中核派の分裂
(遅くなったがこの件について私見を交えて書いておくが、ブログには転載したくない。ツイッターで宣伝したくない)
2025年9月11日、スマホをいじっていたらツイッターでとんでもない情報を目にした。余談だがこの日は年に一度の長距離旅行中で、旅行気分がすっかり醒めてしまった。私も一応、中核派のシンパだからな。熱心ではないが。
1 中核派による石田さん排除の声明
あの石田真弓さんによる「女性差別・性暴力」が明らかになり、党から追放されたんだと。そんなことをするような人とは思えないが。洞口さんや矢嶋さんと同様に前進チャンネルでお馴染みだ。いわば中核派の「顔」ではないか?いったいどういうことだ?
この記事のさわりを読んだ時点で額面通りに信じ込み、ツイッターで下らない反応をしてしまったことは反省したい。非常に長い文章なので勝手に要約する。
石田真弓さんは、革命的共産主義者同盟(中核派のこと)の政治局の一員であり、中央学生組織委員会(SOB)議長であり、女性解放組織委員会(FOB)指導部でもある。
しかし2025年3月の革共同第34回全国委員会総会の後に石田さんは、「自らの女性差別・性暴力を告発された」。石田さんはこの告発を認め、8月末に政治局に対し「一度死んで一からやり直す。除名もやむなし」と認めた。政治局はこれを受けて石田さんの全役職を解任し、「自己批判を貫徹させる」ことを決定した。
しかし石田さんは、動揺している「告発者」自身と「中央SOBメンバー」を巻き込み、政治局決定を撤回させようとした。2025年9月6日の第35回全国委員会総会(35全総)を前にして、密かに政治局を「女性差別者集団」「真の巨悪」と糾弾しつつ打倒を呼びかける文書を配布し、十数名の賛同者を得た。しかしこの動きを政治局が察知してしまった。なお石田さんらは「35全総」の当日、この文書を全国委員と傍聴者にも配布したが、これも墓穴を掘る結果となってしまった。
そして「35全総」で、石田さんは厳しく糾弾された末、「怒号を浴びながら演壇から引きずり下ろされた」。「告発者」も発言し、政治局決定に反対したが支持を得られなかった。
そして石田さんとそのグループは「会場から引きずり出された」。しかも居住している前進社からも「一人残らず一掃」された。追い出したということだな。私は行ったことはないが中核派の本拠地である前進社には学生たちが住み込みで活動しているそうだが。
・・・というわけだが、それにしても、「性暴力」とは具体的にどういうことか?犯罪行為ではないか?「自己批判を貫徹させる」だけで済むことか?被害者が望むなら、警察に通報するべきではないか?
石田さんたちはこの「35全総」で自分の主張に支持を得たいため、根回しをしたわけだよな。会議の前の根回しは当然のような気がするが、しかしその努力は実らなかった。
こういう場合、再起を期すか、居づらくなって組織から出ていくか、それか目立たないように大人しくしているか、いろいろあるだろうが、、、石田さんたちは「反革命」呼ばわりされて総会の会場から追い出され、直ちに組織から除名された。誰かを脅したわけでも、虚偽を並べたわけでもないのに。まあ中核派が、内部の異論を許容するような、懐が広い組織とは、ハナから思っちゃいねえが。革命を掲げる組織はそういうもんだろ。日本共産党でもヘタに意見すれば除名だろう。
・・・戦前から現在まで、革命を掲げる組織が、どれだけ国家権力による攪乱とスパイ工作を受けてきたことか。つい最近も、中核派に参集していた学生が権力のスパイだったことが明らかになり、前進社で尋問されていたが何を考えたか屋上から逃げ出し(前進社の出入り口は外側から施錠できるような構造ではないので、普通に出ていくことは可能だった)、怪我をして救急車で搬送され、中核派の活動家が逮捕された事件があったな(不起訴)。だから革命を目指す党はいつでも一致団結していなければならない!異論を挟む者を許容していればスパイを呼び込むことになりかねない!だから排除せざるを得なかった!そういうことだろ?
