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バックアップ担当者のための戦略的作業手順 その6

皆様、こんにちは。
株式会社カチカのオフサイト&コールドバックアップ業務担当の村島です!
大変長い間更新できず申し訳ありません。
公私ともにいろいろな用事が立て続きまして…。
でもまあ、それを語ってもしょうがないので、いつもどおりの内容にさっさと戻ってまいりましょう。

同じコインを2枚、互いに接する形でテーブル上においたとしよう。一方のコイン(コインB)を、静止しているコイン(コインA)の回りに回転させる。このとき、コイン間のスリップはないものとする。回転したコインは、その中心周りに、1回転ではなく、ちょうど2回転したことになる。それと同時に、コインBの外周上の点は、コインAの外周に、2回ではなく、ちょうど1回だけ接している。これは矛盾しているようだ。

主張1
コインとコインの間が何らかの形でスリップしているか、またはコインBの外周上の点がコインAに1回ではなく2回接触しているに違いない。

主張2
コインBの回転はふたつの運動に分けて考えることができる。そう考えれば、(360°ではなく)720°回転したことの説明がつく。

さて、どちらが正しいでしょう?

さてさて、本題に入って参りましょう。

実践的推奨事項とロードマップ

効果的なバックアップ戦略を設計し、実装するためには、体系的なアプローチと継続的な取り組みが不可欠です。以下に、そのための具体的なステップと推奨事項を詳述します。

データ分類とリスク評価

バックアップ戦略の成功は、組織内のデータを正確に理解し、適切に分類することから始まります。このステップを怠ると、すべてのデータを過剰に保護したり、逆に重要なデータが不十分な保護しか受けられないといった非効率やリスクが生じます。

RTO/RPO要件とデータ感応度に基づく分類

どのようにデータを分類していくのか、それを見てみましょう。思いのほかこの分類作業は難しいものです。

  • 組織内の全データの洗い出しと分類:まず、組織が保有するすべてのデータ資産を洗い出し、その重要度、機密性、法的・規制要件、およびビジネスへの影響度に基づいて分類します。例えば、ミッションクリティカルな業務データ、準クリティカルな業務データ、一般業務データ、長期アーカイブデータといったカテゴリに分けられます。

  • RTO/RPO目標の明確な定義:各データカテゴリについて、許容できるRTO(目標復旧時間)とRPO(目標復旧時点)を明確に定義します。これは、IT部門だけでなく、ビジネス部門の責任者や経営層が連携して行うべき重要なプロセスです。RTO/RPOの定義は、技術的な選択をビジネス価値に結びつけるための「翻訳ツール」としての役割を果たします。例えば、RPOが短いほどバックアップ頻度を高める必要があり、コストも増加するため、ビジネスの許容範囲とコストのバランスを慎重に検討する必要があります。

  • バックアップ戦略の基盤:このデータ分類とRTO/RPOの定義が、どのデータをオンプレミスに、どのデータをクラウドに、どのデータをエアギャップで保護するかを決定する基盤となります。これにより、リソースの効率的な配分と、ビジネスへの影響を最小限に抑えるための戦略的アプローチが可能となります。

多層防御アプローチの構築

データ分類とRTO/RPOの定義に基づいて、各バックアップ手法の強みを活かし、互いの弱点を補完する多層防御アプローチを構築します。これは、各バックアップ手法の「弱点」を他の手法の「強み」で補完する戦略です。

各バックアップ手法の役割分担

  • オンプレミスバックアップ:RTOが極めて短いミッションクリティカルなデータ(例:頻繁に更新されるデータベース、VDI環境)の一次バックアップとして活用します。これにより、高速なローカル復旧を保証し、業務への影響を最小限に抑えます。オンプレミス環境の高速なLAN内転送速度は、大容量データの迅速なバックアップと復元に貢献します。

  • クラウドバックアップ:拡張性、アクセシビリティ、コスト効率を活かし、準クリティカルなデータや、地理的に分散されたオフサイトコピーとして活用します。クラウドは、BCP/DR対策の主要な柱となり、広範囲な災害時でもデータへのアクセスと復旧を可能にします。また、リモートワーク環境や多拠点展開企業にとって、どこからでもデータにアクセスできる利便性は非常に高いです。

  • 物理的エアギャップ&オフサイトバックアップ:ランサムウェアや大規模災害に対する「最後の砦」として、最も重要なデータ(例:復旧に必要なシステムイメージ、長期アーカイブ、法的要件のあるデータ)の究極の保護層として利用します。不変性ストレージと組み合わせることで、データ改ざんリスクを排除し、攻撃者がバックアップに到達することを極めて困難にします。これは、3-2-1-1-0ルールにおける「追加の1」として不可欠な要素です。

