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6人の会社に新卒入社。編集者兼週末音楽家が振り返る、数奇な出会いと成長の日々

「Campのみなさんは偏愛がスゴいですねぇ!」

クライアントさんからそう言われると思わずニマニマしてしまうのは、Campが「偏愛が世の中に寛容をつくる」をミッションに掲げているから。

ちょっぴりニッチ、ときにマイナスなイメージを持たれるようなものにさえ愛情をもってコンテンツをつくり、社会を寛容にする——2017年の創業以来、わたしたちがずっと取り組んできたことです。

そんなCampが広げる天幕の内側には、どんなメンバーがいるのか。メンバー紹介note3本目となる今回は、ディレクター・編集者の須藤翔さんにインタビューを実施しました。

須藤さんは、Campの新卒第1号。入社した2020年からいまに至るまで、代表の横田と二人三脚でコンテンツの企画・編集に取り組んできました。そして、彼は編集者であると同時にギターを奏でるミュージシャンでもあり、まさにCampの「偏愛」を体現するような人なんです。

7年間、須藤さんはどんなふうにCampで過ごしてきたのか。そして、どのように偏愛を楽しんでいるか。代表との数奇な出会いから音楽のこと、仕事の失敗や成功、今後目指す編集者の姿まで、同じくCampのディレクター・編集者の玉川が話を聞きました。

須藤 翔(すどう しょう)
編集者、ライター、ディレクター。大学卒業後、2020年にCampに入社。ユニットでの活動、シンガーソングライター・小田晃生のサポートなど細々と音楽活動も続ける。たべものと音楽が好き。間借りで小規模な飲食店ができる場所を探している。

代表と2人で「Campの編集」を担ってきた


—私(聞き手・玉川)が中途で入社する前から、Campといえば須藤さんと代表の横田さんのイメージがありました。

Campの右腕は僕じゃなくて取締役の新田さんですけどね。でもたしかに、新卒で入社してから6年間、クリエイティブや編集領域のお仕事は横田さんとふたりでやってきたので……。「Campの編集」といえば、僕たちを思い浮かべる人が多いのかもしれません。

—須藤さんと横田さんって、新田さんとはまたちがう不思議なバディ感がありますよね。静かでゆるやかな師弟関係にあるのに、なぜか他の人が間に割って入れないような結びつきを感じる。どんな風に醸成されたんだろう、とずっと気になっていて。

それ、横田さんから聞いてこいって言われた?(笑)。

—なんにも言われてないですよ! でも須藤さんが新卒入社した頃って、まだ創業してまもないころですよね?

僕が7人目の社員だったかな。

—なんでまた、新卒で小さなクリエイティブ企業に……?

ちょっと長くなるけどいいですか?

—もちろん。それをじっくり聞くために今日は来ましたから。

よし。

「カルチャーモンスター」に憧れてものづくりの裏方に


横田さんとの出会いは、学生時代の友だちがきっかけなんですよ。あるとき、友だちが「西荻窪にいい喫茶店がある」とおすすめしてくれたんです。それが、当時横田さんがマスターをしていた「喫茶WANDERUNG (以下、ワンデルング)」でした。

ワンデルングは惜しまれれつつも2020年4月に閉店。日替わりマスターが夜だけ営業するすこし変わった喫茶店だった
アルバイト時代の須藤さん(写真左)と、オーナーでCamp代表の横田さん(写真右)

—最初は店主とお客の関係だったんですね。

「おすすめされた」と言っても、存在だけ知っているくらいで行ったことはなかったんです。でもしばらくしたら、その友だちがワンデルングでアルバイトを始めることになって。そのとき急に「俺、人と話すのが苦手だから、須藤に『しゃべり』をお願いしたい」と言われたんですよ。「しゃべり」っていったい? と不思議に思いながらも、一度横田さんと話してほしいとのことだったので、お店に向かったんですね。

それで、いざ横田さんと初めて会ったら、挨拶もそこそこに「うちで働きたいの?」と言われちゃって。どうやら友だちが先に「須藤も働きたいらしい」と伝えていたみたいなんです。もちろん興味はありましたが、そのまま軽い面接がスタートしたので驚きましたね(笑)。

でも正直、お話しながら「おもしろくなりそう」とワクワクしたんですよね。実際、その予感は当たってましたし。

—どんなふうに「予感が当たった」んですか?

