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トウモロコシ)肥料は届いてこそ意味がある【家庭菜園はたけのきろく’25 3/25】

肥料が「ある」ことと、「届く」ことは違う。
本当に必要な時に必要な場所で効くようにするには、根の成長を知る必要があった。

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前回の記事から。

実ができる作物には、カリウムが大事。
カリウムといえば、「灰」じゃないか。

けれど、その夜。持ち帰った草木灰の袋に印刷された成分表示を見て、血の気が引いた。
リン酸16%、カリウム20%。

10%以上の肥料成分なんて、今まで使ったことがない。
こんなに濃いものを、あんなにたくさん——
入れちゃったぞ。もう種をまいちゃったぞ。

肥料の量をざっくり計算してみた。
数字の上では「それほど過剰ではなさそう」と出た。タキイの施肥基準とくらべてもむしろ控えめだった。

けれど、まだ気になる。
計算だけでは見えてこないことがあるからだ。

そして、土全体に肥料を入れ過ぎたのなら、おそらく種をまいてから割と早く異変に気づけるだろう。

だが今回は、30cmの深さに肥料を入れる「溝施肥(みぞせひ)」をした。
それは、トウモロコシが必要とするタイミングで、本当に必要な量の肥料が届くかどうかは、トウモロコシの根が深さ30cmまで伸びないとわからない、ということだ。

今回は、トウモロコシの根の伸び方と、それに合わせた肥料の効き方について、調べたことと自分なりに考えたことをまとめてみた。

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いつ、根が肥料に届く?

トウモロコシの根が、地中30cmの肥料層に届くのはいつなのか。

一般的には、本葉6〜8枚期。
気温が20〜25℃で安定しているなら、3月23日の種まきからおよそ35〜44日後。

この時期、トウモロコシの地上部はぐっと成長スピードを上げ、草丈40~50cmくらいになる。根もまた、それに合わせるように深く伸びはじめる。

発芽直後は、主根と側根が浅いところに広がるけれど、本葉6枚くらいからは根の伸びが加速し、30cm以上にまで達するように伸びていく。

このとき地上では、茎が太くなり、葉の展開が早まり、光合成が活発になる。そしてますますからだを大きくしていく。

まさに育ち方の「ギアが入れ替わる」タイミングだ。

【調べてみた】根の主役が入れ替わるとき

植物生理の観点では、この本葉6〜8枚期にあたるV6期あたりから、根の主力が「第二次根系(seminal roots)」から「冠根(nodal roots)」へと交代する。

この冠根が、さらに深く、広く根を張っていく存在となる。

根の伸長スピードは日ごとに2〜3cmとも言われており、播種後30日前後がちょうど変化のピークを迎えることになる。

気をつけておきたいのは、このタイミングで土壌が乾燥していると、せっかく伸びてきた根が肥料層に届かない、ということ。

あるいは届いても、うまく栄養が吸えない。

逆に言えば、肥料を入れた場所に適度な水分があれば、根はそこに誘われるように引き寄せられていく

根は単なる重力に従って伸びているのではなく、
水と栄養という「環境からの誘因」に応じて動いているのだ。

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肥料が多過ぎ?少な過ぎ?

今回わたしが使った元肥は、
・骨粉入り油かす(N-P-K=5-5-0)
・草木灰(N-P-K=0-16-20)

心配なのは、リン酸(P)とカリウム(K)の過剰だ。

リン酸(P)とは

初期生育や花芽形成には重要な成分で、最初のうちはプラスに働く。
ただし、多すぎると鉄・亜鉛・マンガンなどの吸収を妨げるおそれがある。
特に亜鉛不足は、若い葉の黄化や小型化といった症状で現れることがある。

カリウム(K)とは

トウモロコシはカリウムを好む作物だが、カルシウムやマグネシウムとのバランスが崩れると、葉先が枯れたり、根の活力が落ちたりする。
マグネシウム不足では「葉脈間黄化(ようみゃくかんおうか)」、つまり葉脈の間が黄色くなる症状が典型的なサインになる。

と思いきや、最初はチッ素(N)が一番気になる

骨粉入り油かすにはチッ素(N)成分が5%ある。けれど有機質なので、分解・吸収には時間がかかる。

土全体ではなく深い溝に肥料を入れている。
ということは、土の表面や浅いところに、初期生育に必要なチッ素が足りないのかも。
芽が出て、本葉が出て、茎や葉が大きくならない? 根も伸びてこない?本葉6枚まで順調に育たない?

ちなみに、トウモロコシを育てる場所は昨年秋から今年の3月上旬までブロッコリーを育てていた。地中の養分を全て吸収しないとはいえ、肥料食いのブロッコリー。チッ素は土にどのくらい残っているだろうか。

【チェックポイント】
本葉3〜5枚の頃(20~30日目)
・葉が薄緑〜黄緑に見える
・成長が緩慢
といったサインがあれば、チッ素不足の可能性が高い。

【調べてみた】不安への処方箋:追肥の選び方

チッ素(N)を補給するための肥料。
自分の手元にあるもので追肥に使えそうなのは、以下の2種類。
・油かす(N-P-K=5-2-1)
・液体肥料(N-P-K=15-6-6)


調べたら、使いどころで役割が変わるようだ。

▼ 油かすが向いているケース

・生育が順調なとき
・根張りを強くしておきたいとき
・これからの成長に備えたいとき

じっくり効きながら、微生物の活動も促す。
土づくりと栄養供給を両立したいときに適している。

▼ 液体肥料が向いているケース

・葉が明らかに薄い
・成長が止まりがち
・雨が続いて土が冷え有機肥料の効きが鈍いとき

即効性があり、葉面散布もできるので、根がうまく働いていないときでもリカバリーしやすい。

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なるほど。
本葉3〜5枚の頃に葉の様子を見て、液体肥料をやるのがいいかもしれない。

リン酸(P)・カリウム(K)が過剰だとしても、できる対応があるようだ

「有機堆肥は栄養吸収のスピードをゆるやかにする、緩衝材になる」ということがわかった。

肥料を「無効化」するのではなく、
吸収環境のバランスを整える、という発想だ。

よし。
バーク入り牛ふん堆肥はたっぷりと入れてある。

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見るべきは、葉の色と形

・葉が薄くて小さい→チッ素不足の可能性
・葉先が枯れる→カリ過剰 or 水分不足

とくに本葉5〜6枚期からが、見極めどき。

根は、設計図通りに伸びていく。
でも、その通りに育つとは限らない。

だからこそ、私たちは「根の旅」に寄り添うように、土の中の環境や水分、栄養の届き方を意識していく必要がある。

入れたかどうかではなく、届いたかどうか。
与えたかどうかではなく、効いているかどうか。

必要なときに、必要なぶんだけ。
その見極めは、計算だけではわからない。

でもきっと、葉が、根が、そして作物そのものが、
それを教えてくれる。


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以前、トウモロコシの育ちについて2回に分けて書いています。


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