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物語はトラブルによって進む(ショート・ショート)

二人は金曜ロードショーを見終えると、
ワインを片手に、チーズをつまみながら
静かに感想を語り合っていた。

「ちょっと説明的すぎるのよねぇ。
悪くはないんだけど。
クイちゃんはどう思う?」

「確かに少し退屈だった。
でもユッコならこの映画、どう直す?」

「第1に説明を減らす。第2にトラブルを投げ入れる。」

「トラブルを投げ入れる?」

「主人公が次々トラブルに巻き込まれることで、
物語は進んでいくの。 だから…」

そのとき、インターフォンが家の中に鋭く鳴り響いた。

ピンポーン、ピンポーン……。

ピンポーン、ピンポーン……。

夜の静寂が破られる。

「こんな時間に?」

ユッコとクイちゃんは顔を見合わせた。

「宅配便とか、聞いてないけど。」

インターフォンのモニターを覗くと、
一人の少年が映っている。

クイちゃんが恐る恐る声をかけた。

「どちら様ですか?」

「夜分にすみません。助けてもらえませんか?
道に迷ってしまいました。」

「ちょっとそこで待っててね。」

「わかりました。」

子どもにしては、しっかりした言葉遣いだ。
大人びている。

しかし、ここは隣の家まで300mはある田舎の一軒家。
こんな夜更けに少年が一人。

クイちゃんもユッコも表情が硬い。

「おかしいわよね?」

「おかしい。」

二人は玄関へ向かい、
身構えながらゆっくりと扉を開けた。

室内に夜の冷たい空気が流れ込んでくる。

ところが、外には誰もいなかった。

眼の前には、深い夜の闇が広がっている。
聞こえてくるのは、アマガエルの鳴き声だけだった。

ついさっきモニターに映っていた少年はどこへ消えたのか?
二人は思わず顔を見合わせた。

「クイちゃん、懐中電灯持ってきて。」

「わかった。ちょっと待ってて。」

その瞬間、二人はまばゆい光に包まれた。
続いて、空を裂く雷鳴。

ドーン。ゴロゴロゴロゴロ……。

ユッコの腕に、冷たい雨粒が一滴落ちる。

二人の表情が思わず引きつる。

「金曜ロードショーより、ずっとスリリングなんだけど。」

「あたしたち、トラブルに巻き込まれてる?」

「物語が展開してるのは間違いないわね。
でも結末がハッピーエンドとは限らないから、気は抜けない。
まあ、作者の性格しだいね。」

「でも、雨がひどくなる前にあの男の子を探さないと。」

「そうね。」

それから二人は懐中電灯を手に、
闇を切り裂きながら歩き出す。

やがて二人の姿は、夜の闇に溶けていった。

このあと、 二人の物語がどうなるのかは、
誰も知らない。

つづく・・・



■お詫び

金曜夜、出張から帰ってきて、
土曜日は疲れからずっと寝ていました。

ユッコ、クイちゃんシリーズ、
書きかけで公開いたします。
続きはまたいつかということで。

作者は性格がいいので、
きっとハッピーエンドにするはずです。

そして皆様の記事へは、
日曜日お昼以降に伺う予定です。
(返信等も)

お疲れ気味のため、ご容赦くださいませ。

追伸、以下は面白かったです。
880円は、ちょっと高いですが、
読むと「伏線」についての理解が
進むかもしれません。

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お疲れカツカレー チップをいただけるような素敵な雑記が書けたらなぁ~(遠い目)。