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月刊S.N.R 11月号「デヴィッド・ボウイ」

はじめに

1番はじめは、2025.11月に書いた、デヴィッドボウイについての記事。雑誌から一部抜粋して載せようと思います。是非読んでみてください
 この雑誌はいったいなんなのかについての記事もあるので、是非プロフィールからお願いします。

デヴィッド・ボウイ

 今月のアーティストはデヴィッド・ボウイ。70年代を代表する、グラムロックのアーティストです。
彼の活動は多岐に渡り、すべて紹介するとなると、とてつもない文字量になってしまうので、私が勝手に選んだデヴィッド・ボウイの情報を書こうと思います。
 まず、彼は、1974年にイギリスのロンドン南部ブリクストンで生まれます。親の影響で、リトル・リチャードやエルヴィス・プレスリーなどの音楽を聴き、自分も音楽を志していく。そして、バンドを組んだりしていき、デヴィッド・ボウイとしてデビューをします。
 彼がどんな人間なのか、わからないです。というのも、自分で自分を意図的に隠している。アルバムによって、違うペルソナ、テーマで作っているので、本当なのか嘘なのかわからない。ある時は、火星からやってきた退廃的なロックスター「ジギースターダスト」ある時は、マンハッタンに住むイカしたスマートなやつ「ハロウィンジャック」モノクロなスーツを身にまとった、冷酷なコカイン中毒「シンホワイトデューク」。このように様々な人物を演じ、音楽や歌詞もそれぞれ違う。自然体とはかけ離れているスタイル。昨今は「実は~でした」「あの時本当は・・・」を語る、すぐ裏や本音の部分を語るという風潮。もちろん悪いことではないのですが、それに飽きてしまった人には、ボウイはおすすめです。
 「何考えているかわからない」そう言われたことがある人。彼はその類の奴らの代表でもあると思います。自分は一体何者なんだ?そう悩んでいる人にはもしかしたら、彼の音楽や言動はヒントになるかもしれません。一つ彼のインタビューでの発言で「自分は個性を収集している」そんなことを言っていました。
 ここでは、彼のことを少しだけ書きたいと思います。言い訳のように何度も言いますが、少しだけです。

ジギースターダスト

 最初はまずこのアルバムを紹介しよう思います。このアルバムでボウイは一躍新時代のロックスターとして、知れ渡ります。それまでもたくさんのいい曲を作ってきましたが、デヴィットボウイといえば、これだと言えるものはこれだと思います。それまでのボウイの曲と違ったのは、ジギースターダストという火星からやってきたロックスターとその仲間たちが作ったアルバム、というコンセプトで作られたという点です。これまで、そういうコンセプトで作られたものがなかったわけではないと思います。しかし、デヴィッドボウイはこの少しアバンギャルドでシアトリカルな、隠れた名作になりがちなものを、大衆に向けてポップに完成させることに、成功しました。
その理由として、一つは歌詞のポップと芸術のバランスだと思います。私はこの曲群の中に共通しているのは、火星のロックスターというペルソナを使い、今見ている世界や若者、同世代、言ってしまえば自分自身を俯瞰で捉え、その上でのメッセージであるという所だと思います。詩的で神話的な場面もあれば、今を生きる人へのメッセージもある。このアルバムの中で一曲「スターマン」の和訳を今回載せています。他の歌詞もぜひ目を通してみてください。ストーリーとしても、ジギーの栄光から破滅。ロックは世界を救うという夢想的な場面。火星から来たロックスターという設定をフル活用し、たくさんの要素を込めたという感じがします。
 もう一つの理由としては、音楽性です。これが一番大きいと思います。このアルバムは所謂グラムロックというやつです。野生的だが華やか、シンプルなギターリフの中に豪華なオーケストラ。そしてこのアルバムにはのちにパンクになっていくような曲もあります。メロディーもポップ、聴いていてワクワクするシーンがたくさん。ボウイが影響の受けた、五十年代のロックンロールの爽快感とバンドメンバー達とボウイが奏でる、怪しくも美しい音が共存してできたものだと思います。
 そして最後に重要なのが、ジェンダーの垣根を超える試みをこのアルバムでやった、ということです。ジギーは男性女性どちらでもないという設定でした。インタビューでも、バイセクシャルであるという発言をボウイ本人がしたというのもあり、その時代ではやっぱりセンセーショナルだったようです。ファッションも奇抜でアバンギャルド。日本の山本寛斎のデザインの服をツアーで着用したのも有名な話です。ボウイが着てしまえばなんでも似合ってしまう。まず彼をみて最初に思うことはそれだと思います。

