかの2択です。ならばAもCも1/2ずつ、変えても変えなくても同じ…と考えちゃいませんか?
しかし、得策なのは「Cに変更すべきである」です。なぜなら当たる確率が2/3になるからです。
なぜそうなるか、じっくり考えてみてください。

さて、本題に入って参りましょう。

大企業のためのLinux移行と大規模展開

大企業におけるLinuxの導入は、個人や中小企業とは異なる複雑性と戦略的意義を持ちます。ここでは、単なるデスクトップOSの置き換えに留まらず、基幹システムやインフラの根幹を支えるプラットフォームとしてのLinuxの役割が重要となります。

大規模システムにおけるLinuxの役割と利点

大規模システムにおいては、単にOSを入れ替えるというだけではなかなかことが片付きません。大規模ゆえの困難さということが出てまいりますので、それをここから見ていきましょう。

信頼性、拡張性、運用性

大企業におけるLinuxは、単なるデスクトップOSに留まらず、次世代ITシステムの基盤OSとして位置づけられています。大規模な業務システムを動かすために必要な信頼性、拡張性、運用性が強化されたエンタープライズLinuxサーバーOSが提供されており、これはミッションクリティカルな(それが欠けると業務の遂行に影響が出るほどの)環境での利用を可能にします。

世界的な大企業であるGoogleやNASAがLinuxを大規模に採用している実績は、その信頼性と安定性を裏付けています。Googleは従業員向けに「Goobuntu」OS(Ubuntuの長期サポート版をベース)を提供しており、数万人のユーザーが利用しています。GoogleではWindowsの使用には「特別な」セキュリティ上の問題があるため、上位レベルの権限が必要とされており、Linuxがセキュリティとコントロールの観点から優先されていることが見て取れます。NASAは2013年に国際宇宙ステーション(ISS)のクルーが使用するノートPCをWindowsXPからDebian6に切り替えました。NASAは、この移行の動機として「安定性と信頼性の高いOSを必要としていたからだ。つまり、組織内でコントロールできるOSである」と述べています。これは、自社でパッチや調整、改良を行える能力の重要性を強調しています。

サイバーレジリエンスとハイブリッドクラウド

Linuxは、サイバーレジリエンスの高いハイブリッドクラウドおよびAIプラットフォームの基盤として活用されています。オープンソースであるLinuxは、特定のベンダーに依存しない柔軟なアーキテクチャを可能にし、多様なクラウド環境やオンプレミス環境との連携を容易にします。

また、Solaris、AIX、HP-UXなどの商用UNIXからLinuxへの移行も進んでおり、POSIX(Portable Operating System Interface)標準への高い互換性が、これらのシステムからの移行を容易にしています。LinuxはPOSIX互換を目指して設計されており、UNIXソフトウェアと多くの共通点を持つため、既存のUNIX資産を有効活用しながら、よりコスト効率の高いオープンな環境へと移行できます。

大企業におけるLinuxの導入は、初期のコスト削減という側面から、より高度な戦略的価値へとシフトしています。それは、自社でコントロール可能な安定したOS基盤を構築し、変化の激しいビジネス環境においてサイバーレジリエンスを確保し、ハイブリッドクラウドやAIといった最新技術を柔軟に導入するためのプラットフォームとしてLinuxを位置づけることです。これは、単に既存システムを置き換えるだけでなく、企業のITインフラ全体のアーキテクチャ変革を伴います。商用UNIXからLinuxへの移行の動きは、オープンソースの成熟度とエンタープライズレベルでの信頼性向上を明確に示しています。これは、特定のベンダーロックインからの脱却と、よりオープンで柔軟なIT戦略への転換を意味します。Linuxの採用は、企業がITインフラの「所有」から「制御」へと焦点を移していることの表れであり、自社でパッチや調整を行える能力は、迅速な対応とセキュリティ強化に直結します。

既存Windows環境との統合戦略

大企業では、既存のWindows Active Directory (AD) 環境とのシームレスな統合が、Linux導入の成否を分ける重要な要素となります。ユーザー認証、アクセス制御、グループポリシーの適用など、ADが提供する機能をLinux環境でも維持・拡張できるかが鍵となります。

