メタバースで広がる未来の医療:中高生向けサマースクール講義レポート
はじめに
8月17日、中高生を対象としたサマースクールの一環として、メタバース「cluster」を舞台にした特別講義が開催されました。このイベントは、医療に関心ある学生に向けた「学問探求」のための企画です。今回は講義の様子と要点を、記事にまとめました!
一般参加者も聴講可能な公開講座であり、講義内容はYoutube配信としても全編無料公開されています
講師は「バーチャル美少女ねむ」、「うぇあ@医療メタバースエバンジェリスト」、「三重大学:百崎 良 」の3名が担当しています。

メタバースの概要から、医療への応用、社会への実装へと展開していく講義に、多くの注目が集まりました。
【出演告知】8/17(土) 13:30~
— バーチャル美少女ねむ/Nem⚡8/28 岩波書店『VTuber学 (共著)』発売! (@nemchan_nel) July 28, 2024
三重大学リハビリテーション医学百崎良教授の中高生向けセミナー #メタバースが拓くデジタルヘルスケアの可能性 に出演させて頂きます! 誰でも参加可能なclusterイベントなのでぜひ♪
メタバースが拓くデジタルヘルスケアの可能性https://t.co/sU2YlhWj1K pic.twitter.com/VKKXIPyecC
「メタバースは現代の【どこでもドア】」:バーチャル美少女ねむ
トップバッターを務めたのは、メタバース文化エバンジェリストであり、ビジネス書大賞となった「メタバース進化論」の著者「バーチャル美少女ねむ」さん。
「メタバース進化論: ソーシャルVRライフスタイル調査2023の最新データから見る、仮想現実で生じる感覚とコミュニケーションの変化について」というテーマで
■メタバースの概略
■アイデンティティー
■アバターコミュニケーション
■ファントムセンス
について1時間の講義を行いました。

始めて触れる「メタバース」の世界に、学生たちは興味津々でした。現実の制約を超越し、何にでもなれる仮想世界において「自分はどう在りたいのか?」を問いかけるような講義でした。
データに基づきながら、メタバース住民としての観点や、独自の知見も含めた講義であり聴衆の満足度も高まりました。


「未来を創るためには、夢を語り続けること」:うぇあ
イベントの中盤は医療メタバースのエバンジェリストであり、clusterで行われた大型医療系イベント「メタバース医学会」を手掛けた「うぇあ」として私が担当しました。

ここでは進学や勉強、友人関係などの悩みを抱える若者に向け、メタバースを活用した医療の可能性を伝えることを目的として講義内容を行いました。
近年、メタバースはエンターテイメントやゲームの枠を超え、医療分野でも活用が進んでいます。今回の講義では、メタバースが医療の未来にどのように影響を与えるか、その課題は何かについても議論が行われました。

今回は医療メタバースの啓蒙者として、医療従事者が仮想空間でユーザーと直接対話し、健康に関するアドバイスを提供する場として機能しているものを中心に3つの事例を紹介しました。
【具体的な取り組み事例】
①VR医療相談集会について
この集会では、医師や看護師、薬剤師、理学療法士などの医療従事者が、仮想空間内で参加者の健康に関する相談に応じます。特定のテーマに焦点を当てた回もあり、例えばメンタルヘルスに特化した相談会などが行われています。この集会は、同じ悩みを持つ人々が集まり、コミュニティを形成する場としても重要です。参加者からは「お医者さんと気軽に話せるのは初めて」「同じ悩みを持つ人と出会えて安心した」など、非常に好評な声が寄せられています



②遠隔運動グループについて
次に紹介したのは、プロのダンサーと医療者が協力して実施する「遠隔運動グループ」です。これは、医療者監修のもと、ダンスフィットネスのセッションを仮想空間内で行う取り組みです。参加者は、自宅にいながらプロの指導を受けることができ、物理的な制約を受けずに健康を維持できる環境が提供されます。

仮想空間でのトレーニングは、運動好意度や活力の向上に効果があるとされており、参加者からは「アバターを通じて参加することで、対面での運動よりも気軽に参加できる」といったポジティブなフィードバックが得られています。

③市民公開講座について
最後に紹介したのは、バーチャルリハビリテーション栄養学会のポストコングレスセミナーです。三重大学の百崎教授を中心に、600名以上の聴者が集まりました。この講座では、リハビリ栄養学に関する最新の知識が共有されるとともに、一般の方も参加できる形で開催されました。

