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米寿

「河豚か何か送る?」
妻が父の誕生日プレゼントについて尋ねてきた。

布団の中の私は
「別にそこまでしなくていいんじゃないの」
朦朧としながら応えた。

「私こそが因習に囚われてたね、ごめん」
妻からのメッセージで気づいた。
そうだ「米寿」だ。

儀礼的なものが嫌いな私は、人に物を贈る習慣がない。
「頂き物」をすると圧を感じてしまい、できることなら何もしないで欲しいと思って生きてきた。
儀礼的なものを無駄だと思っていた。

今は違う。
生かされていることに感謝するようになった。
そして、儀式の重要性に気づく。

宗教的なものと解説されているが、生活習慣の中で自分の意思を表明するにあたり(喜びや哀悼)儀式が持つ役割は大きい。
それに気づかず生きてきた。

私は誰にどんな加護を受けてきたのだろう。
考えるようになった。
周りの人全てに感謝なのだと悟る。
そして、親のありがたみを実感。

言葉やモノでは表せない感謝。
今、新幹線で郷里を目指している。

父さん米寿おめでとう!

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