Active Directoryとの連携(Samba, Linux Connector)

LinuxシステムをActive Directoryドメインに参加させるための主要なツールとして、Sambaが挙げられます。Samba Winbindは、Red Hat Enterprise Linux (RHEL)システムをADに接続するためのSystem Security Services Daemon(SSSD)の代替手段として利用できます。

  • ADドメインメンバーサーバーとしての設定:SambaをADドメインメンバーサーバーとして設定するには、ホストがADドメインを解決できるDNSサーバーを使用し、ホストの時刻がADの時刻と同期していることが前提です。realmdコマンドを使用してSamba Winbindを設定し、ドメインに参加させることができます。このコマンドは、必要な設定ファイルの作成やサービスの起動を自動的に行います。

  • 既存Windows ADからの移行:Samba4は、既存のWindows ADドメインから移行することも可能です。Samba4を既存のWindows ADドメインに参加させ「FSMO(Flexible Single Master Operation)」と呼ばれる操作マスターの役割をSamba4へ転送することで、既存のWindows ADのドメインコントローラー(DC)を撤去し、Samba4をAD DCとして運用することが可能です。この移行により、ユーザーのパスワードやプロファイル、グループポリシーもそのまま継続して利用できます。移行作業中に既存ドメインを停止させる必要はありません。SambaとWindowsのDCを混在して利用することも可能であり、FSMOの役割はどちらのDCでも構いません。

また、ターボリナックスが提供する「Linux Connector for Active Directory」のような製品も存在します。これは、WindowsとLinuxが混在する企業システムで、相互のICT資源をシームレスに統合し、Active Directoryで集中管理を行うことを可能にします。

認証・ID管理の統合

SambaやOpenLDAPは、認証統合、ディレクトリサービス、シングルサインオンのインフラとして機能し、Linux環境におけるユーザー認証とアクセス管理を効率化します。さらに、Unicorn ID Managerのような統合ID管理製品は、Google Apps、Active Directory、LDAP、Sambaなど複数のディレクトリサービスに対応し、企業全体のID管理を効率化します。これにより、従業員は単一の認証情報で複数のシステムにアクセスできるようになり、セキュリティと利便性が向上します。

大企業におけるLinux導入は、既存のWindowsベースのインフラ、特にActive Directoryによる集中管理と認証システムとのシームレスな統合が成否を分ける要素となります。単にLinuxマシンを導入するだけでなく、ユーザー認証、アクセス制御、グループポリシーの適用など、ADが提供する機能をLinux環境でも維持・拡張できるかが鍵となります。Sambaのような成熟したツールは、この複雑な統合を可能にしますが、その設定と運用には高度な専門知識が求められます。統合戦略は、IT管理の効率性だけでなく、セキュリティポリシーの一貫性にも直結します。ADとの連携が不十分だと、ユーザー管理が二重になり、セキュリティホールが生じるリスクが高まります。また、FSMO転送によるAD DCのSambaへの移行は、Windowsライセンスコストの削減だけでなく、ADインフラのオープンソース化によるベンダーロックインからの脱却という、より広範な戦略的メリットをもたらします。これは、ITインフラの柔軟性と将来的な拡張性を高める上で重要なステップとなります。

大規模展開と集中管理

大企業におけるLinux環境の効率的な運用には、大規模展開と集中管理の自動化が不可欠です。手動でのシステム展開や設定は非効率的であり、ヒューマンエラーのリスクも高まります。

自動化されたプロビジョニングと構成管理

新しいシステムの大規模な完全自動プロビジョニングにより、大規模な移行の速度が向上します。物理システムと仮想システムにわたって、テスト済みシステムの構成とアプリケーションのインストールの均一性が向上し、一貫性のある反復可能なシステム構成が作成されるため、技術的な負担が軽減され、管理を効率化できます。

Red Hat Enterprise Linux(RHEL)は、自動化および効率化された管理機能がOSに組み込まれており、手動タスクの自動化、大規模なデプロイ(使える状態にすること)の標準化、日常的な管理業務の単純化を支援します。Image Builderツールやシステムロールを活用することで、システム構成を効率化し、一貫性のあるシステム展開が可能となります。これにより、管理者は反復的でエラーが発生しやすいタスクに費やす時間を減らし、イノベーションにより多くの時間を費やすことができます。

