宙組博多座公演『愛するには短すぎる』感想~生きて結ばれない恋は残酷~
宙組の博多座公演に行ってきたので、感想です。
お芝居『愛するには短すぎる』の感想から。
正塚先生の作で、原案は小林公平氏。
正塚芝居、私はあまり好きではない、、、、。
話が複雑な上に、舞台が暗いことが多いから。
愛短は今まで4回上演されており、今回が5回目の再演です。
人気がある演目ってことなんですかね?
私は初めて観たので、素直な感想を記したいと思います!
ストーリー
大西洋を横断しニューヨークへと向かう豪華客船を舞台に、4日間という限られた時間の中で生まれた束の間の恋の純粋さと狂おしさを、切なく美しく描き出した物語。
時代は20世紀初頭??
劇中に、タイタニック号の事故を示唆するようなセリフがあったので、タイタニックよりは後の時代ですよね。
船の上だけで、繰り広げられるストーリー。
フレッド(桜木)、バーバラ(春乃)、アンソニー(水美)を中心に乗客それぞれのストーリーや、事件が交錯していて、設定としては面白いと思います。
2日間で3回観ましたが、人が死ぬとか悲惨な事件は起こらないので、連続で観てもダメージは少ない作品です。
ハッピーエンドではないけど、全ツ向きの作品ではあるのかな。
配役
全員乗客か乗員の設定です。
役が少ないと言われていますが、役が少ないというよりは、メインキャスト3人の場面が多いから、周りのキャストにあまりフォーカスが当たっていないという言い方が正しい気がします。
とはいえ、短いながらもそれぞれ見せ場はあったかなと思いますし、下級生にもセリフが多かったので、演目としては悪くないのでは?と思いました。
キャスト別感想
・桜木みなと(フレッド・ウォーバスク)
大企業の御曹司で、ナンシーという婚約者がいます。
ナンシーは船には乗っていません。
ロンドンからの留学帰りにニューヨーク行きの船に乗船。
婚約のニュースが新聞に載るくらい知名度もあるお坊ちゃんです。
今は御曹司だけど、実は孤児なんですよね。
育ての父であるウォーバスク氏に引き取られる前はミズーリ州にいて、そこで実はバーバラ(クラウディア)と出会っていたという設定。
幼い頃に結婚の約束をしていたフレッドとバーバラは、子どもの頃のように惹かれ合っていくのですが、フレッドは大企業の御曹司で婚約している身。
どう頑張ってもバーバラを選べるはずもなく、短い恋の思い出を胸に下船する……という流れです。
いや~~!
ずんちゃん補正でかっこいい若御曹司にギリ見えてるけど、傍から見たらまじでクズすぎますね、フレッドという男は。
だって、ナンシーという婚約者がいながら(きよら羽龍さんが冒頭だけちらっと演じております)、ず~~~っとバーバラとの間でうじうじうじうじしていて、普通にナンシーが可哀想。
しかも周りの人が言うには、ナンシーも素晴らしい女性らしい。
それを聞くとなおさらフレッドひどい。
後半にはナンシーという名前を出されるだけでアレルギーを起こしていて、まるでナンシーが邪魔者みたい。
だったら演出的にナンシーを悪者にして、船上でバーバラとくっつけてあげれば良かったのに……と思ってしまう。
ヅカで、生きているのに結ばれないって、死んで結ばれるより辛すぎる。
バーバラに対して一生愛し続けるって言うんだけど、
結婚しながら「一生愛し続ける」ってなんやねん!!と思わざるを得ないです笑
しかもバーバラに「友達でいいから!」なんて言わせちゃダメよ~泣
ちゃんとナンシーにお断りを入れて、バーバラとお付き合いしましょう。
フレッドをボロクソに叩いてしまいましたが、ずんちゃんはかっこよかったです。
研17にして少年っぽさもありつつ、貫禄も出せるのはさすがだな~と。
フレッドのちょっと天然っぽいところも、ずんちゃんのキャラに合っていました。
ずんちゃんの持ち味的には、正解の作品なのかも。
・水美舞斗(アンソニー・ランドルフ)
劇中で詳しく言及はないけれど、フレッドの親友?
