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#3 本当にヤバい場所~崖(急傾斜地)~


1.崖(急傾斜地)ってなに?

はい!!3回目の投稿です。引き続きよろしくです。
本稿では、私の私見を述べていきますので、参考としてくださいね。

皆さんは崖って聞いて、どんなイメージですか?
崖って、急な傾斜の土地ってことで急傾斜地ともいわれるんですけど、高さ5m以上傾斜度が30度以上の土地のことを言います!

「思ったより、急じゃないじゃん!」って思いませんか?
だって、あの三角定規の角度ですからねぇ・・・・おなじみのこの角度ですよね!大した角度じゃないと思いますよね?

でも、この角度は、スキー場では超上級コースくらいの角度みたいです。
スキーやスノボーした人ならわかると思いますが、初心者なら直角なんじゃないかと思うほどの泣きそうになる角度です。
この角度よりキツイ角度かつ5m以上の高さになると、急傾斜って呼ばれるわけです。

さて、何で30°が基準となっているかというと、土が安定して崩れなくなる角度が30°と言われているからなんです。
「この角度以下なら、土が崩れる心配は無いよね!」という角度です。
専門用語では、この角度を「安息角」と言いまして、一般には馴染みのない用語で呼ばれておりますよ。

2.危険な急傾斜地とは?

30°を超える「急傾斜地」は日本全国津々浦々存在しますが、その中でも危ないとされる「急傾斜地崩壊危険地域」はどのようなものなのでしょう?
さっきの「急傾斜地」の定義を聞いて、「うちの裏にもこんな崖があるけど、これも急傾斜崩壊危険地域なのかな?」って思いませんでしたか?
こんな感じの崖ですか?

自然の崖に一部コンクリート補強している

こんな自然の崖だけではなく、こんな崖もありますよ。

空石積の崖

写真のような場所なら「急傾斜地崩壊危険地域」に該当する危ない崖かもしれませんよ。
あなたが、「いつもバス停から見ていたあの崖」「遊んだあの山」「毎日通る道の横の山」が実は危険な崖と言うことも十分あり得るのです。

「急傾斜地崩壊危険地域」とは、『崩壊する恐れのある急傾斜地で、その崩壊により相当数の居住者その他の者に被害のおそれのあるもの。また、この場所に隣接する土地のうち、急傾斜地の崩壊が助長・誘発されるおそれが
ないようにするため、一定の行為制限の必要がある土地の区域』となっています。
簡単に言うと、「崩れる恐れがあり、崩れるとその周辺の家や人名に被害が出る可能性がある場所」というわけです。

崖崩れのイメージ

3.急傾斜地崩壊危険地域はどこ?

具体的にどこが「急傾斜地崩壊危険地域」なのでしょう?
私の記事では定番の重ねるハザードマップ」(国土交通省)で見ていきましょう。
下の図は、鎌倉市の状況ですね。
黄色は、「土砂災害警戒区域:イエローゾーン」といって、『被害を防止・軽減するため危険の周知や警戒避難体制の整備を行う区域』、赤色は「土砂災害特別警戒区域:レッドゾーン」で『特に危険性が高い区域であり、開発行為が制限される場所』ですね。
イエローゾーンは被害の可能性がある場所、レッドゾーンは被害の危険性が高い場所と言う感じですね。

重ねるハザードマップ

これを見ると、鎌倉市の中心部をビッチリ急傾斜地が取り囲んでいることが分かりますね。
これを見ると、外部から侵入が難しい場所と言うことが分かり、源頼朝が幕府を置いたのも納得ですね。

さて、下のイラストは、福岡県砂防課から引用した「急傾斜地崩壊危険地域」のイメージです。(イラストにリンクを張っておきますね。)
斜面のすぐ近くが、レッドゾーンでその周辺がイエローゾーンとなっています。図を見るだけでも、危険な場所だなって分かりますね。

福岡県砂防課㏋から引用

いや~、昔から住んでいた人にとっては、レッドやイエローゾーンに指定されるのはイヤでしょうね。
危険であることが公表されて、資産価値が下がる訳ですから。
昔から住んでいる人の気持ちは、良くわかります・・・・・。
この指定に関しては、住民と役所とのバトルは激しいものだったろうなと思います。指定は大変だったろうなと想像に難くないですよね・・・

4.崖崩れの原因は?

