サツマイモ)「苗が枯れた!?」──大丈夫。それにはちゃんと理由があります【家庭菜園】
「サツマイモの苗を植えたのに、すぐに葉がしおれて枯れてしまった」
初めて植えつけをしたとき焦りました。
でも貸し農園のベテランさんが「ああ、それは大丈夫だよ」と笑って言いました。
「本当に大丈夫なのか……?」と半信半疑でしたが、本当でした。
これは多くの場合病気ではありません。
サツマイモの切り苗は植えつけ直後はまだ根がなく自分で水を吸い上げられない状態です。そのため葉から失われる水分に吸水が追いつかず一時的にしおれてしまうのです。
ですが順調なら2〜5日ほどで新しい根が出始め徐々に元気を取り戻していきます。
サツマイモの「切り苗」とは?
サツマイモは種をまくのではなく「切り苗」というツルを切ったものを土に植えて育てます。
この苗には植えた直後はまだ根が生えていません。
つまり、葉はあるのに自分で水を吸い上げることができないというデリケートな状態からスタートするのです。
なぜ葉がしおれるのか?
理由はシンプルです。
「体から出ていく水の量」が「吸い上げられる水の量」を超えてしまうからです。
植物の葉には目に見えない小さな穴があり、そこから水分が外に出ていきます。これを「蒸散(じょうさん)」といいます。
本来なら根から吸い上げた水で量のバランスを保つのですが、根がない苗にはそれができません。
サツマイモは葉を維持するより先に根を作ることを優先します。いわば、まず給水設備を作ってから葉を支えるという順番で生き延びようとしているのです。その結果蓄えていた水分がどんどん減り、ぐったりとしおれてしまうのです。
活着前の苗は、朝夕は元気でも昼の強い日差しで急にしおれることがあります。これは単純な水不足というより吸水能力がまだ追いついていない状態です。
次のような環境では苗への負担が大きくなります。
強い日差し
蒸散が急激に進み、水分が激しく消耗されます。
強風
葉からの水分の蒸発がさらに速くなります。
土の状態
乾きすぎていたり逆に湿りすぎていたりするのもよくありません。
苗を守るにはどうすればいい?
大切なのは、苗が自分で根を張れるようになるまでの数日間を助けてあげること。
次のポイントを意識するだけで苗が育つ確率がぐっと上がります。
植えつけの時間を選ぶ
夕方や曇りの日に植えると日差しによる水分の損失を抑えられます。
たっぷり水をやる
植え付け直後は苗と土が密着するようにしっかり水を与えましょう。
ただしその後は土の状態を見ながら過湿にならないように注意します。
マルチングを使う
ワラや農業用シート(マルチ)で土を覆うと、乾燥を防いで地面の温度も安定します。
葉を少し取るとむしろ苗に優しい?
少し意外かもしれませんが「下の葉を2〜3枚あらかじめ取り除いておく」のも効果的です。
「せっかくの葉を取るなんて」と思うかもしれませんが、これは昔から伝わる理にかなった知恵です。
葉の数を減らすことで無駄な蒸散を防ぎ、苗の体力を温存できます。
ただし、先端の元気な葉は成長に必要なので必ず残しておきましょう。
完全に枯れてしまったら?
完全に枯れてしまった苗は回復が難しいこともあります。その場合は早めに植え替えたほうが収穫量を確保しやすくなります。
サツマイモの苗は、いわばゼロからの再出発をしている状態です。
最初は頼りなく見えますが、数日間の試練を乗り越えると土の中で力強く根を張り始めます。
少ししおれていてもあわてる必要はありません。「今は一生懸命根を出す準備をしているんだな」と温かく見守ってあげてください。
この仕組みがわかるとサツマイモの観察がもっと楽しくなるはずですよ。
【追記 2025年記録】
5月27日 植えつけ


6月2日

6月16日

6月27日

