『日銀のバランスシートの行く末』輪番減額の中間評価はどうなるか
2025年3月現在、日本銀行は国債買入残高の減額を進めている。減額の進め方は2024年7月の金融政策決定会合で示された通りだ。

4半期ごとに月額の買入フローを4000億円というペースで減らしている。
国債買入減額の進め方については、2025年6月の金融政策決定会合で中間評価を実施する。
中間評価では、今回の減額計画を維持することが基本となるが、国債市場の動向や機能度を点検したうえで、必要と判断すれば、適宜、計画に修正を加える。また、同時に、2026年4月以降の長期国債の買入れ方針について検討し、その結果を示すこととする。
とある通りだ。現状、総裁を含むボードメンバーから、国債買入減額に特段の問題が生じているとの認識は示されていない。この点、2025年3月決定会合の主な意見でも確認できる。
国債買入れの減額計画について、今のところは、既存の計画を大きく変更する必要性は感じないが、2026 年4月以降に関しては、より長期的な視点から検討する必要がある。
国債買入れ減額の中間評価で、国債市場の動向や市場機能を点検する際、市場参加者の見方を伺うことになるが、そのプロセスでの市場との対話は、長期金利の安定の観点からも重要である。
目下の論点は「2026年4月以降の長期国債の買入れ方針」である。主な意見では、「長期金利の安定」と「より長期的な視点」という二つの論点が提示されている。現行の減額ペースを基本に、減額を早めるのか、遅らせるのか。どこまで減額するのか。
現行の買入減額計画が決定される前の2024年6月、筆者なりの推計をこちらのエントリーで提示した。基本的には数字の置きの問題であり、この時のイメージから大きく変更する必要はないように思われるが、現行の減額方式に合わせて再度シミュレーションを行った。

ケース①
1つ目は、減額ペースを四半期あたり4000億円で維持して1年間延長し、その後買入ペースを維持するケースだ。月間の買い入れ額は概ね1.5兆円まで減額される。
ケース②
2つ目は、減額ペースを四半期あたり2000億円に落として1年間延長し、その後買入ペースを維持するケースだ。月間の買い入れ額は2兆円程度まで減額される。
いずれにしろ、市場動向次第で必要があれば臨時の国債買入等で対応する方針は維持される筈だ。依然、日銀が保有する国債のストックは非常に大きく、短期的に市場が混乱する可能性は高くないだろう。
より重要なのは、長期的に日銀のバランスシートをどの程度まで落とすのか、どの程度のペースでそこへ向かうのかだ。長期的に見た場合、日銀の保有国債残高は、ケース①で110兆円程度、ケース②では180兆円程度に収束する。
日銀の国債保有残高の目途としては、過去に銀行券ルールという概念があった。日銀の長期負債と長期資産のバランスを考えた場合に、保有国債は流通銀行券を下回っているべきだという考え方である。
確認できる直近、2025年3月20日の発行銀行券は118兆円である。発行銀行券は、長引く超低金利下で増加の一途を辿ってきたが、今次利上げ局面に至って動向はやや不透明だ。ただ、一応の現時点の目途として銀行券残高をイメージするのであれば、将来的に日銀の国債買入を月額1.5兆円程度まで落とす必要がある(この数字は買入銘柄のデュレーションにも大きく依存する)。そこまで落とすのにどのくらいの時間をかけるのか、ゆっくり進めるのか、坦々と進めるのか。市場に混乱を与えないペースはいかほどか。
今後の市場との対話を通じて、次第に目線がそろってくるものと考えられる。
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