トマト栽培のジレンマ――甘さと収穫量は両立できるのか?
「水を減らせば甘くなる」は本当。
その代償について考えてみました。
トマトをもっと甘くするための水やり制限。
家庭菜園でよく知られたテクニックですが、最近聞いた話で、「確かに!」という気づきがありました。
メロン・スイカから学ぶ「収穫前の断水」
メロンやスイカを育てるとき、収穫の1〜2週間ほど前から水やりを完全にやめることで果実の甘みをぐっと引き出せるそうです。
ただし最初から水を減らすわけではありません。
実ができるまでは、葉をしっかり育てて光合成を活発にし、栄養を蓄えるためにたっぷりの水が必要。
実が大きくなる時期も、実を成長させるためにやはり水は必要。
つまり「十分に育ててから最後だけ水をやめる」というのが甘くするコツです。
トマトにあてはめると出てくる「矛盾」
では同じ考え方をトマトに使うとどうなるでしょうか。
一番下にできる最初の実(第一花房の実)を甘くしたいなら、「実が熟し始めてから収穫まで水をやめる」のが正しいはずです。
しかしここにトマト特有の難しさがあります。
スイカやメロンと違い、トマトは「下から順番に次々と実をつけていく」という特徴があります。
一番下の実が熟し始める頃、その上の段(2番目・3番目)では、ちょうど新しい実が大きくなり始めたり、花が咲き始めたりしているのです。
このタイミングで水をやめてしまうと、一番下の実は狙い通り甘くなるかもしれませんが、上の段の実や葉・茎の生長速度が落ち、実が小さくなったり、最悪の場合は花が落ちて実がつかなくなってしまったりするのでは、と考えます。
「二兎」を追う方法はあるの?
一番下の実の「甘さ」をとるか。
それとも上に続く実の「量や成長」をとるか。
トマトの水やり制限は、どちらかをあきらめなければならない悩ましい問題をはらんでいます。まさに「二兎を追う者は一兎をも得ず」になりかねない状況です。
「すべての段の実を大きく、しかも甘く育てる」という難しい問いを同時に解決するアイデアは果たして存在するのでしょうか。
