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オクラって背が高くなるものだと思ってました。

オクラを見ていて少し不思議に思いました。五角形オクラも丸オクラも、まだそれほど背が高くないうちから実をつけ始めたのです。

オクラというと、夏の暑さの中でぐんぐん背を伸ばし、大きな株になってから次々と実をつける。そんなものだと思っていました。

ところが今回のオクラはそうじゃない。いつ背が高くなるのかなと思っているうちから花が咲き、実がついたのです。

その後もそれほど背が高くならないまま収穫が続いています。

とれるオクラの実はいつもと変わらないので別に問題はないのですが、なんでだろう?と。

そこで、「草丈が低いこと」と「植物としての発育段階が若いこと」は同じなのか、というところから考えてみます。

まず、五角形オクラ。種袋をよく見ると「みやこ五角」という品種だとわかりました。

「着果が多い」とありますが、そのとおりです

5月31日に自宅でポリポットに種まき。
6月22日に畑へ定植しました。定植したときはまだ本葉が2枚程度で、見た目にはかなり小さな苗でした。

それが6月29日には本葉が4~5枚ほどまで増え、

7月2日にはさらに上の葉も発達してきました。

7月9日には花や実につながる部分の発達が外からも分かるようになり、

7月13日に最初の実を収穫しました。

種まきから43日。定植から数えると21日です。去年は種まきをしてから67日後に初収穫していますから、かなり早い初収穫でした。

たまたま一つだけ早く実ができたわけではありません。もうひとつの株には実が2つついています(ひとつは見事に曲がってますけど)。

隣のリーフレタスのほうが
オクラより葉が大きいくらいです

その上にあるのは、つぼみでしょうか。
小さな葉も新しくできています。

次に、丸オクラ。こちらは数年前に同じ貸し農園だった人からもらったものを、毎年種をとって育てています。

6月22日に種まきをして、47日後の8月8日に最初の実を収穫しました。
草丈はそれほど高くありませんが、葉がかなり大きく広がっています。

もし単純に生育が悪くて小さいのなら、葉の発達も十分ではないはずです。でもご覧の通り。

少なくとも、小さいまま成長が止まっていたわけではなさそうです。むしろ葉はかなり大きく発達しています。

さて――

五角形オクラと丸オクラでは品種も種まき時期も違うのに、最初の収穫までの日数は意外によく似ていました。

みやこ五角は種まきから43日目。丸オクラは47日目。どちらも種まき後40日台で収穫に達しています。今まで育てた中で最速です。

ふたつを見ていると、「オクラはある程度の高さまで伸びてから実をつけるもの」とはちがうように思います。

そこで考えたのが「節の数」です。

植物の茎には葉がつく場所があります。これを「節(ふし)」といいます。そして、節と節の間を「節間(せっかん)」といいます。

ミニトマトだとこんな感じ。

今回のオクラは、

拡大すると、

この節間の短さは、なんなのでしょうか?

植物の草丈は大まかに考えると、いくつ節が作られたかと、その節と節の間がどれだけ伸びたかによって変わります。

たとえば、同じ6節まで育った2株があり、1株は節間が10センチ、もう1株は5センチだったとします。

当然、節間が10センチある株のほうが背は高くなります。しかし、節の形成という点ではどちらも6節まで進んでいます。

背が低いからといって植物の発育段階まで遅れているとは限らない、ということですね。

実際、徒長(とちょう)すると節間が長くなることからも、草丈と節数が必ずしも同じように増えるわけではないことがわかります。

さらに深掘りしてみます。

調べてみると五角形オクラ「みやこ五角」は節と節の間が短い「矮性(わいせい)」のタイプだとわかりました。節間が短ければ、同じ数の節が形成されても草丈は低くなります。

みやこ五角が低い位置から収穫できた理由の一つは、節間が短かったことにあるのかもしれません。

(ただ、種袋には「草丈は1.8mに達し〜」と書いてあります。どういうこと?)

丸オクラはどうでしょうか。

こちらは数年前に同じ貸し農園だった人からもらったものを毎年種をとって育てています。なので矮性かどうかなどの確認はできません。

ただ、去年の丸オクラの写真(9月下旬)を見ると、草丈が高くなっています。

「9月だからじゃないの?」といわれそうですが、今年とは節間の伸び方が違うことがわかるかと思います。

そして、もうひとつ考えたのが「最初の花が何節目についたのか」ということです。

たとえば、第5節から花をつける株と、第8節から花をつける株があったとします。

節間の長さが同じなら、第5節から花をつける株のほうが、より低い位置から収穫が始まります。

今回のみやこ五角でも、7月13日の写真を見ると、最初の実はかなり低いところについています。

そのため、節間が短かったことに加えて、比較的低い節から花がつき始めた可能性もあります。ただ、そこまで見ていませんでした。気づいたら「えっ、実がついてる!」でしたから。

丸オクラにも同じことが考えられます。写真がなく確認もしていないので、断定はできませんが。

ここで、当時の気象条件を重ねてみます。

みやこ五角を定植した直後の6月24日から28日は、雨の日が続きました。

6月26日の降水量は115.5ミリ。24日から27日の日照時間は0時間で、平均気温もおおむね21~22度程度でした。

ところが、6月29日になると様子が変わります。平均気温25.7度、最高気温30.7度、日照時間は11時間。それまでとはかなり違う天候になりました。

さらに7月8日から12日には、平均気温が26.3~28.1度まで上がっています。

丸オクラが本格的に育った7月後半には、さらに暑くなりました。

平均気温が31度を超える日が続き、最高気温も37度前後。8月1日から9日にも、平均気温29.8~32.7度、最高気温35.1~38.9度という高温が続いています。

オクラは高温を好む植物です。高温期と生育が重なったことも、今回の早い収穫を後押しした要因の一つだったのかもしれません。

今回、五角形オクラと丸オクラの「なぜ?」から、おもしろいことが見えました。それは、「草丈と植物の発育段階は必ずしも一致しない」ということです。

草丈は、植物がどこまで発育したかをそのまま表しているわけではありません。草丈が低くても、短い節間の中で節を増やすことはできます。

外から見えている部分だけでなく、その内側では次の葉や節の形成も進んでいます。そして一定の発育段階まで進めば、花芽も形成されます。さらに、花芽を作り始めたからといって、そこで葉や茎の成長が終わるわけでもありません。

オクラは新しい葉を作りながら、花を咲かせ、実を太らせ、さらに上の節に次の花を準備していきます。

そう考えると、今回のオクラを「まだ小さいのに、もう実がなった」と見るより、「背丈は低いけれど、植物としての発育はすでに実をつけられるところまで進んでいた」と見たほうがよさそうです。

もうひとつわかったのは、「オクラの生育を見るのは草丈だけじゃない」ということです。

葉が何枚あるのか。節はいくつあるのか。節間はどれくらいなのか。最初の花は何節目についたのか。いつ開花したのか。そして、いつ最初の実を収穫したのか。

こうしたものをいっしょに記録していけば、「どれだけ背が伸びたか」だけではなく、「植物の発育がどこまで進んだのか」が見えてきます。

写真を手がかりに、オクラの「なぜ?」を考えることができました。これまでより観察や記録の視点が増え、植物の奥深さをあらためて実感しています。

8月9日(日)以来農園に行っていません。
オクラはまちがいなく巨大化していることでしょう……。


数日ごとに収穫できる「真夏野菜カルテット」


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