【高騰は続く】再販版RTX3060 12GBが6万円【AI需要】
はじめに
筆者も利用している2021年に発売されたミドルクラスの化石GPUが、半導体不足の生産停滞と高騰で、(再生産品かどうかは不明ですが)日本の大手小売店で新品59,800円で入荷・販売したとの事。
なぜこれほど強気の価格設定なのかを考察してみたいと思います。
ゲーム用途では価値なし
多くの人が指摘していると思いますが、RTX3060は(発売当時のライバルと比べても)演算性能が高いGPUではありません。2026年に6万円は明らかにボッタクリと思える価格です。
ゲーム目的であれば、8G VRAMのRTX 4060/5050/5060の方がより安く高性能なものが手に入ります。テンサーコアを利用したフレーム生成機能が利用できるのも40xx以降なので、3060では基本的なDLSSしか利用できません。
それなのに、なぜ6万円なのかというと、VRAMが12GBだからです。
AI用途ではVRAM容量 >>> GPU演算性能です
CUDAが利用可能な現状の12GB以上のGPUは、**70以上の上位・ハイエンドモデルか、ミドルレンジだとRTX4060ti-16GB/5060ti-16GBしかありません。高騰している現状では10万円以上します。
つまり、新品でCUDA利用可能かつ12GB VRAMを手に入れようとすると、6万円が最低価格という事になります。そう考えると妥当な価格にみえてしまいます。(ハイエンドはいいとして、そもそも4060ti/5060tiが高すぎるんです…)
AI利用でのVRAM容量の大きさは「動作するかしないか」を決定づけるものなので、8GBと12GBには大きな壁があります。
ゲーム用途であれば、下位モデルGPUを利用しても、高画質にできない・FPSが下がるだけという事がほとんどですが、AIの場合は、メモリが足りないとそもそも動きません。背に腹は変えられないので、強気の価格設定なのだと思います。
※ LLM(大規模言語モデル)ならNVIDIA製以外のハード選択肢が多いですが、画像や動画生成AIでは、CUDAがまだまだ独占状態です。
その他注意点
RTX3060には、ダイ型番がGA104とGA106版があります。再販版がどちらのものかはわかりませんが、GA104は、より上位の3060tiや3070と同じものになっています。
だからといって性能が変わるわけではないようですが、ダイの物理サイズが大きいので、冷却性能やOC耐性で有利になるようです。(筆者のRTX3060は二台ともGA104なので実測できません)


引用:http://benchmark.finalfantasyxv.com/jp/
背伸びすればそれなりのスコアが出ます。
しかし、定格かつネイティブでないオーバーヘッドのあるLinux Proton動作では、ああまりふるいません。

AI利用ではまだ定番
もちろん、RTX3060の12GBという大容量のVRAMが最大の理由ですが、
AI演算は、従来のシミュレーションのような精密な演算(倍精度64bitや単精度32bit)が必要ないため、今のGPUでは、16bitの浮動小数点で扱うのが標準です。
その16bitのAI専用の演算を可能にするのがRTXシリーズからの「テンサーコア」です。RTXは2000番台から始まりますが、さらに世代があります。大雑把に言うと、
RTX20xx番台(Turing):fp16が使えるようになった!
RTX30xx番台(Ampere):bf16が使えるようになった!
RTX40xx番台(Ada Lovelace):fp8が使えるにようになった!
RTX50xx番台(Blackwell):nvfp4が使えるようになった!
です。しかし、16bit→8bit→4bitと高速&省メモリになる一方で、精度を失います。
※ ソフトウェア側が対応していれば、nvfp4をRTX30xxで動作させる事はできます。しかし、nvfp4→fp16等に変換してから演算するので速くならないだけです。
最新世代になれば、fp8・nvfp4をネイティブに利用できるわけですが、精度が8bit、4bitになるので、品質は落ちます。なので、AI演算において実質的に劣化なしとされるバランスの良い精度が、16bit(fp16/bf16)とされています。
その16bitに100%ネイティブ対応したのがRTX30xx番台なので、今でも定番になっている理由です。
まとめ
たしかにRTX3060のゲーム性能は、2026年において大きく見劣りしますが、DLSS+Full HD画質でレイトレを利用しないという条件であれば、現行ゲームを高〜最高設定でプレイできる能力は持っていると思います。
旧世代のRTX3060が6万円、DDR4-3200の64GBが7万円とか信じられない時代になってしまいました。
一方で逆に考えれば、普通のゲーミングPCのハードの進歩・買換えが停滞するので、ゲーム業界は顕著かもしれませんが、ソフトウェア開発者側にとっては、落ち着いて最適化に専念できるという良い面も出てくるかもしれません。
