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【オンボーディング】中途入社者が「組織の一員になれた」と感じた瞬間 〜入社者の"気持ち"をイメージする〜

これまでいくつもの会社で、オンボーディングの期間中や終了のタイミングで、中途入社者との面談(オンボーディングインタビュー)を実施してきました。

そのインタビューの中では、いつも必ず「組織の一員になったと感じた瞬間やきっかけは何でしたか?」と聴くようにしています。
その回答を蓄積していくことで、中途入社者がリアルに「組織の一員になった感じた瞬間やきっかけ」づくりに活かせるようになります。

今回は、これまでの面談を通じて聴いてきた、中途入社者がリアルに「組織の一員になったと感じた瞬間やきっかけ」について紹介します。

効果的なオンボーディングのためには、中途入社者が「組織の一員になったと感じた瞬間やきっかけ」をリアルにイメージすることが必須

この後に、実際の中途入社者の声に基づいた「組織の一員になったと感じた瞬間やきっかけ」リストを掲載しました。リスト内の「瞬間・きっかけ」は、どれも特別なプログラムや取り組みによるものではなく、日常的な職場でのコミュニケーションに関するものです。

【 以下の「組織の一員になったと感じた瞬間やきっかけ」リストの活用方法 】

オンボーディングは、上司・人事(HRBP等)、メンターやトレーナー、同僚メンバーなど多様な関係者で"オンボーディングチーム"を立ち上げて取り組みます。
オンボーディングチームメンバー全員が、「中途で入社して組織に加わる」という状況や入社者の感情を理解し、日常の些細なコミュニケーションでも入社者にはとても役立つことをリアルにイメージするためにこのリストを活用しています。

オンボーディングチームメンバーや職場メンバーに転職経験が無い場合は特に効果的です。
一方で、転職経験のあるメンバーがいる場合は、メンバー自身のリアルな中途入社の経験やその時の感情などを他のメンバーに共有してもらうようします。加えて、「組織の一員になったと感じた瞬間やきっかけ」リストにも追加をしてもらいます。

[※] 中途入社者の「気持ち」をイメージする (1つのケースの紹介)
転職して新しく会社に入社すると、最初の数ヶ月は「仕事内容は前職と同じはずなのに、会社が違う=やり方が違う・人が違う・ルールが違う・システムが違う・社内用語が違うと、こんなにも思うように自分で仕事を進められないのか..」という無力感や焦りを感じがちです。
その上、入社後しばらくは気軽に何でも話せる同僚や知人は誰もいない状況で、職場の皆からは親切なサポートを受けていても、どうしても孤独を感じてしまう時もあります。つい「前職で働いていれば今頃は・・」と、一瞬でも転職したことを後悔するかもしれません。
このように、気持ちが揺れ動きがちな入社後の中途入社者に寄り添い、1日も早く組織の一員になってもらうことがオンボーディングの目的であることを、オンボーディングメンバー皆で再認識します。

入社本人にもこのリストを参考に見てもらい、自身がどうやったら早く組織の一員となれるか、を自分でも考えてもらう

「組織の一員になったと感じた瞬間やきっかけ」リストは、オンボーディングの開始ミーティング時に、中途入社者本人にも見てもらうようにしています。入社者が 自身の経験や性格・希望等を踏まえて、何があれば早期に組織の一員となり成果を出せそうか を自身でも考えてもらうためです。
中途入社者自身もオンボーディングに積極的に「参画」する姿勢がないと、オンボーディングは成功しないためです。

中途入社者が「組織の一員になった」と感じられた瞬間・きっかけのリスト

以下では、中途入社者が「組織の一員になったと感じた瞬間やきっかけ」を、人・仕事・キャリア・職場環境の4つのカテゴリーに分けて記載しました。

1. 人

  1. 同僚の中で(1人でも)、何でも気兼ねなく話せる人ができた

  2. 顧客や業務で関係する他部署社員に名前・顔や役割・経験や能力(の一部)を認知された

  3. 上司・同僚・部下や関係者との業務を通じて同じ経験(苦楽)を共有できた

  4. 上司・同僚・部下と気兼ねなく会話できる関係ができ、その中で(少しずつでも)自己開示ができるようになってきた

色々な中途入社者の話を聴く中で、多くの方々に共通していたことは、同僚と一緒に業務を行って経験や感情を共有したり、小さくても何か仕事を任せてもらえたり、社内や部内での企画提案機会が与えられたりと、入社後の早いタイミングで自分を表現したり開示できる機会が欲しかった / そうした機会があって役立った、という声です。
中途入社者は、仕事を通じて組織に貢献し自分を知ってもらうことで「組織の一員になれた」という実感を得られる方が多いと思います。
オンボーディングの中では、教えてあげる / 助けてあげるだけでなく、入社者本人が早期に活躍できる/自己開示できる機会を意図的に用意することも重要であると感じています。

2. 仕事

  1. 担当業務の6-7割を独力で進められるようになった

  2. 小さくても成果を出し、その成果が周囲から認められた

  3. 自身の担当業務が関係している事業や組織の全体像が見えてきた

  4. 前職(まで)の経験を少しずつでも活かせるようになってきた

色々な入社者の話を聴いていると、引き継ぎしてくれる同僚も忙しく時間を取ってもらうのが申し訳ないという気持ちから、短期間で担当業務の全てを独力で完璧にやろうとして焦りに繋がってしまう、という悩みを聴くことも少なくありません。
ルール・手続きや仕事の進め方は会社によって違いがあるのは当たり前なので、最初から全て完璧に行うのは無理だと割り切り、周囲の同僚・上司を頼ることが必要です。
転職に慣れている入社者の中には、会社固有の仕事の進め方やルールの理解には時間がかかると割り切り、それよりも前職の経験を活かした改善提案や新たな考え方の導入など プラスアルファで提供可能な価値を考える方に集中する方も多くいます。