ランサムウェア対策としての不変性とエアギャップの統合

ランサムウェアの進化がバックアップデータ自体を標的とするようになったことで、従来の「バックアップがあれば安心」という考え方は通用しなくなりました。この新たな脅威に対応するためには、不変性やエアギャップといった新たな防御層が必須です。

  • 不変性ストレージの積極的導入:バックアップデータがランサムウェアに感染しないよう、不変性ストレージ(クラウドまたはオンプレミス)を積極的に導入します。これにより、一度書き込まれたバックアップデータは、たとえシステムが侵害されても、変更や削除が不可能となり、クリーンな状態を保ちます。

  • 物理的または論理的エアギャップの確保:ネットワークからバックアップデータを隔離する層を設けます。これは、物理的なメディアの切断によるエアギャップ(例:テープのオフライン保管)だけでなく、仮想化技術やネットワークセグメンテーション(VLAN、ファイアウォール)を用いた論理的エアギャップも含まれます。エアギャップと不変性を組み合わせることで、サイバーと物理的脅威の両方に対する防御を強化し、ダウンタイムを削減できるとされています。

継続的なテストと検証

バックアップ戦略は、実際にデータを復旧できることを証明して初めて価値があります。どんなに優れたバックアップシステムを構築しても、それが機能することを証明できなければ、それは単なる「コスト」でしかありません。

バックアップデータの整合性確認と復旧訓練の重要性

  • 定期的な整合性確認:定期的にバックアップデータの整合性を確認し、破損がないことを検証します。これは、自動化されたツールやスクリプトを用いて行うことが推奨されます。

  • 復旧訓練(DR訓練)の実施:年に一度、または重要なシステム変更後に、実際の災害シナリオを想定した復旧訓練(DR訓練)を実施します。これにより、RTO/RPO目標が達成可能であることを確認し、復旧手順の改善点を発見します。訓練を通じて、復旧プロセスにおけるボトルネックや人的ミスの可能性を特定し、手順を洗練させることができます。これは、3-2-1-1-0ルールにおける「0エラー」の原則を実践する上で不可欠です。

  • ソフトウェアとファームウェアの最新化:バックアップインフラストラクチャのソフトウェアとファームウェアを常に最新の状態に保ち、脆弱性を最小限に抑えることも、バックアップの実効性を確保する上で重要です。

運用管理と自動化

複数のバックアップ手法を組み合わせるハイブリッド戦略では、運用管理が複雑になりがちです。この負担を軽減し、バックアップの一貫性と信頼性を高めるためには、自動化と一元管理が不可欠です。

管理負担軽減のためのツールとプロセスの導入

  • 一元管理ツールの導入:複数のバックアップ先やメディアタイプを横断的に管理できるバックアップソフトウェアやプラットフォームを導入することが推奨されます。これにより、バックアップの状況を一元的に監視し、管理負担を軽減できます。

  • バックアッププロセスの自動化:バックアップスケジュールの自動化、進捗確認、アラート通知などの機能を持つソフトウェアを最大限に活用します。これにより、人的ミスを減らし、バックアップの一貫性を確保し、IT担当者が日常的なルーティン作業から解放され、より戦略的な業務や緊急時の対応に集中できるようになります。

  • 一貫した命名規則:バックアップファイルやフォルダに一貫した命名規則を使用することで、管理を容易にし、必要なデータを迅速に特定できるようになります。

ベンダー選定とパートナーシップ

バックアップ戦略が複雑化するにつれて、自社だけで全てを管理することは困難になります。信頼できるベンダーとのパートナーシップは、専門知識の補完、運用負荷の軽減、そして最新のセキュリティ脅威への対応において不可欠です。

信頼性、セキュリティ、サポート体制の評価

  • セキュリティ対策の評価:導入を検討するクラウドバックアップやハイブリッドソリューションのベンダーが提供するセキュリティ対策(データ暗号化、アクセス制御、コンプライアンス準拠、不変性ストレージやエアギャップ機能の有無とその実装方法など)を詳細に評価します。クラウド環境の安全性は、プロバイダの専門知識と脅威インテリジェンスに大きく依存するため、信頼できるベンダーの選定が極めて重要です。

  • SLA(Service Level Agreement)の確認:RTO/RPO目標を達成できるSLAを提供しているかを確認します。特に、復旧時間に関する保証は、ビジネス継続性にとって重要です。

