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2)いもは どうやって目を覚ますのか

長いあいだ
「休眠」という休みの時間を
過ごしていた種いもは

温度や水分などの条件がそろうと
中にたくわえてきたエネルギーを使って
再び動き始めます

外から見ると
まだ ただの
ジャガイモのかたまりです

けれど中では
体を伸ばすように、
少しずつ目覚めの準備が進んでいます

このとき
最初に起こるのが次の2つの段階です

芽が動き始める 萌芽(ほうが)
その芽が土の上に出てくる 出芽(しゅつが)

これは
土の中での準備を終え
「一つの植物」として
生き始めるための第一歩です


萌芽――種いもが動き出す合図

休眠が終わった種いもは
温度が 4~8℃より高くなると
芽を動かし始めます

これは
寒さで止まっていた
体のはたらきが
また動けるようになったという合図です

寒い場所から
暖かい部屋に入ると
手足の感覚が
少しずつ戻ってくることがあります

それと同じようなことが
種いもの中でも起きています


芽を動かすエネルギーの正体

芽が伸びるには
たくさんのエネルギーが必要です

そのもとになるのが
種いもの中にたくわえられていた
「でんぷん」です

でんぷんは
そのままでは使いにくいため
体の中で 「糖」に分けられます

これは
貯金していたお金を
すぐ使えるお金に替えるようなものです

こうしてエネルギーの準備ができると
芽は暗くて冷たい土の中でも
少しずつ前へ進めるようになります


出芽――光の世界へ出る瞬間

伸びた芽が 土を押し上げ
地表に顔を出すことを出芽といいます

芽にとって出芽は
暗い土の中から 明るい世界へ出る
大きな変化です

出芽するまでには
積算温度で約300℃ が必要とされます

積算温度とは
毎日の平均気温を
少しずつ足し合わせた合計のことです

寒い地域では
植えてから出芽までに
およそ4週間かかることもあります

「なかなか芽が出ないな」と感じても
土の中では
ちゃんと準備が進んでいます


種いもからの自立――自分の力で生きる準備

萌芽から出芽までのあいだ
ジャガイモは
種いもにたくわえられた栄養だけを
使って育ちます

まだ自分で食べ物をつくれないため
たとえるなら
親に支えられて育っている
子どものような段階です

出芽して葉が広がり始めると
光合成によって
自分で栄養をつくれるようになります

ここから
「自分の力で生きる植物」への
一歩を踏み出します


目覚め方が  その後を決める

この最初の目覚めの過程は
その後の成長や収穫量に
大きく関係します

なぜなら
最初の動き方が
その後の成長のリズムを
決めてしまうからです

外からは見えない 静かな時間に
いちばん大切な準備が行われています

ジャガイモの成長は
そんな土の中の物語から
始まっているのです




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