しかし、それは百も承知の上で言うが、前進社から即日追い出しとは、ちょっとひどいんじゃねえの。まるで内ゲバだよ。
それに、「告発者」が石田さんへの処分を望まないのなら、この話はこれでおしまいではないか?もっとも性犯罪の被害者側が告発を取り下げる、というのは多々あることだ、と中核派側が強調しているが。それはごもっともだが。
しかし、もう少し読みやすい文章を書けないのか。「猛然たる怒りを爆発」「圧倒的高揚感」「歴史的成功をかちとった」など、修飾が多すぎるのだが。失礼だが、こういう文章を書いていれば「中二病」と言われるのではないか。もちろんこれは中核派だけではなく、戦前からの伝統かもね。
2 全学連の声明
この事件を受けてツイッターの私のタイムラインは大騒ぎ、アンチ中核派は大喜び。様々な憶測、情報筋(のように見える)による暴露が飛び交った。
そもそも「告発者」とは誰なのか?と思っていたが、9月21日にその当人から声明が出た。なんと、全学連委員長の矢嶋尋さんだった!(もっともそれ以前から外野が矢嶋さんの名を出していたが)
知らなかったが矢嶋尋さんは石田真弓さんと結婚していた!ということは、犬も食わないなんとやらに政治局が介入した、とか?
こちらも非常に長文なので勝手に要約させていただく。政治局声明より読みやすい。
矢嶋さんと石田さんは2021年から交際していて、2024年に入籍したが、SNSなどでの中傷を警戒して公表していなかった。しかし二人とも活動が忙しく、家族の団欒の時間もなかった。
2025年7月、矢嶋さんは夫への批判を通じて、以下のような問題提起を行った。
・家庭の「領域」を「忙しいから仕方ない」で済ませていいのか
・それに夫は17年前、離婚が成立していない女性と交際していたことがあった(第三者から知らされた)
・それに組織はこのような状況を常に生み出しているのに、対応していない
・さらに、交際関係でも夫婦間でも、「性暴力」性がつきまとうことについて、私たちはどのように考えるべきなのか?
もっとも石田さんが矢嶋さんに性暴力を加える、ということはなかった。もちろん矢嶋さんの書いた石田さんを批判する文章の中にもそのようなことは書いていない。それに石田さんは矢嶋さんとの交際が始まってからは不倫したことはない。
矢嶋さんはこの問題提起以降、政治局員や同志らと討論を重ね、「石田の活動を自己批判に専念させるよう取り計らってもらいました」。
しかし8月21日の会議でこの問題が共有された際、矢嶋さんは「石田の言動が軽いものに感じ」て動揺し、翌日の深夜に数人の同志に自殺をほのめかすようなメッセージを送ってしまった。
この夜、2名の女性同志が矢嶋さんの下に駆けつけてくれたが、石田さんは女性同士に「来るな」と言われたというが、駆け付けてくれなかった男性同志らへの不信感が強まった。
この件について8月28日に会合が行われることになり、このときに提出した、石田さんとの家庭環境を「箇条書きに極端に悪く書いた文章」が、石田さん糾弾の根拠として利用されてしまった。(恐らくはこの時の感情に任せて書いたのではないか?)
そして8月31日、矢嶋さんへの相談が無いまま、石田さんを糾弾する「8.31政治局決定」が出た。以下はざっと要約するが、矢嶋さんが石田さんに望んでいることを、政治局は全く理解していなかった。政治局は、ただ石田さん追放を決定し、それに反対する矢嶋さんに対しても恫喝し追放したのだった。この事情は後に矢嶋さんがツイッターで言及している。
沖縄米兵による少女暴行事件と闘い、デモ飛び入り参加者による強姦未遂事件と闘い、運動指導部による性暴力事件と闘い、党は女性差別「事件」と闘うことはできた。しかし女性に育児と家事を押し付けて男性活動家が活動に専念している現実や、女性の性的客体化などの日常的課題を切開できていなかった
— 矢嶋尋(全学連委員長) (@toshobin) November 14, 2025
彼・彼女らに伝わるようなレベルに7月提起を8月28日文書まで自ら貶めたことが私の決定的な失敗。
