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蓼食う虫

30数年の人生を振り返って、ふと気付いたことがある。正確に言うと10代の頃から薄々感じていたことだが、私は美人ではない。交際の経験はあるけれど、関係が終わるとき、いつも「あぁ、美しくないからフラれたんだな」と思ってしまう。では、そもそもなぜ付き合えたのか?考えると、奇跡的に私の生活圏に蓼食う虫がいたから、そう結論づけるしかない。

中学生の頃、文化祭の企画でクラスランキング1位になったことがある。その内容が「可愛い女子」というもので「あり得ない。新手のいじめか?」と本気で不正を疑ったが、当時交際していたサッカー部の人気者(性格が良く、男女問わず好かれていた)の仲間達のよく分からない支持が集まり、まるで組織票のような結果になってしまった。

1位になったせいで顔写真を撮る必要があり、嫌すぎて散々ごねた結果、仕上がった写真はほぼ逆光だった。他の追随を許さない圧倒的な暗さで、2位、3位の女子達の誰が見ても可愛らしい笑顔は、まるで太陽のようだった。

20代の頃、交際していた男性に裏で「ブサイク」と呼ばれていた。彼の怪しい言動から浮気を疑い、こっそり携帯のメール(当時はまだLINEがなかった)を覗くと、彼と友人達が口々に「ブサイク」と書いている。誰のことかとやりとりを追いかけたら、どうやら私のあだ名のようだった。

「携帯を勝手に見たのは許す。ブサイクと呼んだことは絶対に謝らない」と、最後まで強気だった彼。高い鼻筋と、くっきりした二重が夢みたいに美しいその人は、やっぱり浮気をしていたし、私は「ブサイク」だった。

それでも整形はしない。きりがないから。内なる美の追求などと気取っているわけでもない。容姿をめぐる心無い言葉で悩む人がいたら悲しい反面、美しい人を見ると感嘆してしまうという矛盾を常に抱えている。友人に撮ってもらった自分の写真を見ると落ち込むけど、まぁこの不完全さが私なのだろう。私だから上手くいったこと、私だから上手くいかなかったことを丸ごと受け入れながら、すぐスマイルするべきだと思う。子供じゃないならね。

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