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事業継続性向上に向けたオフサイトバックアップ戦略 その2

皆様こんにちは。
「その1」からずいぶん間が空いてしまいましたが、今日はその2をお届けしたいと思います。
一応、今回以降が本編というご認識をいただきたいと思います。

オフサイト拠点の主要構築モデルと特性

オフサイト拠点の構築には、主に「クラウドサービス」「データセンター・コロケーション」「自社所有・運営」の3つのモデルが存在します。それぞれのモデルは、初期費用、運用負担、柔軟性、そしてリスク対応能力において異なる特性を持ち、企業の規模や事業特性に応じて最適な選択肢を検討する必要があります。

モデル1:クラウドサービス(DRaaS, IaaS, SaaS)

クラウドサービスを利用するモデルは、AWSやAzureといったベンダーが提供する仮想サーバーやストレージをインターネット経由で活用するものです。このモデルは、特に初期投資を抑えたい企業にとって魅力的な選択肢となります。

  • 長所:

    • 低コストと高いスケーラビリティ: 物理的なサーバー機器を購入する必要がなく、初期費用が不要あるいは非常に安価です。使用した分だけ課金される従量課金制や、契約プランの変更で容量を柔軟に拡張・縮小できるため、ビジネスの成長やデータの増加に効率的に対応できます。

    • 運用管理の手間削減: サーバーやインフラの保守管理はサービス提供者が行うため、自社の運用負担を大幅に軽減できます。また、地理的に離れた場所にあるデータセンターを利用できるため、BCP対策としても有効です。

    • 多様な働き方への対応:インターネット接続環境があれば、どこからでもデータにアクセスできるため、災害時だけでなく、日常のテレワークやリモート業務を円滑に実施することが可能です。

  • 短所:

    • インターネットへの依存:バックアップやデータ復旧の速度は、利用するインターネット回線の帯域幅に依存します。災害時に通信網が不安定になると、アクセスが困難になるリスクがあります。

    • セキュリティとカスタマイズ性の課題:データは外部のサーバーに保管されるため、情報漏洩や不正アクセスのリスクを完全に排除することはできません。また、既存システムとの統合やインターフェースの変更など、独自のカスタマイズが難しい場合があります。

  • 費用感:個人向けサービスでは、数ギガバイトの容量であれば無料で利用できるものが多く、数百円から数千円でテラバイト単位の容量を確保できます。企業向けサービスであるDRaaS(Disaster Recovery as a Service)では、より高度な機能とサポートが提供され、ソースサーバーあたりの時間料金などで課金されるのが一般的です。

モデル2:データセンター・コロケーション

データセンター・コロケーションは、企業が所有するサーバー機器を、専門のデータセンター施設に設置・運用するモデルです。このモデルは、自社の運用自由度と堅牢なインフラを両立させたい場合に適しています。

  • 長所:

    • 高い運用自由度と堅牢なインフラ:自社の要件に合わせてサーバーや機器を自由に設計・構成できるため、既存システムとの連携や独自の運用管理が可能です。データセンターは、厳重な入退室管理、生体認証などの物理的セキュリティ、大容量の電源供給、冷却設備、消火設備を備えており、災害リスクを大幅に軽減できます。

    • 物理的分散によるリスク回避:本社から地理的に離れた場所に拠点を設けることで、広域災害による同時被災のリスクを回避できます。

  • 短所:

    • 大きな初期投資と運用負担:サーバー機器の購入や設置、データセンターへの輸送など、初期費用が大きくかかります。また、機器の運用・保守は自社で行うのが基本であり、専門知識と人員が必要となります。

  • 費用感:コロケーションの費用は、初期費用と月額費用に分かれます。月額費用は、ラック使用料、電力料金、回線使用料など複数の項目で構成されます。初期費用は無料〜10万円程度、ラック使用料は月額60,000円〜数百千円が相場とされていますが、回線使用料は帯域幅によって大きく変動し、全体のコストに大きな影響を与えます。