— 矢嶋尋(全学連委員長) (@toshobin) November 14, 2025
この8月28日文書を他人が振り回して女性差別男達も元気に石田を糾弾する展開に「ちょっと待って」をかけるため文書の撤回を申し出たら、取り囲まれて恫喝を受けたのが私が問題としている9月4日事件。
要するに、彼女も含めた党の「水準」は、家族関係内の普遍的な女性差別を位置付けて向き合うということができないから、「痴話喧嘩」として陳腐化して女性をなだめるか、凶悪な女性差別「事件」化して強権的に介入するか、0か100なのだ。
— 矢嶋尋(全学連委員長) (@toshobin) November 16, 2025
彼女が8.28文書に飛びついた心理もようやく理解できてきた。
そして9月6日の第35回全国委員会総会(35全総)では、矢嶋さんへ激しいヤジが浴びせられ、矢嶋さんと矢嶋さんに共鳴する人々を暴力的に排除し、さらにこの日のうちに矢嶋さんたちは「着の身着のままで前進社から」叩き出された。
「私も含む若い世代の仲間たちは『カクマル』を実体験した感覚になったと口々に語っています」
矢嶋さんは、家庭の中で女性が負担を強いられていること、党員の家庭生活が犠牲になっていること、女性の性的客体化(男性が女性を性の対象としてしか見ない)、そして、これらの問題に向き合わない組織に問題提起をしたかった。しかし中核派政治局は、石田さんが「女性差別・性暴力」を行ったことにして、石田さん・矢嶋さんと、二人に理解を示す人々を追放したのだった。中核派にとって二人を排除しなければならない最大の、というか唯一の理由は、二人が党中央の決定に抗ったからだろう。かつて日本共産党が筆坂秀世さんを追放した件を連想させる。
両者の声明を読んでも釈然としない気分が残るが・・・しかし石田さんと全学連委員長の矢嶋さんは中核派にとって重要な人物ではなかったのか。中核派の「顔」と言える二人を追放することに、学生たちや私のような浮動票的な(笑)シンパに動揺が広がることを予想できなかったのか。他に解決策は無かったのか。
どうしても二人を排除せざるを得ないなら、「反革命」呼ばわりして即日追い出すようなことはせず、穏便に役職を解くべきではなかったか。
3 全学連への敵意を露わに
中核派の機関紙「前進」や、ネット上での中核派の広報「ZNN」には、「反革命石田」という言葉が躍るが、矢嶋さんの名は一切出てこない。公然の秘密だったようだが、矢嶋さんの弾劾声明が出てから、数多くの中核派系アカウントが、石田さんと矢嶋さんへの憎悪を露わにした。直前まで矢嶋さんと全学連をしつこく称賛していたのだが、「犬笛」が鳴れば態度が180度変わる。日本人は左翼もこうだよな。(しかし今でも「前進」など中核派の公式な文書には矢嶋さんの名前すら出てこない)
ネット上で公然と批判するだけでなく、陰湿なダイレクトメッセージを送っていた人もいる。「前進社 長野支局」という、私もフォローしているアカウント(削除したようだ)が、矢嶋さんに恐ろしいメッセージを送っていた。
私がなぜ、自分の悩みを綴って政治局と女性同志を信頼して渡した文書を勝手にバラ撒かれたことに激怒して抗議したのかといえば、このような女性差別への怒りなどみじんもない人間の手に「弱み」が握られることへの恐怖でした。私は必ず生き続けて、一から青年・学生・女性の党を作ります。 pic.twitter.com/uEMkO3guWN
— 矢嶋尋(全学連委員長) (@toshobin) September 22, 2025
恐ろしいな。まるで「闇のキャンディーズ」のようだ。
「闇のキャンディーズ」とは、とある新聞社社員がツイッターで用いていたハンドルネーム。「しばき隊」に共鳴していた彼はツイッターで、レイシストに対して恐ろしい言葉を投げつけ、さらに「SEALDs」や「しばき隊」に批判的な弁護士を中傷し、結局本名と勤務先が特定され、謝罪の上、退職に至った。(詳しくは検索してみて下さい!)
