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5)いもは どうやって「太る」のか

土の中に
塊茎(かいけい)という
小さな「貯蔵庫」ができると
ジャガイモは次の段階に進みます

それが
収穫量を左右する重要な時期――
「塊茎肥大(かいけいひだい)」です

このころ
そっと土をのぞいてみると
地下の茎の先が
ほんの少し丸くなっているのが
見えることがあります

まだビー玉くらいの大きさ
でもそれは
「これから太り始めますよ」という
はっきりした合図です


エネルギーの流れが大きさを決める

塊茎が
どこまで大きくなるか
それを決めるのは
土の質だけではありません

本当に大切なのは
地上と地下を結ぶ
エネルギーの流れです


葉は発電所・塊茎は貯金箱

植物は
太陽の光を使って
葉で養分を作ります
「光合成」です

これは
植物にとってのエネルギーづくり
たとえるなら
葉は発電所です

作られた養分は
葉の中にとどまりません
体の中を移動して
必要な場所へ送られます

そして
その養分を受け取る場所が
地下の塊茎
つまり貯金箱です


ジャガイモは「同時進行」で育つ

イネなどの作物は
まず茎や葉を育て
あとから実や種に
養分を集めます

でも
ジャガイモは少し違います

茎や葉を育てながら
同時に
地下の塊茎にも
養分を送り始めるのです

地上が元気に育っている
その裏で
土の中では すでに
次の世代のための「貯金」が
始まっています


ソースとシンク:工場と倉庫

植物の中の
役割分担は
こう考えると
理解しやすくなります

ソース(供給源):葉
 光合成によって養分(糖)を作り出す
 工場の役割

シンク(受け取り手):塊茎
 養分を受け取り 使ったり
 ため込んだりする倉庫の役割

イメージとしては

工場(葉)で作られた
製品(糖)が
パイプ(師管)を通って
倉庫(塊茎)に運ばれる

そんな流れです


ジャガイモが重くなる正体

葉で作られた養分は
そのままの形で
蓄えられるわけではありません

まず
スクロース(ショ糖)という
水に溶けやすく
運びやすい形で
塊茎に送られます

そして
塊茎の細胞の中にある
アミロプラストという
貯蔵専用の場所で
長く保存できるでんぷんに
作り替えられます

ジャガイモの重さの正体は
このでんぷんが
少しずつ積み重なった
結果なのです


塊茎肥大の弱点 ― 暑さに弱い

この大切な時期には
弱点があります
高温です

気温が25℃を超えると
葉は元気に見えても
塊茎へ向かう
エネルギーの流れは
鈍くなります

その結果
数はあるけれど
大きくならない

という状態に
なりやすくなります

冷涼な地域のジャガイモが
大きく
質もよい理由は
ここにあります


そして最終段階へ

塊茎肥大の時期を経て
ジャガイモは
十分な大きさと重さを
手に入れます

土の中で進んできた
静かな準備が整い
ジャガイモの一生は
いよいよ最終章へと
向かっていきます



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