私とデヴィッドボウイの出会い

 顔もみたことないお前が、出会いとかなにいってんだと思うかもしれませんが、私のような世代が、なぜ今ボウイを好きになったのかを語ることが、一番説明として、わかりやすいのではと思い、このタイトルにしました。
 私は二十歳くらいの頃、所謂フリーター、いやニートでした。なにか、エンターテインメントでお金を稼ぎたい、特に映画に出たり、作ったりしたいとおもっていましたが、もちろん仕事なんてなく、ただ時間を浪費していました。映画や音楽を聴くことくらいしかやっていない、そんな人間でした。それまで、デヴィッドボウイを全く知らなかったわけではなかったのですが、そこまで聞き込むほどではありませんでした。ぼくは、その時ひどく落ち込んでいて、鬱のような状態になっていました。現実逃避をするように、音楽を漁っていました。私の好きなアーティスト、カートコバーンやイギーポップ、日本だと志磨遼平。のことを探っていくうちに、デヴィッドボウイに辿り着きました。こんなに言ってるんだから、ちゃんと聴いてみようと思い、はじめに聴いたのが「Life On Mars?」でした。なぜかというと、ちょうど調べて一番上あたりに出てきたからでした。
 音楽が始まった途端、なぜか涙が出てきそうになりました。今まで全く聴いたことがないわけではないです、これが流れている映画や店もあったと思います。けど今回は違った。ドラマチックなメロディと華やかなオーケストラ。とてつもなく奇抜な格好をしたボウイがこちらを見つめながら、不思議なポーズでこちらに語りかけるように歌っていました。とてつもない安心感を感じました。私はすぐさま和訳を調べました。絶対、自分に影響を与える言葉がそこにはあるはずだと、しかしどんな和訳をみても、よくわからないナンセンスとも言えるような言葉の羅列がありました。どうゆうこと?と、こんなドラマチックな音楽にこの歌詞、もうそこからは他の曲も聴きまくりました。まずは、この曲が収録されているアルバム、「ハンキードリー」発表順でいうと、前述した「ジギースターダスト」の一個前に当たるアルバムです。このアルバムで、やはりすごい曲は「Changes」完全にデヴィッドボウイ自身のテーマソング。これから自分がやろうとしている行動や哲学に覚悟を決めたような歌詞。
 そして次に、「ジギースターダスト」「ダイアモンドドックス」と年代順に聴いていきました。それらを聴いていき、自分が最終的に思ったのは、「結局なんなんだ」でした。よくわからない火星の話をしたと思ったら、ベルリンにいき、殺伐とした音楽を作る。さっきまで全然興味なさそうだったのに、急に近寄ってきて勇気づけたと思ったら、キレ出したりする。ような。その時代の流れに沿った音楽を作ったと思えば、聴いてられない程、難解な曲を作る。これをリアルタイムで追えていたらどんなに楽しかっただろう。そう何度も思いました。誰の期待にも応えない、変化し続ける。そう感じました。だがそれと同時に、圧倒的なショーマン。音楽だけではなく、衣装、照明、そして人格までもこだわる。世界ごと作り上げる。
 ボウイの名曲といえば?と言われて即答できないのは、このこだわりがあるからだと思います。同じ人間、同じ声なのにそれぞれ全く違う。
 この音楽を通して、私がボウイから学んだのは、自分らしさや個性などを捨て続け、その日その時の自分のすきなもの、哲学をふんだんに盛り込んだ役柄を作り演じるかっこよさ。ファンタジーと現実の間。そんなところです。私がやりたいのはこれだ。と思いました。
 こんなに文を書いても、ボウイのことを何一つ書けていない。正直そんな気もします。    

カフェでは、フルバージョンで読むことができます。是非お越しください。カフェのInstagramアカウントです。

                 編集 奥山

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