私もネトウヨは嫌いだが、あんな言葉は絶対だめ!レイシストを批判できなくなる!と思ったよ。
新潟日報の坂本秀樹さん、さんざん家族をネタにした脅しをしてたくせに、いざ自分がやられる立場になったら
— 壇助六(光のキャンディーズ) (@yaminocandies) May 3, 2016
「家族に危害が及んだら問題ではないか」
って言うの、ドラゴンボールでさんざん悪事働いてきたフリーザが最期に命乞いするみたいですき pic.twitter.com/LIJzEGvrSf
こんなことをしていると中核派は、ネトウヨも、あの界隈(首都圏反原発連合、しばき隊、SEALDsなど)も、批判できなくなるぞ。
もちろん私は、あの界隈が行っていた原発反対運動はもちろんのこと、レイシストへのカウンターも尊敬している。滅多にカウンターに混じることのない私より全然えらい。しかし彼らのメインなアクションは別として、権力と対峙する側や国会前・官邸前などで目立つ集団を、罵倒し排除する姿勢は唾棄に値する。彼らの行状が記憶に新しいこそ、「前進社 長野支局」の言動にも絶望する。
しかも「前進」にはこんな一文が掲載された。
「革共同東京都委員会は、反革命・石田真弓を白日の下に引きずり出し、完全粉砕することを宣言する! 革命党内で石田反革命を内包させてきたことを自己批判し、血の海に沈めるまで闘い抜くことが、労働者階級に対する革命党の使命である。石田よ! お前を絶対に許さない!!」
「粉砕」「血の海に沈める」などは本気で物理的に実行しようというわけではなく、毎度の比喩的な表現だと思うが。前進紙面上で見られる「〇〇粉砕!」「□□打倒!」などの威勢のいい表現と同様の。気の弱い私にはとても言えないセリフだが。
しかし中核派はかつて実際に「完全殲滅」を繰り返してきた組織であり、私のような薄いシンパや、中核派と関係が深い諸団体に動揺が広がることを懸念するべきだったのではないか。
2025年9月24日に「京都府警・伏見留置センター」の前では中核派が全学連の学生に襲いかかる事件が発生したという。(2024年12月13日に京都大学で行われた全学連の集会にて大学職員の妨害に「身を挺して」抗議した学生が2025年9月3日に逮捕され、同月起訴された。当日は全学連がこの不当な起訴に抗議するため集まっていた)
これではまるで、「しばき隊」やSEALDs防衛隊(を名乗っていた連中)と同じではないか。
・・・2015年9月、戦争法制採決を目前にした国会前で、SEALDs防衛隊が、中核派系のユニオンの組合旗を破り、さらに掴みかかるなどの妨害行為に出た。
2015.9.18国会正門前で全学連に襲いかかるSEALDs防衛隊
相手が男性なら必ず複数の男性で襲いかかるのは、さすがは白色テロ集団だなとあとから感心した。もちろん私服警官らしき人物も近くにいたが、一切制止しなかった。もし中核派側が反撃すれば、弾圧されるのは中核派だろう。相手が反撃しないと分かっているから、攻撃するのだ。
昨年9月の中核派の行動も同じではないか。学生たちが自分たちの攻撃と等しい勢いの反撃をすることはないだろう、という計算があったのではないか。もし弾圧されてもこちらには救援連絡センターついている、優秀な弁護士が何人もいる。学生たちには何もない。それに弾圧されるのはおそらく学生のほうではないか、と計算しているかもしれない。学生が本気を出せば勝ち目がないだろうが、中核派が圧倒的に有利な状況であり、だから彼らは襲撃に出たのではないかと思う。
上掲の弾劾声明によると、中核派側の一人は介入してきた警察官に「『トラブルへの苦情』を申し立てて学生への弾圧を懇願」したという。まるでレイシストや日共、それに「しばき」界隈のようだな。中核派、堕ちるところまで堕ちたな。いや元からこうだったのが本性を顕しただけか。「犬笛」が鳴れば「ニセ左翼暴力集団め!」「反革命め!」とわめき出し、権力に頼ろうとする姿がそっくりだ。
こうした状況から、10月12日に全国集会を予定している三里塚芝山連合空港反対同盟も懸念を表明。そして、不測の事態を避けるために中止となった。つまりは中核派が全学連にゲバルトを仕掛けるのではないか、という懸念のためだ。怪我人が出るレベルの。
非常に残念だが、内心ほっとした。もしゲバルトが実行されたら?中核派のシンパたる立場の私も加わらなければならないのか?それだけは御免だ、制止しなくては!しかし殴られるかも?中核派の友だちから絶交されるかも?それは仕方ないが、後々嫌がらせを受けるかも。名指しで反革命呼ばわりかも?と恐れていたからね。
それにしてもね、妨害者に転落した日本共産党も革マル派も三里塚から追い出されたが、中核派は全国集会を中止に追い込んでしまうとは、大したもんだ(?)