モデル3:自社所有・運営のオフサイト拠点

自社所有・運営のオフサイト拠点は、企業が独自のサーバー室やデータセンターを本社とは別の場所に構築し、完全に自社で運用するモデルです。このモデルは、大規模な投資が可能であり、かつ最大限の制御性を求めるごく一部の企業に限定されます。

  • 長所:

    • 完全な制御とセキュリティ:サーバーの設計から運用、セキュリティ対策まですべてを自社でコントロールできるため、外部の制約を受けることなく、最高のセキュリティと可用性を追求できます。

  • 短所:

    • 莫大なコストと負担:施設建設や機器導入にかかる初期費用、そして電気代、施設費、人件費といった維持管理費用が莫大になります。特に機器費用はデータセンターコスト全体の約55%を占めるとされ、大きな財政負担となります。

    • 専門人材の確保:運用管理には、ネットワーク、ストレージ、セキュリティなど、多岐にわたる専門知識を持つ人材が不可欠ですが、その確保は非常に困難です。

主要モデル比較表

以下の表は、前述の3つのモデルを多角的な視点から比較したものです。

今日はここまでと致します

思ったより長い文章になってしまいましたので、今日はここまでとしたいと思います。

ひとつ申し上げておかなければいけないと思うことなんですが、この文章はオフサイトバックアップを「利用できる状態」で持つことを前提としています。

弊社ではあくまでもバックアップをオフサイト・エアギャップで「通電しない・機器に接続もしない」状態で扱っております。これこそが、最後の最後に頼れる防衛線ということになるという考え方からです。

ではなぜオフサイトバックアップを「利用できる状態」で設けることについての話をしているかということなんですが、率直に言いまして類例がないんです。ですので資料をあさってもどこにもないんですね。オフサイト・エアギャップで遠隔地に置いておくという業務をそのまま行なっている他社様はどうしても見つかりません。ですので、比較対象としてクラウドサービスやデータセンター・コロケーションや自社所有・運営を持ってくるしかありません。

しかしそもそもなぜ遠隔地にバックアップを置くかということは、オンプレミスでバックアップを管理することができなくなった場合の保健であるはずです。クラウドサービスを利用するに当たり、当初の目的はバックアップを保管することだったはずです。しかし、クラウドサービスがあまりに便利になったために、本来の「離れた場所にバックアップを置くことによって保険をかける」という意義が忘れ去られているように思います。

その一方で、クラウドサービスの便利さはもはや企業運営に欠かせないものとなっていることも認めざるを得ません。というわけで、弊社としてはバックアップの4-2-1ルールというのを提唱しておりまして、日常の業務で使うクラウドとバックアップ専用のクラウドを双方利用するということを重要なこととしてアピールしております。

さらにその上で、オンプレミスバックアップも置いておく、そして完全オフサイト・エアギャップバックアップを弊社にお任せいただく、これによってそれぞれのバックアップ方法の得意分野が上手く融合したバックアップ戦略が実現できるということを繰り返し述べております。

なお、上記の表の中で「法的リスク」という項目がありますが、これは何かというとデータを置いてある物理的な場所がどこかわからないというリスクをクラウドサービスは受け容れなければならないということです。EUに多いのですが、特定のデータをエリア内に持ち出してはいけないという法律がある場合があります。ですがクラウドサービスは利用者がどの拠点にデータを置くのか指定できないのが普通ですから、知らないうちに法律違反を犯してしまうリスクがある、ということがあります。こういうのが典型例ですが、クラウドは「物理的にどこの記録媒体に記録されているのかわからない」という、よく考えたら結構怖いリスクがあります。このあたりについても、弊社をご利用いただくに当たり有利なポイントとしてお考えいただければ幸いです。

では今日はこれぐらいにしたいと思います。だいたい3000文字です。今日は上手いこと目標値に近づいたなと思います。

目次にリンク張っておきますので過去記事もぜひご覧下さい。

他の記事もよろしければご覧ください。
なお、弊社の業務をご紹介するちゃんとしたWebサイトは現在本当に頑張って作成作業中です。今しばらくお待ちください。
今日もありがとうございました。

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