劇作家の卵らしいです。
フレッドと親友なくらいだから、アンソニーも良い家の人なのかな。
バーバラに惹かれるフレッドに対して、控えめながらも釘を刺しますが、アンソニー自身もバーバラに惹かれているような描写あり。
三角関係になるのか?と思いつつ、そこまではいかず。
アンソニーにも恋人的な存在がいたら、もっと面白くなりそうな感じはしました。
アンソニー×フレッドのデュエットは2曲もあり!
ずんちゃん×マイティーの同期コンビ、良いわあ。素の2人という感じでいいですね。
やり取りもコミカルで、客席から笑いが起こっていました。
あの小切手を渡すところ、最初から「ッシャアア~~~」なの??
アドリブなの??笑
現代劇ではないのに、話し言葉がカジュアルでちょっと違和感はあったけど、笑いポイントが多くて面白かったです。
盗難事件も彼が積極的に解決しに行っていて、フレッドより頼りになりそう。
バーバラへの褒め方、持ち上げ方も上手だし、女性の扱いもうまい笑
借金も肩代わりしてくれたし(実際は金ないらしいけど)、私がバーバラだったらアンソニーの作品でデビューしちゃうわ!!
・春乃さくら(バーバラ・オブライエン)
船の団員。航海が終わったら、ミズーリ州の田舎に戻る予定。幼い頃、フレッドと結婚の約束をしている。
前回のプリレジェが意味分からんヒロインだったので、やっと感情のあるさくらちゃんを見れて嬉しいーー!!
ラズラダズルの時にも感じたけど、さくらちゃんは田舎娘が似合う!!決して芋っぽいとかそういう意味ではなく…共感性の高いヒロイン力をお持ちというか…!
ずんちゃん同様、さくらちゃんも持ち味にあった役だったなと感じました。
自立した意思のあるバーバラなんだけど、
助けられるのは嫌だ!と言いつつ、アンソニーの助けはあっさり借りるんかい!と思ってしまった笑
フランク(亜音有星)じゃダメだったん??と思うけど、タイプじゃなかったんかな笑
それにしてもバーバラ…田舎に戻らず、NYで女優やろうよ…お母さんも呼び寄せようよ…
チャンスがあるのにもったいないと思ってしまった、、、!オコーナーさんでもフランクでもいいからさ〜(よくない)!!
個人的可愛いバーバラポイント
・スレッドがマイケルと気付く一連の流れ
・かもね♪のところ
・「笑うまでいかない!」のところ
最後にバーバラに言いたい、好きな男に「友達でいいから」なんて言っちゃいけない!!フレッドは忘れてどうか素敵な男性に出会ってください。
・鷹翔千空(マーシャル・ウェンズワース船長)
本来であれば路線スターがやる役じゃないんだろうけど、
路線の役がほぼ無いので、こってぃが船長さんに。
結果的に、出番はまあまあ多かったから良かったかも。
珍しく(というか初めて?!!?)お髭のこってぃ。渋すぎてもう研20くらいに見えましたよ。
見た目の渋さはありながら、綾小路さんを感じる天然みがあふれる船長さんで可愛かったです。
路線スターの中で、唯一色恋に絡まないのが残念だったけど…
3番手らしく、場面を引っ張ってました。
・風色日向(マクニール・オコーナー)
女たらしプロデューサー。
前作のイメージがすっかり抜けないナニーロくん。
出番やセリフは少ないながらも、爪痕を残しまくっていて、みなさんの心に深く刻まれたと思います笑
女たらしなのを、わかってて取り入ろうとするドリー(きよら羽龍)を、部屋に連れ込む動作が慣れすぎている〜!!
ナニーロがいう「僕ほど安全な男はいないよ」って、2026信用できないセリフランキング1位ですが!?!?