しかも滑稽なことに、全国集会が行われるはずだった10月12日直後の「前進」には、全国集会が中止になったことが全く言及されていない!(間抜けなことに1985年の10.20闘争についての記事があった)都合の悪いこと、都合の悪い人物は存在すら無いことにするんだな。そういえば日本共産党も似たようなことしてたなあ。
4 住まいを奪われ、私物も取り返せず
話は変わるが矢嶋さんたちは、前進社から追い出された際、私物、身分証や現金さえも持ち出せず、いまでも取り返せないという!
前進社に全ての私物本を奪われたので、図書館で借りてきました👍 pic.twitter.com/cj3f77IMHw
— 矢嶋尋(全学連委員長) (@toshobin) October 12, 2025
買い戻せるものはもう良いんですが、義母が生前手作りした革のバッグ、アコーディオン2台と地道に集めた楽譜、中学時代から集めていた小説や詩集、友達に借りてた本、友達からのプレゼントは返してほしいですね🥲
— 矢嶋尋(全学連委員長) (@toshobin) October 12, 2025
国家権力の強制執行でもブツは後日返すのに!
革共同は、広大の仲間が自分たちで買ってサークル棟改修工事に伴って移動させている印刷機を「盗んだ」などとデマ宣伝する前に、前進社に住んでいた学生の生活手段と身分証類と貴重品(親族から預かっている現金や貯金も含む)を返せよ。 https://t.co/u3TqnMHgoo
— 矢嶋尋(全学連委員長) (@toshobin) January 29, 2026
この件について中核派側は沈黙し、矢嶋さんもこれ以上追及するつもりはないようだ。ネットを見ているだけでは分からない事情があるのかもしれないが、私物は返すべきだろう。
もちろん学生たちは前進社と賃貸契約を結んでいたわけではないだろうが、それでもせめて転居先が決まるまで1ヶ月くらい猶予を与えるべきではなかったか?
うまい言い方は出来ないが、中核派という組織は、他者の立場を顧みることは全くないようだな。立場の弱い人々に寄り添うのが左翼のあるべき姿だと思っていたのだが、党利党略しか頭にないようだ。まあどこの組織も似たようなものかもしれない。
5 常に分裂を繰り返す
私が中核派と関り始めたのは2008年ごろだった。それより前だったと思うが、杉並区の「つくる会」教科書採択反対運動を行っていた「親の会」から葉書が届いた。私は2005年の杉並区教科書採択の際、「親の会」の会員となっていたのだが、「もうこの活動を続けられません」という内容だった。
「親の会」が、中核派のシンパとそうでもない人々で分裂したのだ。そして杉並区議の新城さんもけしばさんも中核派と袂を分け、中核派はこの二人を敵視した。これが私が最初にリアルタイムで知った中核派の分裂だった。
それ以前も、その後も、何度となく中核派は分裂、追放を繰り返していた。同志だったはずの人々を、あいつはスパイだ、反革命だなどと言って追放した。「関西派」(革共同再建協議会、あるいは塩川派)などと言われても私には全く分からないが、脱落した人々だと教え込まれた。東大生の高原さんが全学連委員長に就任したときはメディアでも取り上げられていたが、気が付けば彼も追放されていた。
中核派が市民運動から追い出されることもあった。中核派も参集していた反原発の団体が突然、「当団体は中核派とは一切関係ありません」と声明を出したこともあった。中核派も加わっていたことは外野から見ても明らかだったのだが、なぜわざわざこんな声明が必要だったのか。
福島県の子どもに甲状腺がんの検査をしていた診療所からも追い出された。中核派が設立した診療所だと思っていたのだが。
どうやら中核派は以前から、共闘する団体に干渉しすぎて嫌われる傾向があるようだ。救援連絡センターの運営を巡って揉めていた際、ネット上でも議論が激しく、中核派の主張を擁護する側は「中核派が金を出してきたんだ」「救援連絡センターは、誰でも助けるものじゃないだろう。それともなにか?右翼も助けろというのか?」と主張していた。
