#せりふ三題噺 意匠
■セリフ
「調べないほうがいいよ」 or
「喉乾いてたんだよね」
■三題
・火山
・シマウマ
・風鈴
#京都老舗勤務OLお姉さんシリーズ
今回は社内イベントに関係することです。
私達が勤めているのは、繊維関係の企業なのですが、
祇園祭や五山送り火のシーズンに合わせて、
反物の意匠(絵柄)を出す仕事もあります。
意匠を出す時は、新人・ベテラン・重役などの経歴や身分に関係なく
皆で出し合い、誰が描いた意匠かを非公開にして、
皆で合評するというイベントがあります。
彩美「開けっ放しやからこの大会議室、冷房全然効いてへんやん……」
杏子「あきらめましょう。
誰もが簡単に出入りできるようになってるからよね。」
彩美「熱中症にならんように、ペットボトル持っとこか。」
杏子「私は水筒を持っておくよ。」
二人は会議室に入ってすぐの意匠を覗き込んだ。

杏子「これは富士山???」
彩美「タイトルに桜島ってあるで。」
杏子「桜島って大きなアミューズメントパークがある?」
彩美「それは大阪やんか。これは鹿児島県の活火山の方やで。」
次の机に行くと・・・

杏子「しまうま?」
彩美「シマウマ!」
二人の声が一致する。
杏子「なぜ?」
彩美「知らんがな! やけど、これ描いたん誰なん?」
杏子「調べないほうがいいよ・・。」
次の机に移動する二人。

彩美「これええやん。全体に散りばめたらええ感じちゃう?」
杏子「風鈴・・なんだろう・・違和感がある。」
彩美「たしかにな~。全部同じ形で色違いだけ?」
杏子「向きも一定よね。」
一通りの意匠を見て、会議室から出てきた二人。
二人して手に持っていたペットボトルや水筒で水分を補給。
杏子「もう・・喉乾いてたんだよね」
彩美「ほんま、暑かったわ・・。」
どれに投票すべきか悩んでしまった二人であった。
後日談
杏子「ねぇ 彩美が出したの どの意匠だったの???」
彩美「かき氷のアレ・・そういう杏子は?」
杏子「飼ってる文鳥の色鉛筆画のやつ・・」
二人の作品は、選ばれることがなかった。