  • サポート体制の評価:障害発生時のサポート体制、技術者の専門性、対応速度などを評価します。緊急時に迅速かつ的確なサポートを受けられるかは、復旧プロセスに大きな影響を与えます。

  • 互換性と統合性:既存のIT環境(オンプレミスシステム、アプリケーション)や将来的な拡張計画との互換性を確認します。シームレスな統合が可能であれば、運用管理の複雑性を低減できます。

ベンダー選定は、単なる機能比較やコスト比較だけでなく、長期的な信頼関係とセキュリティガバナンスの観点から行うべき戦略的な意思決定です。自社にクラウド設定の知識がない場合、バックアップベンダーが提供する専門的なクラウドサービスは特に有効であり 、これは外部パートナーの専門知識を活用することの重要性を示唆しています。

本文章の最終結論

データは現代ビジネスの生命線であり、その保護は単なるITの一機能を超え、経営戦略の中核をなすものとなっています。クラウド、オンプレミス、物理的エアギャップ&オフサイトバックアップを戦略的に組み合わせるハイブリッドアプローチは、多様な脅威とビジネス要件に対応するための最も効果的な手段であることが明らかになりました。この多層的なバックアップ戦略は、単にデータを保護するだけでなく、予期せぬ事態が発生した際に事業を迅速に再開し、継続するための組織のレジリエンスを大幅に強化します。

戦略的バックアップの未来展望

バックアップ戦略は、過去のデータ損失からの「復旧」という受動的な役割から、将来の脅威に対する「予防」と「レジリエンス構築」という能動的な役割へとシフトしています。この進化は、技術的進歩だけでなく、サイバー脅威の性質の変化、特にランサムウェアの台頭によって強く推進されています 。

未来のバックアップ戦略は、以下のような技術と原則をさらに統合していくでしょう。

  • AI/MLを活用した異常検知:バックアップデータやシステムログの異常をリアルタイムで検知し、ランサムウェア攻撃などの脅威を早期に発見する能力が強化されます。

  • 継続的なデータ保護(CDP):データの変更を継続的に記録し、任意の時点への復旧を可能にするCDPは、RPO(目標復旧時点)をほぼゼロに近づけるための重要な技術としてさらに普及するでしょう。

  • ゼロトラスト原則に基づいたアクセス管理:バックアップシステムへのアクセスは、いかなるユーザーやデバイスであっても常に検証されるゼロトラスト原則に基づいて厳格に管理されるようになります。多要素認証(MFA)やロールベースアクセス制御(RBAC)は、その中核をなします。

  • 不変性ストレージとエアギャップのデファクトスタンダード化:ランサムウェア対策の「デファクトスタンダード」として、不変性ストレージと物理的/論理的エアギャップの概念はさらに定着し、あらゆるバックアップ戦略に組み込まれることが期待されます。

企業は常に最新の脅威動向を把握し、バックアップ戦略を適応させていく必要があります。バックアップはもはや単なるコストセンターではなく、ビジネスリスクを軽減し、事業継続性を確保するための戦略的投資として位置づけられるべきです。

組織のレジリエンス強化への貢献

本レポートで提言した多層的なバックアップ戦略は、単にデータを保護するだけでなく、予期せぬ事態が発生した際に事業を迅速に再開し、継続するための組織のレジリエンスを大幅に強化します。これは、顧客からの信頼維持、ブランド価値の保護、そして競争優位性の確保に直結するものです。

最終的には、IT部門とビジネス部門が密接に連携し、データ分類、RTO/RPO目標の設定、そして継続的なテストと改善のサイクルを回すことが、成功への鍵となります。技術的なソリューションの導入だけでなく、組織全体の意識改革と継続的な運用努力が、真に堅牢なデータ保護体制を築き、未来の不確実なビジネス環境において企業が繁栄するための基盤を構築するでしょう。

最後にもう一度確認しますが、まずはRTO/RPOに従ってバックアップすべき情報資産を分類することが大事です。その中で、利用頻度が極めて高いものはオンプレミス、それに準ずるものはクラウド、低いものはオフサイトといった具合に戦略を立てていきます。これはあくまでも一例でして、広い範囲から様々なデバイスでアクセスしたい、というような需要がある場合、利用頻度が極めて高いものはクラウドになるでしょう。弊社は「バックアップの4-2-1ルール」というものを提唱しておりまして、バックアップ専用にもうひとつクラウドを利用することをお勧め致しておりますが、この文章にも書きましたようにデータのサイズが大きくなると通信回線を使ってのリストア・リカバリは現実的ではなくなってきます。そういった場合には、オンプレミスや遠隔地のデータセンターからのリストア・リカバリが検討の俎上に上がってくるかと思います。