右翼は助けるべきではない、という感情は理解できるし、実際に右翼が救援を求める事態は考えられないが、救援連絡センターとしては、右翼は救援しない、と断れる立場ではないだろう。以下のように宣言しているではないか。
①国家権力による、ただ一人の人民に対する基本的人権の侵害をも、全人民への弾圧であると見なす。
②国家権力による弾圧に対しては、犠牲者の思想的信条、政治的見解のいかんを問わず、これを救援する。
との二大原則に基づき、全ての被弾圧者の人権を擁護する活動を行うことを目的とする。
救援連絡センターは人権を守るための団体だ。セクトは関係ない。右翼だの左翼だの言っていられない。これを理解できないようだ。
なお、映画「君が死んだあとで」では、救援連絡センターの創始者の一人である水戸巌さんの奥様が、当時の苦労を語っていた。
「救援連絡センターの会報に、『〇〇派を殲滅せよ、と載せろ』と要求するセクトがいたんです」
そういう要求はおかしいことが分からなかったのか。中核派かもな。だとすると、この当時から全然進歩してないんだな。
星野文昭さんを支援する組織は全国各地にあるが、2022年に「みやぎの会」が中核派から追放されてしまった。3月11日に中核派主催の反原発集会に参加せず、別の集会に参加したことが問題視されたらしい。
同年11月の星野さん集会では、会場のロビーで数人の男女が大勢に取り囲まれ、「反革命!」などと罵倒されていた。この日は、大坂正明さんのご親族の方が初めて登壇する日だったのだ。これ以前は中核派の活動に関わったことはない方だ。いきなり党派の醜い姿を見せてどうするつもりだ。
このような党の姿に失望したのか、多くの知り合いが中核派の活動から去っていった。毎月しっかりカンパをしている、働き盛りの人々だ。残るは、私のようなカンパはしないし党員にもなっていない、熱意がない人間だけだ。しかしこんな私も遅すぎたが今度ばかりは目が覚めた。
・・・かつて中核派は毎年8月、首相の靖国参拝に抗議する靖国デモを行っていたが、いつの間にか行われなくなった。3月には2003年のアメリカのイラク侵攻に抗議する反戦集会を行っていたが、2011年を最後に行われなくなった。代わりに毎年福島県で反原発集会を行っているが、これもいつまで続くことか(そもそも東京の人間が東京に電気を送るために原発を造って事故を起こしたのだ。反原発デモは東京で行うべき!)。反原連が活動を休止したので官邸前は空き家なのに(笑)
コロナ禍の時期には医療崩壊に抗議する集会を行っていたが、これも最近は聞かない。8月の広島・長崎デモは、続けるだろうね。
要するにさ、チャラいんだよ(笑) 世論が沸騰した事案には食いつくが、世論が去れば自分たちも去ってしまう。しかもそれらの活動が党利党略丸出しだ。もちろん組織拡大は重要だが、チラシ配り・署名集めならまだしも、オルグが露骨だ。今更だが、反原連が中核派を目の敵にしていたのも理解できる。
以前、中核派を批判しているジャーナリストがテレビでインタビューを受け「中核派は革命なんかやるつもりはない。組織を維持したいだけ」と語っていたが、その通りかも。共産主義者ではなく、共産趣味者かも。だから今どきデモの時に参加者にヘルメットをかぶらせ、存在感を示したいのだろう。ファッションで革命はできないよ。「アキノ隊員」こと宮城秋乃さんも、中核派呼ばわりされたときこのようにコメントしていた。たしかにアキノ隊員は中核派よりよっぽど過激だ。
私は近年の中核派より暴れてます。しかも弾薬を使用します。雰囲気極左と一緒にしないでください。あと、すでに2回逮捕されてます。 https://t.co/h6o5VlLay3
— アキノ隊員 (@TaiinAKN64) March 16, 2024
6 まず、目の前の問題に取り組むべき
2025年11月、中核派が毎年最も力を入れている「全国労働者総決起集会」に参加した。私は2008年以降毎回参加しているが、今回は気が重い。全学連が参加できるわけがないし、何があったか知らないが関西生コン支部も港合同も参加しないし。関生が参加しない11月集会に意味があるのか。
関生支援東京の会 闘争の意義確認し解散 – ZNN.JP
