バックアップソフトが「成功」と言っても安心できない理由
「正常に完了しました」は信用できる?
バックアップソフトの実行結果を見ると、
「バックアップが正常に完了しました」
「Success」
「ジョブが正常終了しました」
と表示されることがあります。
これを見ると、多くの方は「これで安心だ」と
思われるのではないでしょうか。
もちろん、バックアップが正常に終了すること自体はとても重要です。
しかし、私はこの表示を見るたびに、
「本当に安心でしょうか?」
と考えてしまいます。
なぜなら、バックアップソフトが「成功」と判断しているのは、
あくまでもバックアップ処理がエラーなく終了したという事実であって、
実際に復旧できることまで保証しているわけではないからです。
「成功」と「復旧できる」は別の話
例えば、こんなケースを考えてみます。
バックアップは毎日実行されています。
ログにもエラーはありません。
ところが、ある日サーバーが故障してしまいました。
そこでバックアップから復元しようとしたところ、
バックアップファイルが破損していた。
保存先のストレージが故障していた。
復元方法が分からなかった。
必要な世代のバックアップが残っていなかった。
このような理由で、思うように復旧できなかったという事例は決して珍しくありません。
バックアップソフトは、
「バックアップジョブが正常終了した」ことは教えてくれます。
しかし、
「そのバックアップから業務が再開できるか」までは
教えてくれないのです。
実際に戻してみることが重要
では、どうすればよいのでしょうか。
答えは意外とシンプルです。
実際に復元してみること。
これに尽きます。
例えば、
ファイルを1つ復元して開いてみる。
仮想マシンを起動してみる。
データベースをリストアしてみる。
NASのバックアップからフォルダーを戻してみる。
実際に試してみることで、
「問題なく戻せる」
という安心を得ることができます。
逆に、
「ここでエラーが出る」
「手順が分からない」ということが分かれば、
本番で困る前に改善できます。
復旧時間も重要
もう一つ見落とされがちなのが、復旧にかかる時間です。
例えば、
バックアップから復元できるとしても、
丸一日かかるのか、
1時間で終わるのかでは、
事業への影響は大きく異なります。
これがDR(Disaster Recovery:災害復旧)の世界でいう
「RTO(目標復旧時間)」という考え方です。
「復旧できる」だけではなく、
「どれくらいの時間で復旧できるか」
も確認しておく必要があります。
担当者しか分からないという問題
もう一つ気になるのは、バックアップや復旧の手順を
担当者一人しか知らないというケースです。
普段は何も問題ありません。
しかし、
その担当者が出張中だったり、
休暇中だったり、
あるいは災害で出社できなかったりした場合はどうでしょうか。
バックアップはある。
でも戻せる人がいない。
これでは、本当の意味での事業継続とは言えません。
だからこそ、
復旧手順を文書化し、
定期的に訓練することもDR/BCPでは重要になります。
「成功」はスタートライン
私は、
「バックアップ成功」という表示を見ると、
「ここからが本番だ」と思います。
バックアップは取得できた。
では、実際に戻せるだろうか。
必要なデータは入っているだろうか。
業務は予定した時間内に再開できるだろうか。
そこまで確認して初めて、
バックアップは
本当の意味で役に立つ仕組みになるのではないでしょうか。
おわりに
バックアップは、取ることが目的ではありません。
目的は、
「必要なときに、必要なデータを、必要な時間内に復旧できること」
です。
バックアップソフトが「成功」と表示したときこそ、
一度立ち止まって考えてみてください。
「もし今、このサーバーが故障したら、本当に元へ戻せるだろうか。」
その問いに自信を持って
「はい」と答えられる状態を維持することこそが、
DR(災害復旧)やBCP(事業継続計画)の
第一歩だと私は考えています。
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ちなみに私の場合ですが
私が以前から
「個人用PCではバックアップを取っている」
というお話はしてきたかと思います。
個人用ですのでサイクルは月に1回と
あまり高頻度ではないのですが。
以前から申し上げておりますとおり、
ファイルが使えなくなるという事態の
一番多い原因は「誤削除」です。
また、アプリを設定しておいたのに、
なぜかその設定が変わってしまっている、
ということも、PCあるあるではないかと思います。
実際、私にも
「やっちゃった!」
「あれ?なんでだ?」
ということはよくあります。
そういうときに、バックアップがある。
これは安心感があります。
ぜひ皆様にもお勧め致します。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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では今日はこの辺で。