崖崩れは人命を奪うことも多いとても危険な災害です。
最近発生した事例を記載しますね。
ひとつは2020年の逗子市。マンションの敷地の斜面が崩れて、たまたま通ってた女子高生が巻き込まれて亡くなった痛ましい出来事です。
実はその斜面、昔から「風化で弱ってるよ」って調査で言われてたのに、手を打たれてなかったようです。しかも前日には4メートルくらいの亀裂も見つかってたのに、対策が間に合わず…ほんと痛ましい事故ですよね。
ちなみにこの場所は、イエローゾーンの指定箇所だったようです。
被害者からしたら、普段通行している、道路が突然崩れたので防ぎようがないですよね。

もうひとつは2021年の大阪・西成区。ここは石積みの斜面が崩れて、住宅が2棟まとめてドーンと落ちてしまったんです。
ここでは、石積の間から、水とともに土が流出して家の下が空洞化することにより、家を支えられなくなり崩壊したとのことです。
例えると、ジェンガのように少しずつ中身がなくなっていって、ついには耐え切れず崩壊するみたいな感じですかね。

上記の事例は下記にリンクを張っておきますので、詳しく知りたい人は見てくださいね。
逗子市の災害(YOUTUBEテレ東BIZ)概要
大阪西成区の災害(YOUTUBE楽待チャンネル)概要と原因解説

上記の例の他にも、崖崩れとなる原因は沢山あります。
紹介してみますね。
まずは、自然的な主な要因です。
豪雨・長雨  地中に水がしみ込み、土や岩が重くなって崩れる。
地震 揺れで地盤が緩み、斜面の保持力が失われる。
風化・浸食 長年の雨・風・温度変化で岩や土が弱くなる。
凍結融解 冬に凍って春に溶けるサイクルで地盤にひびが入り崩れる。
地下水の変動 地下水位の急な上昇や流れによって地盤が緩む。
次は、人的な要因ですね。
過剰な掘削や盛土 道路工事・宅地造成などでバランスが崩れる。
排水不良 雨水や生活排水が斜面にしみ込んで強度が落ちる。
過剰な伐採 木の根が斜面を固定していたのに、効果が失われる。
斜面への過剰な荷重 崖の上に重い構造物を建て土圧が増える。
擁壁や構造物の劣化 古い擁壁がひび割れや腐食で機能喪失。
振動の影響 交通量の多い道路や工事現場の振動で徐々に地盤が緩む。

「こんな沢山原因があるんだったら、どうすればええんや!」って声が聞こえてきそうですね。
個人的には、少なくとも斜面の亀裂・変形とか水が急に出るようになったとか・・・今までと違う変化は見逃しちゃダメと思っています。
見つけたらすぐ対策か、行政や専門家に相談!
そして、変化がなくても平常時から専門家に定期的に点検してもらうなどが有効ですね。
少しでも安心して暮らしたいなら、これほんと大事だと思うんですよね。

でも、せっかく相談や点検しても、実際対策するとなるとちょっと難しいかもしれません。
なぜなら、市街地の斜面のほとんどは、個人が所有する土地にあるので、対策をしようしても、複雑な問題が絡んでいる場合が多いと思います。
対策が難しい主な理由は、次のような感じですね。
 ・工事費用が高額になる。
 ・場所によっては、工事のための進入路が無い(又は狭い)
 ・工事するために、斜面前後の家を撤去する必要がある。
 ・斜面の上(又は下)の住民と調整しなければならない。
 ・土地の境界などが明確でない。
いくら、人命にかかわる危険があると言っても、色々調整をしたうえで多額の費用をかけて、工事出来るような地主なんてほぼいないでしょう。
結局、一番の対策は、このような場所の危険性を事前に知っておいて、できるだけ避けるということだとは思います。

5.急傾斜地崩壊危険地域の指定するのは誰?

さて、「急傾斜地崩壊危険地域」の指定は、都道府県が行います。
対象箇所が、星の数ほどあるので対応している役所の担当は、なかなか大変だと思います。
さて、急傾斜地は一旦指定されたら、永久に変わらないかと言うとそうでもなく、崩落の危険性を減らすような適切な工事が行われた場合は、レッドゾーンが解除されイエローゾーンになることもあるようです。
工事のイメージはこんな感じですね。

コンクリート法枠工事

この写真は、多種多様な対策工法の一例なのです。この他にも、ブロック積や鉄筋コンクリートの壁で工事したものなど、現地の条件に応じて色々なパターンがあるのです。
いずれにしても、最終的には、工事が適正かどうかを役所が判断したうえで解除かどうかの決定をするようです。

それでは、イエローゾーンの解除はどうかと言うと、工事が行われたとしても地形条件(5m以上・30度以上)が解消できないと解除は難しいみたいですね。
解消しようとすると、大きく地形を改変する必要があり、ハードルは高そうですね・・・厳しい・・・。
でも、よく考えると、対策工事をしても急傾斜であることは変わらないから、危険性は、一定程度残っているんですよね。対策工事をしたところでも、大雨などの影響で崩壊した事例もありますので、イエローゾーンのままなのも仕方ないことなのかも知れませんね。

さて、ここまでの記事を読んで「我が家は、レッドにもイエローゾーンにも入っていないから大丈夫!」って安心している人がいるかも知れません。
でも、だからと言って安全とは言えないのです。
「急傾斜地崩壊危険地域」は5m以上の高さの崖という条件で指定されているのですから、5m未満の崖であろうが危険なところはたくさん有るわけですね。
5m未満でも、がけ条例で、建築に規制がかかる場合がありますよ!
コレかなり気を付けておかないと一生後悔する内容をはらんでいます。
これは、また別の機会に解説しますね。

6.えっ?私が工事するの?