でもその後のドリー立てこもりを観ていると、悪い人じゃなさそうなんだよね。
多分、誰とも浅く付き合うタイプだと思う。
新作ミュージカルの出来を気にしてるあたり、仕事にも一生懸命なんだろうなという印象です笑
・亜音有星(フランク・ペンドルトン)
亜音くん悪役(?)似合う〜!!!
割と前半にアンソニーに目障りと言われるので、出番は少ないけど、、、
壁ドンでかなり爪痕は残しまくっている!!
それにしても返せる時でいいからと貸した金を、船降りるまでに返せってひどすぎるね、この男!!!!
しかも大した金額じゃないらしいし、、、(アンソニーは不渡になるらしいけど…)
ケチな男と関わると良いことないですね…笑
しかも終盤の歌で感傷に浸ってたのはなに?!(番手的な問題なんだろうけど)
・大路りせ(デイブ・キャシディ)
我が贔屓。
”チョイ役”かと思ってたら、セリフもちゃんとあったし、少しだけだったけど歌もあったし、大大大満足でした!
デイブは女優で恋人でもあるドリー(きよら羽龍)のマネージャーなんだけど(このあたり最初に説明が無いので分かりづらいかも)、ドリーが成功できるように大物プロデューサーであるオコーナーに取り入るように指示します。
さらっと描かれてるし、ドリーもあんまり気にしてないように見えるけど、これって普通に考えて、恋人に枕しろって、勧めてるってことですよね?!?!?!?!
ドリーとオコーナーを見つめて、複雑そうな顔をしているりせさんの切ないことよ、、、、
設定とかさ!何も関係なしに言うけどさ!
そこは、枕しなくていいように男が動くべきでしょ!!!
まあ時代が時代だし、ちょっと前にもハリウッドで話題になったばっかだし、普通にあるのかもね。
細かいけど、立てこもり事件の後に、ドリーが自分の方に来ようとして、オコーナーさんの手前、あえてそっけなくしているのも切なかった泣
そして、ドリーには好きにさせると、、、
男前なのかアホなのか分からん。。。。
フレッドは夜、デイブに一杯付き合わないかと誘われて断るんだけど、一杯付き合ってあげてほしい、切実に笑
・奈央麗斗(ビリー)
下級生ながら、既に完成された美しさの奈央くん。
今回は金髪で、立ち姿が星条海斗さんに見えました。
セリフが全然無かったのが残念~~><
でもバウ組じゃなくて、上級生が集まる博多座組だったのは大きな経験になったはず!!
・その他気になるキャスト
・二葉ゆゆ
バーバラの友達で団員。
花組から組み替えしたゆゆさん。背が高くてスタイルが良いから目立つし、可愛い!好きなタイプの娘役さん。
・風羽咲季
クラウディア(子役)と船員さん役でした。
プリレジェ新公でヒロインだったとしこちゃん!
美人さんだからどこにいても目立つ!セリフもあったし、笑いも取れていて素晴らしかった!
レモネードの下り、ニヤニヤしながら「はい!」って言うとしこちゃんが可愛かったです。
・織史青
船員役
プリレジェのチームNEXTフェミニン王子。
氷山のこと聞かれた時に「終わりです」がシュールでウケてました。前作より男役らしい顔つきになっていて、成長を感じました!
・郁いりや
なんか宙組に翼和希さんいない…??
と思ったら、郁さんでした。
めちゃくちゃ翼和希さんに似てませんか??!感じてるの私だけか??
総評
全体的に、男の身勝手なエゴが凝縮された作品だなと感じました。
婚約者がいながら幼馴染に恋するフレッド、妻がいながら秘書と浮気するスノードン、プロデューサーの地位を利用して女遊びに興じるオコーナー、借金をだしにバーバラに手を出そうとしてるフランク、、、、
時代背景が違うのはあるけれど、今の時代にあまりそぐわない作品な気がしている。
でも個人的にはクスっと笑える場面が多くて、嫌いな作品ではなかったです。
それにしても二人とも生きていて結ばれないというのは死んで結ばれるよりよっぽど残酷であると思い知らされました、、、。
死んでもいいから、最後は結ばれる作品が好きだな。
次回は、ショーの感想を書きます!