講座に参加した人は、「仮想空間でのセミナーは、移動の手間がなく便利」「ディスカッションの時間に、他の参加者と積極的に意見交換ができ、新しい視点を得ることができた」とその利便性を高く評価しています。
また学術的にも評価されており、月刊新医療やProg Reha.Medにも論文が掲載されています。

メタバースを活用した医療には多くの可能性がある一方で、まだまだ課題も存在します。例えば、技術的な課題や法的・倫理的な問題、コストの面での課題が挙げられます。特に、メタバース医療の最大の課題は「コスト面」です。運営費やシステム改善費、スタッフの教育コストなど、長期的な運用には多くのリソースが必要となります。これが「社会実装」を阻害する大きな要因だと私は考えています。

しかし、それらの課題を克服することで、メタバース医療は未来の医療の形を大きく変える可能性があります。
「この技術がもたらす可能性を最大限に引き出し、医療の歴史に新たな一歩を踏み出すためには、若者の力が必要だ」と強調し、学生に向けて未来への挑戦を呼びかけさせて頂きました。

医療に「メタバース」という選択肢を:百崎 良
イベントの終盤は三重大学リハビリテーション科の百崎教授より、メタバース住民の健康管理に関する取り組みと「実証から実装へ」の提言を行っています。
講義は医師の役割やリハビリテーション医の不足を踏まえ、メタバース等オンラインネットワークを利用した効果的なアウトリーチについて紹介されています。
また、VR技術の応用例やプロテウス効果を利用した研究が進行中であり、、メタバースの特性を利用した身体活動を増加させるための戦略についても知る事が出来ます。

遠隔での介入が可能なメタバースは、多くの人々に効率的に健康支援を行う手段として期待されています。日本人は特に座位時間も長く、引き続きメタバースを用いた不健康習慣に対する効果的な介入と研究が必要とされています。
医療メタバースは進歩を続けており、現在では特に「実証から実装」の段階移行にノウハウ不足などの課題があります。
メタバース内での身体活動支援を組み込む際の阻害因子を特定し、実装戦略の策定と効果測定を進めているため、百崎教授の動向に目が離せません。


まとめ
メタバースは国や地域を超えて、電子の世界で「肌と肌が触れ合う感覚」を得られる、まさに未来の医療の象徴ともいえる存在です。
この講義を通じて、中高生たちはメタバース医療の挑戦と未来について深く考える機会を得ました。これで終わりではなく、むしろここからが始まりとなります。未来を創るためには歩みを止めず、夢を語り続けることが大切です。

この技術がもたらす可能性を信じ、医療の歴史に新たな一歩を踏み出すために、私たちは協力し続けなければなりません。
この講義を通じて、メタバース医療の可能性と課題について理解を深め、共に未来を創る一歩を踏み出していただける「仲間」が出来ることを心から願っています。

「参加者の感想」
ねむちゃんのイベント登壇見てる~😆
— 包帯少女makoちゃん🤕VTuber&Vゲームクリエイター (@withmako) August 17, 2024
アバターは個性やアイデンティティが現れるものだけど、一方で医療従事者の方に「メタバースでまで白衣とか着たくない!」ってツッコまれてて面白かったですw(*´艸`*)
メタバースが拓くデジタルヘルスケアの可能性 https://t.co/hVEF5zcASe
少し前にVRCの動画がバズって新規がVRCに大量流入したみたいなので、利用者の分布はまた変わりそう🤔
— ニンニン猫 (@YamaMe65Me) August 17, 2024
講義や発表は5%しか頭に入らず、相槌などで理解が深まるそうなので、ピューイや拍手しやすいclusterは相性いいかもですね!!
メタバースが拓くデジタルヘルスケアの可能性 #ヘルスケア #cluster pic.twitter.com/fTlinEGSK8
「医療✕メタバース」の最新事例や取り組み、未来の可能性までしっかり学べる素敵なイベントでしたね! 私も勉強になりました。ご来場&ご視聴ありがとうございました~!!!(≧∇≦)/#メタバースが拓くデジタルヘルスケアの可能性 https://t.co/eNhUuKYnaM pic.twitter.com/5JDS9TFsXM
— バーチャル美少女ねむ/Nem⚡8/28 岩波書店『VTuber学 (共著)』発売! (@nemchan_nel) August 17, 2024
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