「急傾斜の対策工事は個人でしないといけないと書いていけど、なんだかんだ言っても、最終的には役所がやってくれるんでしょ!」
と思ったアナタ!甘いですよ!シロノワールぐらい甘いです!
基本的には、土地の所有者が安全対策をしなければなりません!
また、何か被害が生じた場合も基本的には、所有者(又は管理者)の責任です。逗子市の場合も、マンションの管理会社が損害賠償を行っています。

ただし、条件によっては安全対策工事を県や市町村で行ってもらえる場合もあるようです。条件は、お住いの場所によってまちまちと思いますので、詳しくはお住いの役所に問い合わせて頂くことが良いと思います。

さて貴方が、危険な崖の所有者だと仮定しますよね。
役所が対策工事してもらえない場合は、私財で工事を行う必要があります。
こうなると、数千万単位でお金が吹っ飛んでいく可能性があるでしょう!
対策工事って滅茶苦茶高いんですよね。

こんな工事を個人ですると大変

じゃあ、「今まで何もなかったし、放っておくか!」って思ってしまいますよね。
しかし、崖が崩れて何らかの被害が発生した場合は、持ち主はその責任を負うことになります。だから、放っておくわけにもいかないのですね。
崖を所有すると言うことは、とてもリスキーなことなのです。
(これは、個人宅でもマンションのような共同所有でも同じですね。)
なお、対策工事する場合、補助金を用意している自治体もありますよ。
こちらもお住いの自治体に問い合わせてみてくださいね!

7.じゃあ、結局どうすればいいの?

私の個人的な意見ですので、参考としてくださいね・・・・・

今から、住宅又は土地を買う人は基本的には、「急傾斜地崩壊危険地域」の購入を避けることが一番かなと思います。

レッドゾーンの土地は、個人的には全く買う候補にはならないですね。
しかし、自分で買う意思がなくても相続の対象物件だったりすることも想定されます。
この場合、放棄することも考えたほうが良いかも知れませんね・・・
(相続放棄の場合は、預金や金融商品など含めてすべての財産を相続放棄しないといけませんから、トータルで判断してくださいね。)

イエローゾーンの家がどうしても欲しい場合は、デメリット(危険性等)とメリット(価格、環境、治安、利便性等)を総合的に判断し、納得したうえで購入しましょう。

次に、もうすでに「急傾斜地崩壊危険地域」に住んでいる場合を考えましょう!
まずは、災害時にどうするか?です。これは・・・避難一択ですね!
自分の家が「急傾斜地崩壊危険地域」となっている場合は、大雨や地震時には避難するようにしましょう。

それでは、平常時にできることは何か考えましょう。
先ほど記載しましたけど、危険性の内容や規模を事前に把握しておくこと大事ですね!

崖を所有している人は、専門家や行政に相談して、適切な対応をしましょう。大規模な対策はできなくても、被害を軽減できる対策や被害想定をすることにより災害時に適切な避難や対応ができるかも知れません。
また、事前に調査することにより崩壊の予兆を発見できるかも知れません。良心的な業者さんなら、相談者の立場に立って、色々提案してくれると思います。

崖自体は所有していないけど、「急傾斜地崩壊危険地域」に住んでいるという人はどうすれば良いでしょうか?
イエローゾーンはある程度の面積があるので、ゾーン内でも、場所によって想定される被害や影響などの濃淡があると思います。
行政や専門業者に相談することにより、住んでいる場所に応じた適切な対応ができる可能性があるのではないでしょうか。

そして、最後に大事な点をお伝えしたいです。
それは、崖の所有者に対しては、過度に安全対策を迫るなど攻撃的な対応はしないことです。
本人は対策したくても、色々な事情からできないかも知れませんからね。
このような急斜面近くの住宅地は、多くは規制が整っていない高度成長時代に造成されており、その当時は造成し住宅供給することが最優先で、購入時に危険性の説明などほとんど無かったでしょうから「今になって危険と言われても・・・」と言うところが本音じゃないのでしょうか?
所有者は、つらい立場の人が多いのではと推察します・・・・

他人は自分ではコントロールできません。
だからこそ、自分でコントロールできる対策を先ずはすべきだと思います。
崖側に頑丈な壁を設置するとか、引っ越しをするとか、寝室やリビングの位置を工夫するとか・・・・選択肢はいくつかあると思います。
他責思考は、何かあったら、他人をひたすら恨むことになるし、自分も後悔することになり、良い結果にならないと思うんですよね。

色々書きましたが、私は「急傾斜地崩壊危険地域」は家を購入する際に気をつけなければ、ならないトップ級の項目だと思っています。土地を購入する際は、色々調べてから購入してくださいね。

皆さんにとって本稿が、参考になると幸いです。
次は、土砂災害の3つめ「地すべり」を題材にしたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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