日比谷公園野外音楽堂が改修工事中のため、今回は芝公園23号地。あまり広くないので無理な動員はかけなかったのだろうか(私は2008年に誘われて参加したが、「動労千葉」も知らないほどの無知だった)、公式発表では参加者2150人だが、実数は千数百人程度ではないか。

なお以前は日比谷野音に5千数百人が参加、などと発表されていたが、あの会場は3000席しかない。着席せず後ろで見ている人も多かったが。喫煙所もあったし。
この芝公園23号地は最近中核派が反戦集会でよく使っている。トイレは1ヵ所しかないため大行列、喫煙所もない。しかし若者が多く集まっていて、私のような初老には場違いに感じるほどだった。しかしこの日は若者の姿がめっきり減っていた。
かつて、この場所から白いヘルメットをかぶってデモに出発した私たち中高年の参加者を、同じく白いヘルメットをかぶった若者たちが機動隊からの圧迫から守ってくれたことを思い出す。あの若者たちも全学連が追放されたことに嫌気がさして活動から去ったのだろうか。寂しいなあ。
それにしてもね、9月の分裂の直前まで、中核派に若者が順調に集まってきて活力が湧いているような気がしたが。その中心が矢嶋さんだった。中核派は自分で未来を閉じてしまったんだよ。
(最近の中核派はデモ参加者に「反戦」などとゲバ文字が書かれた工事用の白いヘルメットを貸与することが多い。ゲバルトならバイク用のメットのほうが実用的だし、そもそもゲバルトさせるつもりなど全くない。ただ、大勢の中核派が都心でデモ、という演出をしたいだけだろう)
この集会ではもちろん市東孝雄さんも発言した。
「今年の三里塚全国集会は、苦渋の決断の末、中止となりました。事情については皆さんご存じかと思いますが・・」
と仰っていたが、その「苦渋の決断」を強いたのは中核派だ。私のような末端のシンパも責任があると思うと心が重い。
ところが!私は恥ずかしさと申し訳なさで脳が混乱していたのか、現場では聞き逃してしまったが、市東さんは「本当に申し訳なく、おわび申し上げます」とも、述べていたようだ(前進 3421号 労働者集会特集記事)。
なぜ市東さんが謝罪しなければならないのか。そのように追い込まれていたのか。(なお「前進」新年号の座談会にて、三里塚全国集会中止について謝罪するコメントがあった。3ヶ月前に言うべきだったな)
例年、長い集会の終わりごろに全学連の学生たちが登壇し、場の雰囲気が一転し、長い集会に疲れて飽きていた参加者を奮い立たせ、デモに出発・・・という流れだったが、今回は「全学連書記次長」の渡辺祥英さんのほか数名が登壇。新規の全学連を立ち上げようとしているようだな。

例年のような盛り上がりはなかった。寂しいなあ。デモは、毎度の赤坂の小さい公園までかと思ったら、なんと日比谷公園まで。疲れた。
ところで、映画「君が死んだあとで」を見て知ったが、羽田闘争で亡くなった山﨑博昭さんは中核派に参加していて、インタビューを受けていた同世代の方々にも中核派と関りのあった方々が多かった。かつて中核派には多彩な人士が集っていたようだが、皆さん、愛想をつかして離れていった。(日本共産党も似た面があるなあ。あのナベツネも共産党のシンパだったではないか)
常に分裂を繰り返し、多くの方々が失望して去っていく。これが中核派というものだろうか。まあ私は何も知らない無知無学であるが、労働者が搾取され戦争に引きずり込まれるこの社会を根底から覆したい、労働者が中心の社会を作りたい、もちろん天皇制も日米安保もいらない・・・という自分の願いが、中核派の主張と少なからず一致しているので付き合っていたわけで、別に中核派という組織だけを支持していたわけではない。
組織に属していないならデモや街頭のアクションに一人で混じればいい、一人で街に立てばいい。今までもそうしてきたではないか。もし弾圧されたら「さあ~ごくいり、いみお~い」(救援連絡センター03-3591-1301)だ。そして権力には「弁護士は救援連絡センターの大口昭彦を選任します」と告げ、あとは完全黙秘・非転向だ。私たちは決して一人ではない。
というわけで中核派の独自集会には魅力を感じなくなった。中核派系の団体で活動をしていたり、あるいは私のように軽くシンパシーを感じて付き合ってきたが、動揺を感じている人々も多いかもしれない。しかし中核派にはまだやるべきことがある。
