「カルトワイン」を飲んでみた
「カルトワインって、濃くて高いワインなんでしょ?」
好事家が昔のイメージに引きずられることは仕方のないことだが、専門家の間でもこうした誤解が後を絶たないのは、Napaの今を適切にアップデートする機会に乏しいからだろう。
とはいえ、カリフォルニアですらカルトワイン・ブームが下火になり、日本でも名前を聞くことが珍しくなってきた昨今、知識のアップデートの機会が少ないのは事実だ。
だったら飲んでみましょうということで、文字通り「Cult」ワインを入手してみた。
Beau VigneはNapaに拠点を構える中堅の生産者で、ワインメーカーに最近話題のJulien Fayard氏を起用している。
Julien氏はBordeauxのかのLafite RothschildやSmith Haut Laffiteでの修業を経て2006年にNapaに移住し、Philippe Melka氏の元で修行したという。Azur, Purlieu, Patel, Sireといったプレミアム・ワイナリーでも辣腕を振るった他、自身のプライベート・レーベルであるJF winesでは、YountvilleのSleeping Lady Vineyardの果実を使ったカベルネ・ソーヴィニヨンがVinous誌で100ptsを取ったこともある。近年、話題に上がる機会の多い生産者だ。
黒系を中心に赤や紫の果実が香る。シダーや若干の薬草感もあり、王道のカベルネという味わいだ。しかし、酸が強く、充実した果実味を感じさせながら重さは感じられず、むしろ洗練された印象がある。あまり複雑に考えずに素直に飲んで楽しめるワインではあるものの、デイリーワインというには高級すぎる味わいだ。ワインに詳しくない人や、Napaの一端を垣間見たい人に飲んでもらうときっと喜んでもらえるだろう。
日本でこうしたワインが流行るか?と言われれば、ひっそりと棚の奥に鎮座する運命を辿るだろう。カルトワインの名に恥じない扱いとはなるまい。しかし、知識のアップデートも兼ねるなら飲んでみる価値はあると思う。
本日のワイン:
Beau Vigne Cult Cabernet Sauvignon 2021
93pts
https://beauvigne.com