コンテナ技術の活用

Linuxコンテナ(Docker、Kubernetesなど)は、アプリケーションのデプロイ、スケーラビリティ、可用性を高めるための重要な技術です。コンテナは、アプリケーションとその依存関係をパッケージ化し、どの環境でも一貫して動作することを保証します。これにより、大規模なアプリケーション展開と管理が容易になります。

Red Hatのようなベンダーは、開発者チームをコンテナ向けプラットフォームに移行させたり、最高クラスのオペレーティングシステム上でコンテナインフラを稼働させたり、コンテナが生成する大規模データのストレージソリューションを提供したりするなど、コンテナの導入を包括的に支援しています。コンテナをデプロイする際には、アプリケーションの負荷、コスト、リソースのスケーラビリティ、可用性など、あらゆる要件を考慮した上で、最適なインフラを選択することが重要です。

統合監視・管理ツールの導入

大規模なLinux環境では、多数のサーバーやクライアントを効率的に監視・管理するためのツールが不可欠です。これらのツールは、システムのパフォーマンス監視、セキュリティイベントのログ収集、構成管理、リモートアクセスなどを一元的に行い、IT部門の作業負荷を軽減します。

  • 無料オープンソースツール:

    • Netdata:分散型リアルタイム監視ツールで、Linux、Kubernetes、Dockerなどにインストール可能です。システムの状態をリアルタイムで可視化し、異常を即座に検知できます。

    • Pandora FMS:大規模環境に対応できる拡張性の高い監視システムで、500を超えるプラグインを利用してあらゆるアプリケーションやテクノロジーを管理できます。ローカルネットワークおよびリモートネットワークの両方を監視するエージェントベースのソリューションです。

    • MeshCommander:Intel PC向けモニタリングツールで、Intel AMT(Active Management Technology)を介してPCのさまざまなモニタリングを実施できます。ブラウザやスタンドアロンツールを介して簡単に操作可能です。

  • 有償ツール/プラットフォーム:

    • NinjaOne:世界中のITチームやMSP(Managed Service Provider)を支える統合IT管理プラットフォームです。すべてのデバイスおよびユーザーについて「監視」「管理」「サポート」する機能により、IT運用を最新化します。

    • Atera:オールインワンのRMM(Remote Monitoring and Management)およびPSA(Professional Services Automation)プラットフォームです。リモート監視・管理とプロフェッショナルサービス自動化の機能を統合しています。

    • MSP360:ランサムウェアの脅威から「データ+エンドポイントを保護」するために開発されたIT管理プラットフォームです。リモートアクセス機能「MSP360 Connect」やエンドポイント監視管理機能「MSP360 RMM」を提供します。

また、統合バックアップソフトとしてNetVaultのような製品は、多様なOSに対応したシンプルな管理GUIを提供し、複数OSが混在するシステムのバックアップを集中管理できます。

以下の表は、大企業がLinux環境の集中管理を検討する際に、主要なツールとその特徴を比較検討できるようにするためのものです。

主要なツール比較一覧表
(クリックで拡大)

大企業におけるLinuxの導入は、単にOSをインストールするだけでなく、その後の運用管理の自動化と効率化が極めて重要となります。手動管理では、システムの一貫性維持、セキュリティパッチの適用、トラブルシューティング、リソースの最適化などが困難になり、運用コストが肥大化します。この表は、企業が自社の規模、予算、既存のITインフラ(例:Windows環境との混在)に合わせて、最適な管理ソリューションを選定するための判断材料を提供します。OSSと有償ツールの比較は、コストと機能、サポートレベルのバランスを考慮する上で役立ちます。統合管理ツールの導入は、IT部門の作業負荷を軽減し、より戦略的な業務(イノベーションの拡大)に時間を割けるようにします。また、高度な運用ノウハウを持つMSPの活用は、社内リソースが不足している場合でも、高品質なIT運用を確保する手段となります。これは、Linux導入を単なる技術的プロジェクトではなく、IT部門の効率化とビジネス価値向上を目的とした戦略的投資と位置づけることを意味します。

