ホワイトカラーが現場に来ても、すぐには通用しない──それでも僕が「もっと来てほしい」理由
AIの進化や働き方の変化によって、ホワイトカラーの人たちがブルーカラーの現場に興味を持ち始めている。
「手に職をつけたい」「身体を動かす仕事がしたい」「AIに奪われない仕事を選びたい」理由はさまざま。
うちの会社では今のところホワイトカラーからの転職者っちゅうのはおらんけども、業界内でそのような風はぴゅーぴゅー吹いていると感じる。
実際親しい大手取引先で、ホワイトカラーから建設業界へ転職してきた人がいる。思い浮かぶし人が数人おる。
こいうったホワイトカラーからの転職者と接して思うこと。それは――
彼らは、頭が良い。
これは、素直に認めます。
論理的に考え、資料をまとめ、コミュニケーションも、どえらい上手い。
現場にとって、このような人材の出現は、本当にありがてえ。オラありがてえだよ。
だが、現場に立った瞬間、彼らは気づく……
「知っている」と「できる」はまったく別物
ということに。
ぼかあ、ホワイトカラーの人材の参入を心から歓迎しているよ。
ただし、現場には「実技」というどえらい大きな壁がある。
この壁をどう乗り越えるか?
そこが未来の現場を変えるカギになるのかなと。
実技だけは「頭の良さ」ではショートカットできない
ホワイトカラーの人は、マニュアルを読むのが早い。
仕組みを理解するのも段違いに早い。
だが、現場の実技は、理解しただけでは身につかないのよこれが。
● 工具の重さをどう扱うか
● 力を入れるポイントと抜くポイント
● 危険を察知する“勘”
● 材料の状態を見て判断する目
● チームの動きを読みながら自分の動きを調整する感覚
こうしたものは、身体で覚えるしかない領域。
腕にしみ込ませるっちゅうか。血や肉にするっちゅうか。
どれだけ頭が良くても、経験の蓄積だけはごまかせない。
基本的に建設業の現場作業で一人前になるには、僕の肌感覚では、例えば僕が生業としている設備業界では――
少なくとも、10年はかかる。
この10年には経験から派生する「信用」っちゅう厄介事も含まれる。
建設業界では、その者がどれだけ優秀であっても、業界の性質としてぽっとでの転職者にいきなり手放しで信用を寄せないところがある。
悲しいけれどあるのよ歴然とこれが。
悪しき風習かもしれない。でも現実的にあるのだから仕方がない。まずは現実を受け入れよう。
ほいでもさあ。でも最近は、技術の習得においては、マニュアル化やシステム化が進んでいるから、頭の良い、なおかつ勘のよい、なおかつ手先の器用な者なら5年で一人前になるかもしれない。とはいえ、それには目ん玉から血が出る努力は必要だけどね。
ま、この年数は、あくまで僕の肌感覚。
本記事を読まれている人のなかに「何をいわんや。自分はたった3年で建設設備業の全てを習得したぞ。これは自他共に認めるところだ」という人がいたら教えてください。その方法を教授願いたいです。
兎にも角にも、
基本を習得する5年~10年の地道な修行期間に耐えられるか?
これがホワイトカラーがブルーカラーに参入するカギになる、と僕は思う。
前職のホワイトカラー時代に実績がありプライドの高い者ほど、ここで挫折する傾向にある。
現場は判断、判断、判断の連続。判断は知識ではなく経験に支えられている
現場の仕事は単純作業ではない。
瞬間的な判断の積み重ね。
この音は正常か。この材料は今日の湿度ならどう扱うべきか。この作業順だと後工程が詰まる。この人の動きは危ないから声をかけるべき。
こうした判断は教科書には載っていない。 現場の空気を読み、経験を積み重ねて初めて身につく。
ホワイトカラーの人は論理的に考えるのが得意だが、 現場では論理よりも“瞬発的な判断”が求められる場面が多い。
このギャップが、現場の難しさ。
そして、なにより面白さでもある。
ほいでも、ぼかあ、ホワイトカラーにどんどん来てほしい
ここまで読むと、 「ホワイトカラーは現場に向いていないのでは?」 と思うかもしれない。
んなこたあねえっす。僕はまったく逆の考え。
こんな時代だからこそ、現場にはホワイトカラーの力が必要だと思うとる。
● 改善提案を論理的に整理できる
● データ活用が進む
● 若手育成の仕組みが整う
● 現場の“当たり前”を疑い、新しい視点を持ち込んでくれる
こういう分野は、生粋のブルーカラーでは難しい。それは25年の現場経験で嫌というほど分かっている。
現場の人間だけでは気づけないことを、ホワイトカラーは気づいてくれる。 その視点は、現場をより良くするために欠かせない。
だもんで僕は、ホワイトカラーの参入を歓迎している。
そうなるとあれだ。実際問題これだ――
未来を変えるカギは「実技の壁をどう乗り越えるか」
現場の実技は、確かに高い。
ほいでも、ここを変えられれば現場はもっと強くなる。
● 漠然とした教え方を体系化する
● 動画やデジタルツールで学習をサポートする
● 失敗しても安全な練習環境を作る
● ベテランの“暗黙知”を言語化する
● 新人がつまずくポイントを共有する
こうした取り組みが進めば、 ホワイトカラーもブルーカラーも関係なく、 誰もが現場で成長できるようになる。
現場の技術を閉じた世界のものにしてはいけない。 オープンにすれば価値がおのずと高まる。
結論:現場の未来は「融合」だがや
ホワイトカラーの“頭の良さ”と、 ブルーカラーの“身体で覚えた技術”。
この二つが融合したとき、現場はもっと強くなる。 もっと安全になり、もっと効率的になり、もっと魅力的になる。
だから私は、ホワイトカラーの参入を歓迎する。 そして同時に現場の側も変わっていく必要がある。
実技の壁をどう乗り越えるか。
ここが、これからの現場を決める最大のポイントだぎゃ。
現場はまだまだ進化できる。
その進化の中心に、ホワイトカラーとブルーカラーの“融合”があると僕は信じている。
よ~し、こうなったら、今後は、
ホワイトカラーとブルーカラーが融合したカラーのことを、
スカイブルーカラーと呼ぼう!
うおおお、天に広がる空の青!
もう決めた。絶対に。
わーわー言っとります。時間だで。さいなら。
