子どもには教えない税金の話
税金は何のためにあるのでしょう。「学校や道路を作ったり、警察や消防などの公共サービスを行うのためのお金」。子ども向けにはこう説明されます。それは正しいけれど、実はそれだけじゃないらしい。
税金とは。
まず一つめ
税金は、みんなで使うもののためにある。
学校、病院、道路、警察などは、ひとりでは作れないし、みんなが使うもの。市役所の行政サービスもそう。だから、みんなで少しずつお金を出し合って支えている。それが税金。
二つめ
税金は、お金の偏りを少なくする役割がある。
世の中にはたくさんお金を持っている人と、あまり持っていない人がいる。そのままでは生活に大きな差ができ、その差が次世代までも固定されてしまう。
そこで税金を使って、一部を集めて、困っている人に届ける。
これで、みんなが安心して暮らせるようにしている。
そして三つめ
税金は、お金の量を調整し、物価を安定させる役割もある。
一つめや二つめで見てきたように、国は道路や学校を作ったり、給付金を支給したり、年金や医療費の一部を負担したりと、さまざまな形でお金を使っている。税収だけでなく、国債の発行などによってお金を使うこともある。
もし、こうした支出ばかりが増え、税金で回収するお金が少なければ、世の中に出回るお金が増えていく。
物やサービスの量が変わらないのに、お金だけが増えると、みんなが「多少高くても買いたい」と考えるようになり、物価は上がりやすくなる。
これがインフレだ。
そこで税金を集めることで、世の中に出回るお金を一部回収し、お金の流れを調整している。
もちろん、税金だけで物価が決まるわけではない。景気や中央銀行の金融政策なども影響する。それでも税金は、お金の量や景気のバランスを整える大切な役割を担っている。
つまり税金は、
・みんなで使うものを支える
・お金を持っている人と、持っていない人の差を小さくする
・お金の量を調整し、物価を安定させる
という、いくつもの役割を持っている。
少しむずかしい言い方をすると、税金は「社会とお金のバランスを整えるしくみ」です。
だから税金は、ただ取られるだけのものではありません。見えないところで、みんなの生活がうまく回るように働いているのです。