運用継続性とBCP対策

大企業にとって、システムの運用継続性と災害時における事業継続計画(BCP)対策は、Linux環境においても極めて重要です。

高可用性構成とフェイルオーバー

基幹システムやミッションクリティカルなサービスでは、システムの停止がビジネスに甚大な影響を与えるため、高可用性(HA)構成が必須です。Linuxは、クラスタリングソフトウェアやロードバランサーを用いて、複数ノード間でのリソース共有やフェイルオーバーを実現し、単一障害点(SPOF)を排除できます。例えば、Tableau Server on Linuxの分散型高可用性インストールでは、追加ノードのインストールと構成、ロードバランサーの追加、調整サービスアンサンブルの展開、リポジトリフェールオーバー、ノード障害からの回復など、詳細なHA構成のオプションが提供されています。これにより、システム全体の信頼性と耐障害性を高めることが可能です。

統合バックアップソリューション

災害時やシステム障害からの迅速な復旧のためには、堅牢なバックアップ戦略が不可欠です。NetVaultのような統合バックアップソフトは、多様なOSが混在する環境でもバックアップを集中管理し、BCP対策を強化します。サイバートラストの事例では、運用チームが災害時に現場にたどりつけなくても止まらないシステムを作るために、MIRACLE LINUXを活用したBCP対策が構築されています。これにより、予期せぬ事態が発生した場合でも、ビジネスの継続性を確保し、データ損失のリスクを最小限に抑えることができます。

大規模導入事例の分析

世界的な大企業がLinuxを大規模に導入している事例は、Linuxがエンタープライズ環境で十分に信頼され、活用されていることを明確に示しています。

  • Google:従業員向けに「Goobuntu」OS(Ubuntuの長期サポート版をベース)を提供しています。数万人のユーザーが利用しており、グラフィックデザイナーから営業担当者、エンジニア、マネージャーまで、幅広い職種の従業員がGoobuntuを使用しています。GoogleではWindowsは「特別な」セキュリティ上の問題があるため、使用には上位レベルの権限が必要とされており、Linuxがセキュリティとコントロールの観点から優先されていることを示します。

  • NASA:国際宇宙ステーション(ISS)のクルーが使用するノートPCをWindowsXPとScientific LinuxからDebian6に切り替えました。NASAは、この移行の動機として「安定性と信頼性の高いOSを必要としていたからだ。つまり、組織内でコントロールできるOSである」と述べています。これにより、NASAは自社でパッチや調整、改良を行える能力を獲得し、システムの安定性と信頼性を向上させました。

  • ソフトバンク株式会社:1万台を超える仮想サーバーで利用中のCentOSの開発終了に伴い、MIRACLE LINUX(RHEL互換の国産Linux)を採用しました。この決定により、コスト最適化と長期サポートによる安心感を実現しています。これは、大規模な企業がオープンソースの代替ソリューションを戦略的に導入し、運用コストとリスクを管理する好例です。

  • 株式会社コンテック:社会インフラシステムが要求する信頼性を確保するため、Linux搭載FAコンピュータの冗長構成で事業継続性を向上させています。これは、Linuxが産業制御システムのようなミッションクリティカルな分野でも、高い可用性と信頼性を提供できることを示しています。

  • 日鉄ソリューションズ株式会社:気象や通信などの新技術からソリューションを開発する基盤製品にMIRACLE LINUXとMIRACLE FailSafeを採用し、長期サポートと可用性向上を実現しています。

  • 国立米子工業高等専門学校:Asianux Server 7(MIRACLE LINUX V7)を活用し、新旧4世代のパソコンで安定動作させ、学生のUNIX/Linux技術習得に貢献しています。これは、Linuxが教育機関においても、多様なハードウェア環境での安定運用と学習機会の提供に貢献していることを示します。