3. キャリア

  1. 上司や同僚からの日常的な会話を通じて組織からの期待を感じ、求められている自身の役割を具体的にイメージできた

  2. 色々な社員と出会うことで社内・部署内での成長やキャリア形成のイメージが少し持てるようになった(まだ漠然とではあるが様々な可能性を感じている)

  3. 日常の業務を通じて顧客・組織への貢献実感や自身の成長実感を少し持てるようになってきた

  4. 部分的でもキャリアモデルとして参考になる人を見つけた

中途入社者にキャリア開発に関して良かった情報/あれば良かった情報について聴いてみると、まずはシンプルに、社内に「どのような仕事(=機会)」があるのか、「どのような人(=キャリアモデル)」がいるのか、を知りたいという声が多くあります。細かい情報が知りたいというよりは、新たな会社でのキャリアの広がりや可能性を感じたいためとのことです。
既存の社員用のキャリア開発サイト等は、体系的に細かく情報が記載されているものが多く、まだ社内の理解が十分でない入社者にとっては少しハードルが高いと感じるようです。
キャリアモデルのプロフィールが見ることができ、かつコンタクトを取れたり、メルカリ社の「メルカン (https://careers.mercari.com/mercan/) 」のように画像と記事で社内の仕事や人をリアルに知ることができる シンプル情報があると嬉しいという声もあります。

4. 職場環境

  1. 社内で皆が普通に話している社内用語・略称(3文字英語 等)をだいたい理解できるようになった

  2. 職場や業務に関係する制度や(暗黙の)ルールがわかってきた / または不明な制度・ルールの調べ方が分かった

  3. 勤怠・経費精算等の日々必要な事務手続きを人の手を借りずに正しくできるようになった

  4. 会議室や備品類の予約方法や使い方などファシリティの利用方法を理解できた

私自身が転職して新たな会社に入社した時に、配属された部署で入社者用の One Note にこれら職場環境についてのマニュアルが用意されていたことがありました。これは非常に助かった記憶があります。
・社内用語辞書
・日々必要な勤怠・経費精算方法
・業務で良く使うシステム/ツールの使用方法
・困った時の社内の問合せ先一覧(IT等)
・社内制度・規則・ガイド類のリンク先
・FAQ
そして、入社者が追加更新していくルールとなっていて(何に困り、何が役立ったかは入社者本人が一番実感するため)、私も入社後に困ったことや教えてもらったこと、自分で調べたこと、同僚からの役に立ったアドバイス等を追加した記憶があります。

受け入れるメンバー側が「入社者が組織の一員になれた」と感じたとき

「オンボーディング」は入社者本人のためだけでなく、周りの受け入れ側メンバーための取り組みでもあります。
ここでは、周りの受入れ側メンバーが「入社者が私たちの組織の一員になれたと感じた瞬間やきっかけ」についても同様に記載しました。

オンボーディング開始前の準備段階で、受入れ側メンバーに共有し、自分たちなりの効果的な「受入れ方」を考えてもらう参考情報として活用しています。特に、これまで中途入社者の受入れに慣れていない職場では、事前の準備がより重要となります。

1. 人

  • 入社者の人となりが見えてきて、メンバー自身も少しずつ自己開示ができるようになってきた

  • (上司の場合は) 方針やこだわり・大事にしていることが見えてきた / (同僚の場合は) メンバー内での"立ち位置"が見えてきた

2. 仕事

  • 仕事を通じて入社者の経験・スキルが少しずつ見えてきて、何を相談したり一緒にできそうかがわかってきた

  • 前職までの経験等で学べそうなことが見えてきた

3. キャリア

  • 入社者が自社に入社した理由や期待、将来の目標などが見えてきた

  • 今回の転職を前向きに捉え積極的な様子を感じられている

4. 職場環境

  • 普通に予約や手続きなどを説明なしに頼めるようになった

まずは入社者をよく知り、同時に入社者もチームのことを知る取っ掛かりとして「アシミレーションミーティング」の実施も有効です(業務時間後の歓迎会ももちろん有効ですが、全員が参加できないこともあるので)。

「アシミレーションミーティング」とは、入社者と組織メンバーがそれぞれ「相手について知りたいこと」「既に知っていること」「相手に知っておいて欲しいこと」等をポストイットに書き出し、それを見ながらお互いに回答やコメント、掘り下げの質問をしていくミーティングです。
飲み会の中で話されるような会話を、少しフォーマルにして短時間で濃縮するイメージです。
私もHRBP時代には何度もファシリテーション役を担いましたが、どの組織でも入社者に対してよく出る質問の中には仕事関係だけでなく、「血液型・星座」「趣味」「家族構成や配偶者(がいる場合は)との出会い」「休日の過ごし方」等のプライベートに関する質問もあります。答えたくないものは回答しなくてもOKとしていますが、気負わずに会話できる空間づくりが重要となります。

最後までお読み頂きまして、どうもありがとうございました。


これまでnoteで書いたオンボーディングに関する記事を下記(マガジン)にまとめました。あわせてお読みいただけたら幸いです。


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