オンプレミスや遠隔地のデータセンターに保存しておくべきものは、RTO/RPOの数値がそれぞれあまりシビアではないという特徴がありますので、バックアップ作成時には同じものをふたつ作成するということで構わないものと思われます。ただし、災害など社内システムそのものが大規模に損傷したときに備えてシステムごとバックアップを作成することが肝要です。特に遠隔地のデータセンターに保存しておくものに関してはこれは不可欠と言えるでしょう。

オフサイトバックアップ、リモートバックアップ、遠隔地バックアップなどとも言われますが、つまるところ遠隔地に物理的エアギャップ状態でデータやシステムを保管しておくことのメリットは、情報システムに大規模な損傷があっても、正常に動作していたときに取得しておいたバックアップからリストア・リカバリできることにあります。クラウドバックアップしか行っていなかった、というような場合と比較しますと、物理的にメディアを搬送する時間が必要でも、それでもなお通信回線を通じてクラウドからリストア・リカバリ作業を行うより早いと考えられます。

このように様々なバックアップ方法を概観しますと、それぞれに一長一短という面が強いです。ですので、データを分類し、それぞれにふさわしいバックアップ方法をプライマリとしておき、プライマリが利用不可能な場合はセカンダリ、セカンダリもダメな場合は…と続いていきます。これがハイブリッドバックアップであり、それぞれのバックアップ方法が持つ脆弱性をお互いにかばい合う相互補完性なのです。

弊社はオフサイト・エアギャップのバックアップを代行するサービスを展開致しております。遠隔地にデータセンターを持つことは、多くの企業様にとって簡単なことではありません。弊社をご利用いただければ、自社で1からデータセンターを構築するより簡単に「最後の砦」を築いていただけると考えております。以前にも申し上げましたがお預かりして寝かせておくだけではもったいないというところもございますので、お預かりしている間にこういう作業をして欲しいというご要望には柔軟に対応していきたいと考えております。

また、バックアップ戦略は常に動いております。例えば通信回線に技術革新が起こって大きなデータでも素早く転送することができるようになった、というようなことがあればクラウドのバックアップの優先度は相対的に上がり、対してオンプレミスバックアップは下がるでしょう。常に新しい情報を仕入れ戦略を適宜見直すことも重要です。しかしオフサイト・エアギャップのバックアップを遠隔地のデータセンターに置いておくことが「最後の砦」として機能することは当面変化はないでしょう。ご質問等がございましたら、何なりと下のフォームまたはお電話でお問い合わせください。

というわけでやっぱりやります

AIの限界を探る人物画シリーズです。前回はこんな絵を描いてもらったのでした。

これは誰でしょう?

これは「榎本健一の絵を描いて?」とお願いしたら出てきた出力です。この人のことはご存じの方も多いのじゃないでしょうか。国民的喜劇俳優だった人ですね。私は個人的に小学生のときに道徳の教科書に取り上げられていたのを思い出しますね。脚を切り落とすことになっても義足で喜劇俳優としての活動を続けたということで。
また「洒落男」という歌も有名だと思います。この歌がカヴァー曲だということを私は今回初めて知ってびっくりしたのですが、ご存じの方も多いかも知れませんがこの歌の中である女性を見初めたことが歌われているんですね。その人がいかに魅力的であるかを述べる下りがあるんですが、その最後が「おまけに脚だって太い」なんです。太い脚が魅力的な時代があったってことですね。
ちっちゃいですがWikipediaに写真があります。

榎本健一の写真
(画像はWikipediaより)

AI絵、はっきり言って似てませんね。
ではもう1枚描いてもらいましょう。

これは誰でしょう?

ヒント行きましょうか。

  1. 黒澤明監督の映画には欠かせない存在でした

  2. 東宝ニューフェイスに補欠採用されたという経歴です

  3. 『羅生門』『七人の侍』『用心棒』『赤ひげ』といった映画が有名です

ではまた正解は次回に。
というわけで今日はこれで終わらせていただきたいと思います。また次回もよろしくお願いいたします。
目次へのリンクを張っておきます。

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なお、弊社の業務をご紹介するちゃんとしたWebサイトは現在鋭意作成作業中です。今しばらくお待ちください。
今日もありがとうございました。


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