これらの事例は、Linuxが単なるコスト削減の選択肢ではなく、ミッションクリティカルな環境や高度なセキュリティ要件を持つシステムにおいて、Windowsや商用UNIXに代わる、あるいはそれらを凌駕する戦略的プラットフォームとして認識されていることを示しています。特に「組織内でコントロールできるOS」というNASAの動機は、ベンダーロックインからの脱却と、自社でITインフラの運命を決定できる能力の重要性を強調しています。大企業によるLinuxの採用は、オープンソースソフトウェアがエンタープライズグレードの要件を満たし、かつそれを超える価値を提供できるという強力な証拠です。これにより、Linuxは単なるニッチな技術ではなく、IT業界全体の主流な選択肢としての地位を確立しています。これらの成功事例は、潜在的な導入企業に対して、技術的な実現可能性だけでなく、ビジネス上の大きなメリットがあることを具体的に示し、移行への信頼感を醸成します。

移行後の運用と継続的改善

Linux環境への移行は、単なるOSの導入で終わりではありません。移行後の安定した運用と継続的な改善は、そのメリットを最大限に引き出し、長期的なIT戦略に貢献するために不可欠です。

セキュリティ対策とパッチ管理

Linuxは一般的にセキュリティが高いとされますが、それでも定期的なセキュリティ更新とパッチ適用は不可欠です。多くのLinuxディストリビューションでは、OSとインストールされているアプリケーションのアップデートを一括で行うことができます。これにより、個々のソフトウェアの更新を管理する手間が省け、システム全体のセキュリティ状態を効率的に維持できます。標準ファイアウォール(UFWなど)の有効化や、不要なSSH接続をブロックする「fail2ban」のようなセキュリティツールの導入を検討し、システムの防御を強化することが推奨されます。

パフォーマンス最適化とリソース管理

Linuxは軽量なOSであり、アプリケーションの動作がスムーズになるというメリットがありますが、継続的なパフォーマンス監視とリソース管理は重要です。特にサーバー環境では、CPU、メモリ、ディスクI/O、ネットワークなどの使用状況を定期的に監視し、ボトルネックを特定して最適化を図ることが不可欠です。これにより、システムの安定稼働を維持し、リソースの無駄をなくし、効率的な運用を実現できます。

コミュニティと商用サポートの活用

Linuxには活発なコミュニティが存在し、多くの情報や解決策が共有されています。トラブルシューティングや新しい機能の学習において、これらのコミュニティは非常に貴重なリソースとなります。個人ユーザーや中小企業は、Ubuntu Japanese Teamのようなコミュニティフォーラムを積極的に活用することで、多くの問題を自力で解決できるでしょう。

一方、企業においては、Red Hatやサイバートラストのような商用ベンダーからのサポート契約を検討することが推奨されます。商用サポートは、技術的な問題に対する迅速な解決策の提供、セキュリティパッチの確実な適用、長期的な安定稼ージョン提供などを保証し、ミッションクリティカルなシステム運用における安心感を提供します。ソフトバンクがCentOSの代替としてMIRACLE LINUXを採用した事例は、長期サポート体制の重要性を示しています。

長期的なIT戦略におけるLinuxの位置づけ

Linuxは、その柔軟性、セキュリティ、コスト効率の高さから、今後もITインフラの主要な選択肢として成長し続けるでしょう。特に、クラウドネイティブなアプリケーション開発(コンテナ技術)、AI/機械学習、IoTエッジコンピューティングなど、最新のITトレンドを支える基盤としてのLinuxの重要性はますます拡大しています。Linuxへの移行は、単なるOSの置き換えではなく、企業のITインフラを将来の技術革新に対応できるよう再構築する戦略的な一歩と捉えるべきです。これにより、企業は変化の速いデジタル時代において、より迅速かつ柔軟に対応できるIT環境を構築することが可能になります。

結論と提言

WindowsからLinuxへの移行は、個人、中小企業、大企業のいずれにおいても、それぞれ異なる動機と課題を伴う戦略的な決断です。本レポートでは、各規模の特性に応じた詳細な移行戦略、推奨事項、および注意点を包括的に分析しました。

各規模における移行の要点まとめ

  • 個人ユーザー:

    • 主な動機:コスト削減、古いPCの再活用、パフォーマンス向上、そして新しい技術への学習機会。

    • 主要な課題:Microsoft Officeなどの特定のアプリケーション互換性と、Windowsとは異なる操作性への慣れ。

    • 推奨事項:ユーザーフレンドリーなLTS版ディストリビューション(Ubuntu, Linux Mint, Zorin OS)を選定し、デュアルブートによる段階的導入でリスクを抑えながらLinuxを試用し、慣れていくことが推奨されます。

