キュウリ)子づるが出ず栽培法変更・植物には植物の都合があった―はたけのきろく5/21
今年、私は
「摘心(てきしん)をしない」方法で
キュウリを育てています。
動画や本で紹介されていたのは、
親づる1本と子づる2本を伸ばす
「3本仕立て」という育て方でした。
親づるは上に伸ばし、
子づるはあとから伸びてくるのを待つ。
一度にたくさん収穫するのではなく、
少しずつ、長い期間キュウリを楽しめる。
家庭菜園にはちょうどいい方法だと知り、
「なるほど」と思って始めました。
ところが、育てているうちに、
だんだん不安になってきました。
──子づるが、全然出てこない。
わき芽はあるのに、動かない
わき芽はあります。
でも、そこから先がまったく伸びません。
植えつけてから30日以上たちました。
親づるは元気で、
どんどん上に伸び、
花も咲き、
小さな実もついています。
それなのに、子づるだけが動かないのです。
貸し農園のほかの人のキュウリを見ると、
子づるが10センチ、20センチと
伸びている株もあります。
それを見るたびに、少し不安になりました。
「うちのキュウリだけ、おかしいのでは?」
「肥料が足りないのかな?」
「病気なのかな?」
「そもそも、この育て方が間違っていたのでは?」
そんなことを考えていました。
頂芽優勢(ちょうがゆうせい)?
そんなとき、その言葉を知りました。
これは、
つるの先端が元気に伸びていると、
その力が強くなり、
わき芽の成長が抑えられる
という植物の基本的な性質です。
・親づるが元気な間は、子づるは伸びにくい
・摘心をすると、その抑えが弱まり、子づるが動きやすくなる
・でも、摘心しなくても、あとから子づるが伸びることもある
知識としては、聞いたことがありました。
でも、
10節以上伸びても、
子づるが動かないことは珍しくない
と知ったとき、はっとしました。
これは異常ではない。
病気でも、失敗でもない。
キュウリとして、
自然な状態なのだと分かりました。
わき芽が「ない」のではなく、
「まだ伸びる時期ではない」と判断して
止まっているだけなのかもしれない。
そう思えたとき、少し安心しました。
作物が違えば、わき芽の意味も違う
考えてみると、
ミニトマトはまったく違います。
ミニトマトのわき芽は、
早めに取らないと混み合ってしまい、
風通しが悪くなって、実の質も下がります。
だから「見つけたら取る」のが基本です。
でもキュウリでは、
そのわき芽が「子づる」となり、
あとから実をつける大切な役割を持ちます。
同じ「わき芽」でも、
作物が違えば、
役割も伸びるタイミングも違うのです。
キュウリの場合、
「いつ子づるが伸びるか」は、
人が決めるというより、
植物自身が環境を見て決めている――
そんなふうに感じました。
「出ない」のではなく、「準備している」
一般には、キュウリの子づるは
6〜8節あたりから伸びると言われます。
でも、それはあくまで目安です。
今年は、春先の寒暖差が大きく、
雨も多くありました。
根の動きが鈍かったのかもしれません。
日照時間が短い日もありました。
肥料のバランスが、
親づるを優先する形だった可能性もあります。
そう考えると、
「子づるが出ない」のではなく、
「出る準備をしていた」と考えたほうが、
納得できました。
情報と、目の前の株
動画や本には、
「何週目」「何節目」といった目安が
たくさん出てきます。
それはとても参考になりますし、
迷わずにすみます。
でも、
情報には書かれていないこともあります。
・苗ごとの根の張り方の違い
・畝の向きによる日当たりや風の違い
・土の水はけの違い
そうした条件が重なって、
「うちの株だけ違う」という姿に
なることもあります。
だから、
情報を参考にしながらも、
最後は目の前のキュウリが
どう育っているかを見ることが
大切だと思いました。
「ふつうのこと」だった
調べていくと、
15節を超えてから、ようやく子づるが伸びた
という例も見つかりました。
摘心をしない育て方では、
子づるの成長が遅れることがある
という報告もありました。
つまり、
今の状態はよくある範囲だったのです。
結局、摘心した。
収穫は、これから一気に増えると思います。
「ゆっくり長く楽しむ」育て方とは、
少し方向が変わります。
でもそれは失敗ではなく、
今の株を見て決めた、一つの選択です。
植物には、植物の都合があります。
人には、人の都合があります。
そのバランスを考えながら、
今日も畑でキュウリを見ています。
ちなみに、
今年育てている品種の名前は、
『できすぎなるなる』です――
【追記・その後のキュウリ】
2025.6.4 子づる2本が決まる



2025.7.7 それから1か月経ち

左右の子づるが一番上まできました。
初収穫が5月27日。
ここまでたくさんとれてます。