横田さんは昔、音楽レーベルにいたこともあって、音楽家のMVを撮ったりライブの企画をしたりと、マネージャーのような仕事もしていたらしくて。そのときに担当していたミュージシャンのひとりが、小田晃生というシンガーソングライター。小田さんは僕が小さいころにギターを習っていた先生だったから、実は11歳のころに出会っていたことが後に発覚して。まさかこんな偶然が! とびっくりしました。

音楽のマネージャーをやりながら、マスターとして喫茶店に立って、店の片隅で編集や原稿の執筆もしている。当時大学生だった僕から見たら、横田さんはまさに「カルチャーモンスター」でした。ちょうどおもしろい大人に憧れていた時期だったから、店に立つこともどんどん楽しくなっていきました。

—そこからCampに新卒入社した須藤さんですが、横田さんいわく「3回入社を断ったのに食い下がってきた」とか。

それはねぇ、認識に相違がありますよ! 就活のときに「Web制作やメディア運営をやってみたいんです」とたくさん相談させていただきましたが、僕から最初に「入れてほしい」とは言ってない気が……(笑)。

でも、横田さんを見て「僕もこういうことがしたい」って思ったのは事実で。プレイヤーではなく、裏方としてさまざまなジャンルの作家さんを支えながらお金を生みだそうとしている人は、当時僕の周りには横田さんしかいなかったから。リコーダー奏者である親やまわりのアーティストたちを見て、業界の厳しさを知っていたぶん、自分は横田さんみたいな関わり方のほうが合っているような気がしたんです。

—それで、Campの門を何度も叩いた。

うん、だから最初は横田さんが誘ってくれたんですよ。そのあとに僕からあらためて「Campに入りたい」って伝えました。横田さん、僕の入社エピソードに関しては年々話を盛るからなあ(笑)。

右も左もわからなかった僕を、先輩たちが育ててくれた


—小さな会社の新卒第1号、大変だったのでは?

入社当時はコロナ禍だったし、きつかったですね。昔からそうなんですけど、僕はオンラインコミュニケーションが苦手で……。直接会わないと、相手の感情がうまくつかめないことがあるんです。それに慣れるまではすごくつらかった。

でも、そんな僕を見かねて、当時のディレクターの先輩たちが「須藤に仕事を教えるプロジェクト」を立ち上げてくださったんですよ。毎朝タスク確認をして、メールの送り方から文章の添削、スケジュールの引き方まで、社会人の基礎を教わりました。

—そのプロジェクト中で、特に口酸っぱく指摘されたことはありますか?

「仮説を立てよう」とは何回も言われましたね。質問の仕方ひとつとっても、「これどうしたらいいですか」というオープンクエスチョンではなく、自分のなかの仮説をもとに「こういうふうに進めようと思うんですけど、いいですか」と聞く。クライアントとの合意形成のためには、クローズドクエスチョンをうまく使うことがたいせつなんだなって。

—なるほど。Camp社内の人だけでなく、外部パートナーのみなさんから教わることもありそうですよね。

まさに。僕は協力会社に出向もしてましたから。当時は代表の平藤さんがひとりでやっていた、株式会社MULTiPLEというWeb制作の会社に毎週木曜日だけ通っていたんです。そこで任された作業のなかで、Webディレクションの技術を体得していきました。

—なかには失敗した経験も……?

もちろんあります。たしか2年目か3年目のころかな。ギリギリのスケジュールと仕事に慣れてきた慢心ゆえの出来事でしたが、本来行うべき社内の確認を飛ばした状態で、クライアントに原稿を提出したことがあるんです。すると案の定、大量の赤字が戻ってきて、結果それが原因で仕事を打ち切られてしまいました。

横田さんからは「仕事がなくなったことはきっかけでしかない。世の中に出すクオリティを担保できず、まだ自分ひとりで責任もとれないのに提出したことが問題。なんで確認を飛ばしたの?」って叱られました。あとは、記事に入れる写真の準備が間に合わなくて、休日に小田原まで自分で撮りに行ったり……。

—ほろ苦い思い出ですね。そんな須藤さんも、いまは一人前のディレクターです。印象に残っている案件はありますか?

