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孤高のグルメ@天麩羅

またやってしもた。待ちに待った休日。
目覚ましもかけずに寝たら、三度寝どころか四度寝。
起きたら18時やった。

何かしたいわけでもない。ただ、仕事が嫌で予定を立てる気力もなく、「休みたい」という消極的な理由だけで迎えた休日。

結局、何もせず一日が終わりかけている。

とりあえず飯くらいは食うか、と町に降りた。
寝る前に信州蕎麦と越前蕎麦の対決動画を観ていたせいか、なんとなく和食の口になっている。

検索して、宇田川交番の裏にある天麩羅屋へ。

高そうな店やった。予約前提の空気。場違いな気もしたが、入れてくれた。

カウンターで、油の音を聞きながら一人で食う天麩羅。これが今の俺の“ご褒美”や。

風俗嬢並みに「自分へのご褒美」が多い人生。
とはいえ、今の俺に残っている贅沢は、
たぶん飯くらいしかない。

食っていると、奥の個室から若い女が出てきた。
同伴か、マッチングアプリの“飯だけ一万”か。服がダサかったから後者かな、と勝手に値踏みする。

独りより、誰かと食う飯の方がうまい。でも、付き合わせてまで食う飯の虚しさは、俺にはもう無い。

予定も約束も出来ない男の負け惜しみかもしれん。

──北海道の北見刑務所までヤクザを辞め損なっただけでションベン刑が5年以上喰らう羽目になった間抜けなツレに面会に行ったのを思い出した。

「俺も地元離れるし、もうお前とは合われへん」
アクリル板越しに、そんなことを言った気がする。
ソイツの実家も、名古屋の高級天麩羅屋やった。

次に三連休が取れたら、レンタカーでも借りて走ってみるか。

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