【論説】孫正義のスターゲート計画の危険性
無能な政治のせいで、自分の財布からどんどんお金が抜かれている気がしている人は多いと思います。そんな人も、いち企業経営者の乱行が、日本全体、つまり自分の生活にも影響があるとは想像しにくいのではないでしょうか。
しかし世界を牛耳る数社という言説のある現代では、ひとりのカリスマ(?)の暴走が一国の経済を没落させることも充分あり得るとしたらどう思いますか。
スターゲート計画とは
孫正義氏の「スターゲート計画」は、AI時代の国家インフラを構築するための大規模なプロジェクトです。この計画は、ソフトバンクグループとOpenAIが主導し、総額5000億ドル(約77兆円)を投資して、次世代のAIや汎用人工知能(AGI)の基盤を整備することを目指しています。
具体的には、米国内に新たなAIインフラ企業を設立し、大規模なデータセンターを建設して、AIモデルの学習や実行環境を提供します。このプロジェクトには、NVIDIAやMicrosoft、Armなどの技術パートナーも参加しており、技術力と資金力を結集して進められています。
この計画は、米国がAI分野での優位性を高め、中国との競争に勝つための国家戦略プロジェクトとしても位置づけられています。また、大規模な投資によって地域経済の活性化や雇用創出も期待されています。
簡単に言えば、スターゲート計画は、AI技術の発展と経済成長を同時に実現するための壮大なプロジェクトです
スターゲート計画の何が問題か
孫正義とは何者か? ↓
孫正義の虚言による現実味のない計画
孫正義は、株主総会で『2兆、3兆は誤差のうち』と発言しました。このような異常な金銭感覚と根拠のない数字を基にした未来予測で投資を募ろうとしています。
スターゲート計画は、技術的に野心的なプロジェクトですが、資金調達、電力供給、社会的影響といった複数の重大な課題が未解決のままです。特に、電力不足の問題は決定的であり、計画の実現にとって最大の障害となる可能性が高いでしょう。
計画が頓挫した場合の日本への影響
SBGは積極的なM&Aやベンチャー投資を続ける一方で、多額の有利子負債を抱えています。負債総額は約1,500億ドル(約23兆5,000億円)に上り、手元資金は約300億ドル(約4兆7,000億円)程度です。スターゲート計画において、SBGと提携先のOpenAIがそれぞれ190億ドル(約3兆円)を拠出し、新会社の株式を40%ずつ保有すると報じられている中で、もしAIブームが失速すれば、SBGは巨額の追加損失を被る可能性が高いです。過去の投資失敗により体力を削られている現状では、経営破綻が日本の株式市場、金融システム、さらには雇用や産業全体に連鎖的な悪影響を及ぼす恐れがあります。
スターゲート計画では、プロジェクトファイナンスという手法で資金が集められます。
プロジェクトファイナンスとは、特定のプロジェクトに対して資金を調達する手法の一つです。この方法では、プロジェクト自体が借り入れの担保となり、プロジェクトから得られるキャッシュフローをもとに資金を返済します。つまり、プロジェクトの収益力が資金調達の基盤となるのです。
プロジェクトファイナンスは以下のような特徴があります:
限定リコース: プロジェクトが失敗した場合でも、貸し手はプロジェクト自体の資産を回収するだけで、借り手の他の資産には影響しません。
リスク分散: 複数の投資家や金融機関がリスクを分担することで、一つの組織にかかるリスクを軽減します。
大規模プロジェクトに適用: インフラ整備やエネルギー開発など、巨額の資金を必要とする大規模プロジェクトに向いています。
一方で、日本のプロジェクトファイナンスには海外とは異なる特異な構造が指摘されています。
政府主導の『擬似プロジェクトファイナンス』
・JICA、JBIC、NEXIなど政府系金融機関の関与が強く、採算性より外交・地政学的要素が優先されがち。
実質的なリコース融資
・表向きはプロジェクトのキャッシュフローに依存するとしながら、実際には親会社や日本政府が暗黙のうちに支援。
・リスク分散の本来の仕組みが機能せず、政府保証によって『国民負担』へ転嫁されるおそれがある。
非合理なリスクテイク
・政府の外交戦略や企業の海外プレゼンス維持のため、採算性が疑問の案件でも強行するケースがある。
不透明な意思決定プロセス
・官民の利害が絡み、厳格なデューデリジェンスより『国益』や『政府の意向』が優先される。
・失敗しても責任の所在が曖昧になり、最終的には税金で穴埋めされることも。
ゼネコン・コンサル優遇と高コスト構造
・大手ゼネコンや特定のコンサルが優遇され、競争原理が働きにくい。
・その結果、国際市場での価格競争力を欠くプロジェクトになりやすい。
出口戦略の欠如
・失敗案件の整理が遅れ、不良債権化するリスクが高い。
結論
日本のプロジェクトファイナンスは形式上、国際基準を取り入れているように見えますが、実態としては政府主導の『擬似プロジェクトファイナンス』と化している面が強いのです。民間企業の財務状況をカバーするかたちで政府が深く関与し、最終的にリスクが国民へ転嫁される仕組みが温存されています。
つまり……
・スターゲート計画が失敗すれば、SBG単独ではなく、日本の公的金融機関や政府系機関が損失を被る可能性がある。
・結果としてリスクが国民負担へと転嫁されかねない。
「結果としてリスクが国民負担へと転嫁されかねない。」
ここが問題だと思います。
計画が成功した場合の日本への影響
仮にSBGのAI戦略が事業として成功した場合でも、日本経済には『デジタル赤字』という別の深刻な問題が生じます。デジタル赤字とは、クラウド利用料、ソフトウェアライセンス料、ネット広告費などの支出が国際収支において赤字となる現象です。2024年には過去最大の6兆6,506億円の赤字を記録し、その水準は今後2030年には10兆円規模に達すると試算されています。SBGの戦略は、国内で開発・提供できたAIサービスを米国で構築し、運営する形をとるため、日本企業は米国からサービスを購入する形となり、結果としてデジタル貿易収支の悪化を招く恐れがあります。
SBGの投資戦略は、短期的な財務リスクのみならず、長期的には産業競争力の低下、デジタル主権の喪失、データセキュリティの脅威といった多岐にわたる懸念を伴います。SBGの戦略がもたらす影響は、日本企業や国民が外資の影響下に置かれるという形で現れるため、企業や消費者はSBGとの関係を見直す必要があります。
孫正義は、かつて日本の半導体産業を壊滅させた実績(?)もあるようです。
地道に暮らしている庶民としては、ひとりの博打撃ちの一見華やかな投資によって虚しく散らされる徒花の花びら一枚になりたくはないです。
庶民が企業にノーを突きつける手段、それがボイコットです。
目標設定:「国内産業育成に貢献しない海外偏重の投資戦略を見直すべき」
ソフトバンクに投資しない
ソフトバンク製品を買わない
私は武智倫太郎さんがひとりで始められたこのボイコットの呼びかけに賛同します。
こどもたちのために、日本がまともな国であってほしいからです。