CINRAの元編集長・柏井さんが独立して立ち上げたメディア「NiEW」のサイト制作かな。いまからちょうど3年前のお仕事です。

「尖ったサイトでありながら、昔のカルチャーやインターネット文化もたいせつにしたい」という要望があったので、草案をもとに僕がサイトのワイヤーフレームを引いて、横田さんからフィードバックをもらって。当時フリーランスのデザイナーだった、現Camp取締役の植木さんに相談したり、技術面でいつもお世話になっているエンジニアの林田さんにご協力いただいて、みんなで「あーでもない、こーでもない」と議論しながらつくりました。ここまで大規模なサイトの構成を緻密に考えていくのも初めてだったなあ。

サイト内で音楽やPodcastを聴けるように実装したんですが、結果としてWebデザインの参考サイトに掲載されたときはうれしかったですね。僕も成長したんだな、と実感しました。

CampはカルチャーメディアNiEWの立ち上げ、サイト制作を担当

編集も音楽も。変化を楽しみながら専門性を広げていきたい


—ところで須藤さん、週末は音楽家になるそうですね。

音楽家と言われると恐れ多いです……! でもたしかに、多いときは毎週末のようにライブに出てたこともありました。いまは、かつてギターの先生だった小田晃生さんのバンドやユニットのギタリストとしても活動しています。

—須藤さん自身はどんな音楽をやるんですか?

基本的にサポートや伴奏でしか演奏をしないので、そのときによっていろいろです。大学時代、一緒に音楽をしていた友人とふたりでアメリカのフォークやボサノヴァをカバーしたり、オリジナルで歌をつくったりしています。

—いまの須藤さんにとって、音楽活動はやはりリフレッシュ目的ですか?

いや、たとえまだ趣味の領域でも演奏はたいへんですよ……というのは半分冗談。好きな音楽を演奏できるのはやっぱり楽しいしリフレッシュになります。でもやっぱり、人に聞いてもらうための演奏である以上「ただ楽しむだけ」というわけにはいかないんですよね。人のためと自分のため。そのバランスを探りながら長く向き合っていきたいと思っています。

—本業はどうです? 編集者・ディレクターとして、これからやってみたいことはありますか。

大前提、社員としてCampにいる「お得ポイント」って、つくるものに縛られないことだと思うんですよ。WEB記事もあれば、紙媒体もイベントもある。つくるものが幅広いと、媒体の特徴をつかんだり、都度リサーチが必要になったりするけど、いろいろつくれるのはCampならではだし、強みでもあると思います。職域的に編集も、ディレクション領域も担当しますし。そして、編集者やディレクターとしてこれから求められる能力にも、同じことが言えると思っていて。

—と言いますと?

僕自身、これからはテキストだけじゃなく、漫画なりPodcastなり、編集できる対象をどんどん増やしていきたいんですよね。というか、いまはAIの進化がすごいから、「広義の編集者」にならないと、とくに僕たちみたいな若いディレクターは生き残っていけないんじゃないかと。

—それは私も常に考えてます。コンテンツ業界を取り巻く環境がどんどん変化していますよね。

Camp自体も、AIにはできない価値を模索している最中ですし、組織として強くなろうとしていると思います。僕の入社当時から比べると、かなり“会社然”としてきました。出退勤の管理も効率化されてきて、いまではSlack上で「in/out」と記入するだけで勤怠管理ができるようになった。きっとこの1、2年でさらに変化するんでしょうね。

—今後のお楽しみですね。最後に、須藤さんが近ごろのCampの変化をどのように見ているか教えてください。

ポジティブに捉えてますよ。会社で扱う案件も、もっと広がっていくだろうなと。

ただ、前みたいにのんびりとした雰囲気も好きですね。僕、なにより大ざっぱなんですよ。逆に横田さんは超真面目。彼は自身のことを「だらしない」ってよく言いますけど、僕からすればぜんぜんそんなことない(笑)。苦手なこともあるけれど、偏愛は活かしつつ業務の専門性はより柔軟に広げて、仕事も音楽も楽しんでいきたいと思います。

【編集後記】

「横田さんって、須藤さんへの愛があふれてますよね」
取材終わりに私がそう言うと、「だよねぇ」と即答した須藤さん。照れるわけでも謙遜するわけでもない、そのさらりとした姿にはちょっぴり羨ましいような気さえしました。上下関係をとびこえ、人と人としての付き合いのなかで育まれた互いへの信頼ゆえの発言なのだろうな。私は私で引き続き、社内でふたりの関係をそっと見守りつつ、ディレクション領域にも手を伸ばしていけたらと思います。

須藤さん、ありがとうございました!

クレジット:
取材・執筆:玉川玲央奈
撮影:Re!na
編集:石澤萌、横田大
デザイン:植木駿、山下舞
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業務拡大中につき、Campでは現在以下の職種で仲間を大募集中です!

・制作ディレクター、編集者 
※いずれか2年以上の実務経験者
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いまある「正社員」という枠にとらわれず、
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ご興味をもっていただけた方はコンタクトからお気軽にご連絡ください。
お話しできる機会を心待ちにしております。

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