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動作分析は答えを教えてくれない1

「野球教室をしたい」と話すと、これまでによく言われてきた言葉があります。
それは、「何を教えてくれるんですか?」という質問です。

そう聞かれると、いつも少し困ってしまいます。
なぜなら——答えは一つではないからです。


■ 答えがない理由

その一番の理由は、求められるものが多すぎるからです。

たとえば「球速を上げたい」と言われたとき、
(筋力や体格の問題はいったん置いておくとして)理想的なフォームを挙げるなら、「足を高く上げ、身体全体をスムーズに連動(キネティックチェーン)させ、大きく腕を振る」というものになるでしょう。

個人的に、この理想を最も追求した投手がこの方だと思います。

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■ 理想と現実のギャップ

この選手を見て、皆さんはどう感じるでしょうか。

私は、もし投手が「球の速さ」だけを競うポジションであれば、
このフォームが人間が努力で到達できる一つの理想形だと思います。
(連動性に関して疑問を持たれる方がいらっしゃるかもしれませんが、個人的にフォームの柔らかさはかなり先天的な要素が大きいと考えています)

しかし実際の野球では、投手に求められるのは球速だけではありません。
クイックモーション、コントロール、変化球、球の見えにくさなど、
さまざまな要素が複雑に絡み合っています。

たとえば足を大きく上げるフォームは、確かに球速向上に有利かもしれませんが、投球に時間がかかり、ランナーがいる場面ではリスクになります。
また、トップの位置が明確に見えることで、打者がタイミングを取りやすくなるかもしれません。


■ 「球速を上げたい」の本当の意味

つまり、「球速を上げたい」という言葉の本質は、
「他の能力を保ったまま、球速だけを上げたい」という願いなのだと思います。

そう考えると、フォームを変えるよりも、エンジン(筋力)そのものを強化するほうが確実ではないかと考えています。しかし、筋トレを教えるのであればフィジカルトレーナーの方が専門であると考えています。世間一般では、「フォームを変えれば球速が上がる」という考え方が主流で、まずは選手自身が考えるというスタンスをとると、時には「フォーム指導もできないのか」と言われてしまうこともあります。


■ 動作分析の限界と役割

人体の構造上、「怪我をしやすいフォーム」と「しにくいフォーム」は区別できます。しかし、「打者を打ち取るために最も良いフォームはどれか」という問いには唯一の答えが存在しません。

このため、短期的な成果を期待してフォームを変えるような介入(指導)を私が行うことは少し無責任だと感じています。

とはいえ、良い方面で協力(サポート)できる限界点を突き詰めていきたいと考えています。この観点で、今の選手の状態をできるだけ正確に伝えることが、私にできる最大限の貢献になるとだと考えています。


■ 「今」を見つめるための3次元カメラ

投手がアウトを取るための手段は、球速、コントロール、牽制など様々です。指導者や選手は、それぞれがどんな要素でアウトを取っているのか、どの能力を伸ばせばより良くなるのかを考える必要があります。その過程でフォームの改良や新しい球種の習得が必要になることもあるでしょう。

しかし、まず大切なのは——
自分のフォームや動作から「この後どうなりたいのかを想像できること」だと考えています。このために、自分の今を最も正確に撮影できる3次元カメラを使用します。

(3次元カメラの説明はこちらです)


■ 棒人間ではなく、「自分そのもの」を見る

一般的に「動作分析」といえばモーションキャプチャーを思い浮かべるかもしれません。モーションキャプチャーは、棒人間(スティクピクチャー)でモデルを作り、関節の角度や足幅などを数値で精密に示してくれます。しかし、それらを理解するには専門的な知識や数値感覚が必要で、関節角度の数字などは出るものの、答えを教えてくれるわけではありません。

一方、3次元カメラでは、棒人間ではなく、最初から自分そのものに近い映像として動作を見ることができます。また、一般的なビデオ映像(2Dの動画)とは異なり、好きな角度から自分のフォームを確認することも可能です。
自分の「今」を理解し、コーチやチームメイト、家族と共有するための
最も分かりやすい情報になるのではないでしょうか。


■ おわりに

動作分析は、「正解」を教えてくれるものではありません。
しかし、自分の「現在地」を正確に知ることは、「成長の出発点」になります。

そのために、出来るだけリアルに自分のフォームを客観視する。
これが、私の考える「動作分析」の価値です。

3次元カメラでの動作撮影の紹介


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