11月集会でも数々の労働者が職場で闘う決意を述べていた。いまさら中核派の組織拡大を願っているわけがないが、活動家にせよ、単なるシンパにせよ、自分の目の前の、それぞれの課題に取り組むべきだ。
市東さんの農地を守るための最も大きな組織は中核派だ。それに星野文昭さんの国賠控訴審に勝利し、星野さんと同様に冤罪被害者である大坂正明さんを取り戻すために闘わなくてはならない。中核派にも、国家権力の横暴に脅かされる私たち市民にも、その責任がある。
7 闘い続ける全学連
2026年1月11日、三里塚芝山連合空港反対同盟の旗開きとデモに参加した。

この日はプライベートの事情のため早めに帰りたくて、デモが終わったら帰ろうかと思っていたが・・・結局、車に乗せてもらい、芝山町の「やすらぎの里」で行われた旗開きにも参加した。
市東さんの南台の農地の横で集会、デモ出発直前に矢嶋さんたち全学連も到着、最後尾についたと思われる。中核派も全学連もお互いを黙殺している。恐らくは反対同盟から「揉め事は起こさないでくれ」という申し入れがあったのかもしれない。

天神峰のバス停付近でデモ終了、それぞれの車に向かった。歩きながら、どなたか存じないが恐らく中核派の人たちが小声でささやくのが聞こえた。
「矢嶋全学連の車、タイヤがペチャンコ。高速でバーストするかも。知ったこっちゃない」
どこにその車が停めてあったのか分からないが。未舗装路なのでタイヤが雑草に隠れてそのように見えただけかもしれないが。しかし、たしかに今では敵対する関係になってしまったが、気づいた時点で「スタンドで空気入れてもらえ」などとアドバイスするべきではないか。重大事故に至るかもしれない。三里塚闘争に参加した車が事故を起こせば闘争全体にマイナスだ。第三者にも被害が及ぶかもしれない。中核派の活動家のメンタリティはこうなのか。血が冷える思いがした。
「やすらぎの里」での旗開きの参加費はたったの1000円、ケータリングの料理は食べきれないほど、ビールなど飲み物も出た。全く頭が下がります。
昨年10月の全国集会が中止になったせいか参加者が多く、会場が2階と1階に分割された。中核派は2階のメイン会場、全学連は1階のサブ会場。メイン会場で発言が行われていたが、全学連には発言の機会は与えられないだろう(と思い込んでいた)。メイン会場の方は若者も多かった。新規の全学連立ち上げのためのオルグが順調なのかな。
そろそろタイムリミットだ、帰らなきゃ。目の前にバス停があったな。ところが時刻表を確認していなかった!かなり待つことになる!仕方なく1時間かけて芝山千代田駅まで歩いた。航空科学博物館のバス停から乗ろうかと思ったが時刻表を見れば歩いた方が早そうだ。

集会が終わるまで待って車に乗せてもらったほうが早かったかも。プライベートな事情の方は取り越し苦労だったし、市東さんの登壇を待たずに帰るとは、何しに来たのか分からない!
・・・私は集会・デモに限らず各種のイベントも、大抵の場合は、最後まで付き合うクチである。そして「さっさと帰れば良かった!」と悔いることが多い。ロックフェスでトリのバンドを観ずに帰ってしまったことは複数回あるが、あとからそのバンドのパフォーマンスが素晴らしかった、という話題を目にしても別に後悔はしない。
ところがこの日だけは、途中で帰ってしまったことを非常に後悔した。なんと矢嶋さんたち全学連が登壇したのだ!
全学連と労働者の仲間と、三里塚新年団結旗開きに参加しました✊
— 矢嶋尋(全学連委員長) (@toshobin) January 11, 2026
2026年も反対同盟と連帯して闘うぞ!
3.29芝山闘争へ! pic.twitter.com/rOyHIeXuYS
中核派からの妨害は無かったようだが、それにしても会場の恐らくは半数ほどを中核派とそのシンパが占めている場所に立った矢嶋さんの、闘う決意の強さを尊敬する。ボキャ貧だからうまく言えないが、生命の輝きを見たというか(現場にいなかった私は見ていないが)。だから私たちもそれぞれの職場で、街頭で、闘い続けることを誓おうではないか。