  • 中小企業:

    • 主要な推進力:Windowsサポート終了に伴うセキュリティリスクの増大と、ITコスト削減および持続可能なIT戦略の実現。

    • 最大の課題:既存業務アプリケーションの互換性と、社員のITスキル対応および従業員トレーニング。

    • 推奨事項:ビジネス向けLTS版ディストリビューション(Ubuntu LTS, Linux Mint, Zorin OS, Debian)を選定し、段階的なパイロット導入と、社内IT担当者の育成または外部ITサポート(MSPなど)の活用が不可欠です。

  • 大企業:

    • Linuxの役割:信頼性、拡張性、運用性、サイバーレジリエンス、ハイブリッドクラウド戦略の基盤としての役割が重要です。

    • 成功の鍵:既存Active Directoryとのシームレスな統合(Samba, Linux Connector)と、自動化されたプロビジョニング、コンテナ技術の活用、統合管理ツールによる大規模展開と集中管理が成功の鍵となります。高可用性構成とBCP対策も必須です。

今後の展望と推奨事項

Linuxは、その柔軟性、堅牢なセキュリティ、そしてコスト効率の高さから、今後もITインフラの主要な選択肢として成長し続けるでしょう。特に、クラウド、AI、エッジコンピューティングといった分野でのLinuxの役割はますます拡大し、企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させる基盤としてその重要性を高めていきます。

今回の「番外編」で提示された各規模に応じた戦略と注意点を参考に、組織の特性と目標に合致したLinux移行計画を策定し、段階的に実行していくことを強く推奨します。移行は一度きりのプロジェクトではなく、継続的な学習、コミュニティや商用サポートの活用を通じて、Linux環境の潜在能力を最大限に引き出し、ビジネスの成長とIT戦略の最適化に貢献してください。

というわけで、最後少し走りましたがWindowsからLinuxへの置き換えについてまとめました。今後Windowsがどうなるのかは要注目だと思います。これまでは「フリーソフト」という形でWindows向けに提供されていた各種機能が、現在クラウドに移行しているように思われます。

例えば「画像」という形で保存されている文書から文字起こしを行うという作業は、OCRソフトという形でPC(Windows)にインストールして行うものでしたが、現在は画像をアップロードすれば文字に起こしてダウンロードできるという形で自分が使っているOSに関係なく行えるようになっています。このようにIT業界が変化していきますので、自分が直接扱っているPCのOSはあまり問題にはならなくなってきているというのが実際のところでしょう。

少なくとも個人と小規模企業・団体においては、Linuxへの乗り換えを、少なくともWindowsの新バージョンが出るたびに考慮の中に据えておくことは決して無駄ではないと思われます。普段から「Windowsでないとどうしてもダメ」というものを認識しておくことも長期的な利益をもたらすものと考えられます。

長くなりましたが番外編をこれで終わります。次回から元の話に戻りますのでよろしくお願いいたします。

というわけでやっぱりやります

Geminiさんのお手並み拝見シリーズです。前回はこんな絵をGeminiさんに描いてもらったのでした。

この人は誰でしょう?

これは「静御前の絵を描いて?」とGeminiさんにお願いした結果の出力です。義経との純愛物語は日本史上に残るラブストーリーだと言えるのではないでしょうか。ファンもかなりいそうです。
ちなみに遺されている肖像画はこれ↓です。

静御前像
(画像はWikipediaより)

Geminiさんの絵はなんか巫女をこじらせたような絵に見えますね。

さて、今日も1枚お願いしましょう。

これは誰でしょう?

ヒント行きましょうか。

  1. 鎌倉時代の随筆家であり歌人です

  2. 有名な随筆『**草』を書いています

  3. 「不健康」の対義語は…

さて、今日はこれぐらいで終わらせていただきます。目次へのリンクを張っておきます。

上のリンクから目次だけの記事に行きますのでそちらをご覧ください。
また次回もよろしくお願いいたします。
なお、弊社の業務をご紹介するちゃんとしたWebサイトは現在鋭意作成作業中です。今しばらくお待ちください。

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